ITエンジニアのための知識をあやつる第2の脳のつくり方

電子書籍と紙の本: なぜ、ITエンジニアは電子書籍よりも紙の本を好むのか?

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電子書籍と紙の本: なぜ、ITエンジニアは電子書籍よりも紙の本を好むのか

この記事では、多くのITエンジニアが電子書籍よりも紙の本を好んで読書をする点について、DX化がすすむ中での好奇心からの視点で初稿をお届けします。

今回、初めて投稿させていただきます。本の棚の大山賢太郎です。よろしくお願いします。

私は「本の棚」というブログサイトを運営しています。ここに集まる、数々の熱狂的な読書好きたちと議論を交わすことがよくあります。

たとえば、週末の読書には「電子書籍よりも紙の本の方が良い」と言うエンジニアの意見を多数聞くことがあります。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)がすすむ中での読書とは?

ところで、ここ最近DXと呼ばれるデジタル化を強力に推し進める裏方としてのプログラマやAIのエンジニアたちが、どうして紙の本を電子書籍よりも好むのでしょうか。

よく聞かれる理由としては、「電子書籍は読みづらい」とか「紙の本の方が記憶に残る」という声が聞こえてきます。確かに、一部の研究では、この二つの形態を比較して読書のあとでテスト問題を解いて紙の本の方が記憶に残った正解率が高いという報告はあります。

しかし、本を読んだ直後の記憶テストだけで、私たちが知識を活用する全てといえるでしょうか。過去何年にもわたっての読書や知識量を活用して何か新しいアイデアを産み出していくときに、紙の知識を管理・活用して行くには明らかに限界があります。

確かに、これまで私たちは紙の本とともに育ってきました。幼い時からの絵本から、小学校中学校と義務教育は全て紙の本でした。そして高校や大学での受験勉強や論文なども、全て紙の本が中心でした。

日々パソコンの画面に向かい、プログラムのコードを打ち込み続ける作業が終わった後には、特に、週末の休息が必要なときには紙の本の方が懐かしく感じるのは確かです。

そうは言いながらも、これまでのアナログを否定し、デジタル化を推し進める立場にあるITのエンジニアが、デジタルとは真逆の紙の本を好むのに矛盾を感じるのは私だけでしょうか。

もし、RFPで読書のシステムを提案するとしたら・・・

一つ、ITのケースを例にとって考えてみます。

たとえば、 長年アプローチしてきた潜在的な顧客からRFPを求められたとします。もちろん、システムのRFPですからデジタルであることが前提です。この時の提案書に紙のシステムを提案したらどうなるでしょうか。

可能性としては・・・

  1. 川喜多次郎氏の「KJ法」
  2. 梅棹忠夫氏の「京大式情報カード」
  3. 野口悠紀雄氏の「『超』整理法」(少しデジタル系ですが・・・)

・・・などの、読書から得た知識の管理手法を提案するとは、まったく考えられません。

これは、私自身が「本の棚」と言うブログサイトを運営しているという、特別なポジションからのバイアスと受け取っていただいても結構です。しかし、私自身が日ごろから感じている不思議に思う数多くある中の1つであることには間違いがありません。

一方で、これまでの数多くの読書愛好家や作家や著者の方たちなどからいただいたご意見では、読書がアウトプットになかなか結びつかないという状況があります。

デジタル読書のすすめ

私は、読書は知識を収集しそこから発見を得て、アウトプットを通じて価値を創造するプロセスの入り口だと考えています。であれば、読書から知識を収集し、いかにそれをデータベース化をして、価値あるものとしてアウトプットしていくのかが重要な視点だと考えています。

最終的には、読書から得た知識を知識ベース(ナレッジベース)のような形でデータベース化して保存し、深層レベルで処理をし、そこから価値ある特徴を見つけていくことが大切だという結論に至りました。

DX化が急速に進む中、個人のレベルで紙の本や紙の情報管理に固執していたら、とんでもないことになってしまいます。

このような変革の時期であるからこそ、一人一人の頭の中のDX化も検討するときに来ていると思うのです。

この点についてより詳しい情報は、拙著「デジタル読書のすすめ: 深層読書とナレッジベースがあなたの脳を覚醒する」にまとめています。

皆さんはどのようにお考えになりますか。

ぜひ、コメント欄からお寄せください。

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