「Wife Hacks」の考察と実例をご紹介します。

「懐刀」と「足の裏の飯粒」

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■告知

 まずは今回も告知をさせていただきます。ちょっと失礼いたしますよ。

 12月12日(土)、「DevLOVE2009 FUSION」にて、GainerArduinoを使った「フィジカルコンピューティング」についてのセッションを「Gainer Cooking / Arduino Hacking」というタイトルで行います。

 最近静かに流行しつつある「フィジカルコンピューティング」を、実際に動く作例とともに見ていただくチャンスです。興味のある方はぜひ、こちらからお申し込みください!

■さて本題

 いわゆる「理系」の方に共通する特徴として、「雑学が好き」というポイントがあげられます。わたしも厳密には理系ではありませんが雑学は大好きで、いろんな知識を仕入れては妻に披露して、感心されたり鬱陶しがられたりしています。

 時には「そんなこと知ってて何になるの?」といわれたりします。そういうときは決まってこう切り返します。

■「知識は荷物になりません」

 このあとは「貴方を守る懐刀」と続くのですね。ググって思い出しました。意味は文字通り、持っていて邪魔になるものではないし、イザというとき役に立つ(……こともある)。

 エンジニアの立場から考えてみると、「知識」はそのまま「スキル」に置き換えることができそうです。維持にコストがかからなければ、スキルを身につけておいて困ることはないでしょう。

■荷物にはならないけれど……

 身に付いたスキルが邪魔になることはあまりありませんが、スキル獲得のためには何らかの(主に時間的な)コストがかかります。いつの間にかスキル獲得が「目的」になってしまったりすると、それに伴って大切な「時間」を失うことになってしまう場合もあるのではないでしょうか。

 先日開催された「楽天テクノロジーカンファレンス2009」で伺った、KLab株式会社のCTO 仙石浩明氏のお話がとても身につまされるものでした。以下に引用します。

技術者という職種はすごく難しいと思う。誘惑がたくさんある。次から次へと新しい技術が出てくる。「ちょっと」 Ruby を勉強しておこうか、って思うじゃないですか。いろんな言語が出てきて、何から何まで「ちょっと」勉強してみるというのがあまりにも多すぎるのでは。「Hello, world.」 を表示させるだけのように、表層だけ学んで時間を浪費することが多すぎる。考えることが大事というのはまったく同感。どんな時代でも、考える力がすべて。どこまで深く考えられるか。知識を求めることに貪欲になりすぎるな。

仙石浩明CTO の日記: パネルディスカッション 〜CTO のから騒ぎ for the future〜 に登壇しました

 わたし自身思い当たる節がありすぎて、気絶しそうになりながら聞いていました。このセッションはustream中継されたものが残っていますので、興味がおありの方は録画をご覧になることをお勧めします。

 知的好奇心にあふれたエンジニアは、次々と出てくる新しい技術に好奇心をくすぐられます。知りたい/技術を身につけたいという意欲は成長には不可欠なものですが、そのために費やすことができる時間には限りがあります。そして、時間の浪費はwifehacks的にも大変な痛手です。時には立ち止まって、その技術を学ぶことが本当に必要かどうかを考えることも必要ではないでしょうか。

■スキル=資格?

 スキルの話をしていると、その流れで「エンジニアに資格は必要?」というテーマに移ることがあります。さて、エンジニアに資格は必要なのでしょうか? その答えが、タイトルに書いた「足の裏の飯粒」というフレーズです。では、その心は?

取らねば気持ちが悪いが、さりとて取ったところで飯は食えないとの意味である。なんと言いえて妙なる洒落ではないか。

足の裏の飯粒

 なんともうまいこと言ったもんですね。

 さて、わたし自身は「資格は取れるなら取っておけ」と思っています。

  • 「最低限この程度のスキルがある」という指標になる
    ⇒ 例えば、「基本情報処理技術者」を持っていればビット演算やサブネットマスクの話、「オラクルマスター」ならRDBMSの概念やSQLの話ができる、という目安になります。
  • 勉強するきっかけになる
    ⇒ 「資格を取る」という明確なゴールを設定するのは、継続してスキルアップするためのいいモチベーションになります。
  • 収入がアップする(……かも)
    ⇒ 会社員の方でしたら、社内制度として資格取得による報奨金や手当がないか調べてみましょう。転職の際にも有利に働くかもしれません。

 資格取得にはこのようなメリットが考えられるので、1つの目標として使ってみるのもいいでしょう。もちろん、先ほど書いた「時間の浪費」にならないように注意する必要はありますが。

 ちなみにわたしが勤務していたいくつかの会社では、3つ目のメリットはありませんでした。ところが、妻の勤務先にはちゃんと資格にランクを設定し、それに応じて報奨金が支払われるという制度があるではないですか! これを活用しない手はありません。妻の受験期間中はわたしが家事諸々をサポートし、時には家庭教師まで務め、その結果見事合格! 報奨金で温泉旅行に行くことができました。

 立場を逆にして考えると、資格取得によるメリットをアピールすることで「勉強する時間」をwifeに認めてもらうことができます。見事合格して報奨金でなにかプレゼントするなんて、wifehacks的にもエンジニア的にも非常にオイシいじゃないですか!

■まとめ

 スキルや資格について:

  • スキルはあれば邪魔になるものではない
  • 資格取得は勉強のゴールとして有効
  • どちらも「時間の浪費」になってはいけない

 きょうのwifehack:

  • 資格取得によるメリットをアピールしよう!

 「荷物にならない懐刀」、いくつか身につけておきたいものですね。

■Links

【楽天】テクノロジーカンファレンス2009
http://tech.rakuten.co.jp/rtc2009/

仙石浩明CTO の日記: パネルディスカッション 〜CTO のから騒ぎ for the future〜 に登壇しました
http://sengoku.blog.klab.org/archives/65154285.html

[rtc2009]パネルディスカッション 〜CTOのから騒ぎfor the future〜, 2009/10/24 楽天テクノロジーカンファレンス2009 ----
http://www.ustream.tv/recorded/2413306

足の裏の飯粒
http://homepage2.nifty.com/tkymcoffee/essay/mesitubu.html

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