主に、世評と書評である。

オノマトペに文句たらたら……

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 文章を書く、読む、という仕事に就いて3年目になるが、いまだ満足に文章が書けない。文章を書いていて悩むことも多いし、分からないこともたくさんある。

 あ、

 「悩むこと多いし、分からないことはたくさんある」が正しいか。

 先日の編集会議で、谷古宇編集長(以下、ヤ)が、「が」と「は」の違いについて話していた。「が」は格助詞、「は」は副助詞である。

ヤ 「主語を強調するときは『は』を使う」。

 ふむ。

 「何も考えてない奴っていうのは、たいてい『も』を使いたがる」

 ごもっとも……。

 ここで改めて「が」と「は」の違いについて確認。

★編集Aが説明する、「が」と「は」の違い★

助詞 意味 例文
(1)主語 車が動く
(2)対象語 あれが好き
(1)主題 木枯らしは三度吹く
(2)対比 わたしは食べません

★編集Aがついでに説明する「も」の使い方★

(1)並立 夕食は寿司も焼肉も食べたい
(2)意外 携帯電話が2万円もした
(3)数の見積もり あと1週間もすれば完成する
(4)婉曲 秋も半(なか)ば

参考:『国語教師が知っておきたい日本語文法』、山田敏弘著

 もう1つ。

 以前から不快に思っていることがある。擬音語と擬態語(以下、オノマトペ)の問題だ。小学校のとき、こんなテストを受けたことがある。

★もんだい★

 つぎのおとはなんのおとでしょう。「あ~う」のなかから1つずつえらんでください。

 (1)あめが【】ふる
 (2)ほんを【】めくる
 (3)ほしが【】ひかる

 あ:きらきら、い:ざーざー、う:ぱらぱら

★せいかい★

 (1)い、(2)う、(3)あ

 どうだろう。別に「あめがきらきらふる」でもいいじゃないか? と思うのだ。オノマトペを否定するつもりは更々ないが、オノマトペに正解、不正解を作り「こうでなければならない」というのはおかしいと思う。

 最近でもこういった問題は出ているのだろうか。気になって、丸の内の丸善で小学生用の参考書コーナーを覗いた。

 あった!

 以下は、小学2年生の国語の教科書用練習問題の回答。【】がオノマトペ。

 鍋 → 【ぐつぐつ】煮る
 おせんべい →【バリバリ】食べる
 大きなかね → 【グワラングワラン】鳴る
 鈴虫 → 【リーンリーン】泣く

引用:『小学教科書ワーク 光村図書版 国語 2年』、文理

 鐘が「グワラングワラン」というのはちょっと面白い。が、やはり、自由な発想力を養い未来に羽ばたいていくことが期待される小学生が、これらを暗記しなければならない意味がよく分からない。文部科学省は何を考えているのか(もし知っている人がいたら教えてください)。

 オノマトペは使う人の想像力のままに自由であっていいといったが、そうはいっても変な表現はある。

 テレビのアナウンサーが、

「番組をご覧の10組20名さまにプレゼント! ドシドシご応募ください」

というのをよく聞く。

 「ドシドシ応募する」……? ドシドシ? 人が、はがきに必要事項を書いて郵便ポストに投函する、もしくは、電子メールに必要事項を記入して送信ボタンをクリックする、という一連動作の擬態語がドシドシというのは不自然な気がする。

 また、テレビショッピングで、品数が限られている商品について「ぞくぞくお申し込みいただいております。お急ぎください」と視聴者を煽るとき、「ぞくぞく」というのを聞くが、繰り返し聞いていると背筋が“ゾクゾク”してくるから止めて欲しい。

 いやしかし、この場合の「ぞくぞく」は「続々」。オノマトペではないし、副詞の使い方として間違ってはいないのだなぁ。

Comment(3)

コメント

三年寝太郎

土砂降りというくらいだから、「ドシャドシャ」降ってるでも良い訳ですね。

素浪人

泣く⇒鳴く ですよね?
引用元が間違えているの?

@IT自分戦略研究所編集担当A

>三年寝太郎さん
コメントありがとうございます。
確かに、土砂は擬態語っぽいですね!「ドシャドシャ」といってみたくなりました。

>素浪人さん
ご指摘ありがとうございます。
おっしゃるとおり「鳴く」が正しいです。引用元も「鳴く」となっております。大変失礼いたしました。おかずかしい・・・。

今後ともよろしくお願いいたします。

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