御社がアンドロイドを愛でる未来

技術動向

» 2009/03/20

　寝ぼけ眼の僕に、衝撃的なニュースがやってきました！！ 財団法人産業技術総合研究所が開発した、人間女子そっくりの「メカ」、HRP-4Cというモノです。いいですか皆さん、あくまで知能を持たない「メカ」なのでご注意ください。

　趣味で、拙作「製作所13号機」というアンドロイドものの小説を、2000年にこっそり書いていたのですが、想定していたのは、恐らくこんな感じの「モノ」です。立ち居振る舞いはまるで本物の女子！！ 服を着せたらわかんないですよね！！ しかもしゃべって歩く。でも、忘れちゃいけません。これは「メカ」なのです（まず、自分に言い聞かせよう）。

　こんなのにお茶汲まれたり、こんなのに会社を案内させられたら、きっとオッサンどもはカンチガイしますよ、ええ。そのうち、量産化されて、これに仕事を取って代わられた受付嬢女子が、暴動を起こしかねないですよ。社会問題化しますね。

　なにせ、初期投資ならば「リース物件」。常に充電さえしておけば、給与の心配も、飯の心配も、雇用保険もサービス残業の心配も、通勤手当も、なーんにもいらなくなるのですから。経営者にとってこれだけ都合の良い「リース物件」はないですからね。

　通電さえしておけば、24時間働ける受付嬢。しかも毎年「減価償却」される「メカ」ですよ。さらに半永久的に「老けない」のです。これはおそろしい。これに、さらに「人工知能」が加わったら、現役の受付嬢はどこに行けばいいのでしょうか。末恐ろしいとはこのことですね。

　問題は、先々、航空機に搭乗する時ですね。近い将来、人工知能がついた「これ」が、人間様の座る席に一緒に座りたい、と願うでしょうし、貨物室は寒がって文句を言うでしょうし、「これ」が、もし海外旅行をしようとすると、この場合は「輸出」になるので、貨物扱いの場合では逐一、インボイスを書く必要があります。

　じゃあ、貨物扱いしなければ、果たして？ アンドロイドにパスポートを出すの？ ならば、電源を切ったら貨物でいいの？ 人間と見なした場合、名前は？ 搭乗券は？ ……という、法務省も、入国管理局も、税関も、航空会社も、思わず頭痛がする問題が生じる訳でして……。

　それに、アニメの「最終兵器彼女」じゃないですが、仮に兵器に転用された場合、輸出規制がかかるわけでして、そうすると兵士じゃなく「軍事物資」になります。兵器としてプログラミングされてしまえば、とんでもない殺戮兵器になるわけでして、第三国の手に渡らないようにしなければなりませんね……。　

　（思索と模索の極みですな、これは……）