時間を区切る3つのコツ
はじめまして。西河と申します。
組み込みエンジニアとして、各種マイコンの制御ソフトウェアやOSの設計・開発を担当しています。
当コラムでは、わたしが日頃の開発を進める上で活用している、ちょっとした仕事のコツを、楽しく、シンプルにまとめてご紹介していきたいと思います。
ちょっとした気分転換で読んでいただき、みなさまの開発のちょっとした「カイゼン」のヒントになればと思います。
第1回は、「時間を区切る3つのコツ」をご紹介します。
●時間管理の課題
開発プロジェクトを滞りなく進めていく上で時間管理のスキルは大切です。しかし、日ごろの開発をふりかえってみると、こんな状況に遭遇することがあります。
- 「今日中に終わらせよう!」と思った仕事が予定通り終わらない。
- 他のメンバーに作成を頼んだ資料がなかなか提出されない。
- 進ちょく会議の時間がいつも長引いてしまう。
これらの問題が起こる背景には、いろんな状況変化や、計画や見積もりが甘いという原因も考えられますが、自分や人に仕事を割り振る時の「時間の区切り方」を工夫することで、スムーズに進むことがあります。
●時間を区切る3つのコツ
こういった場面で有効な3つのコツをご紹介します。
(1)きりの悪い数字を使う
「1人10分で進捗状況の報告をお願いします。」など、時間の目安を提示して話してもらう場面は多いと思います。こういったときに、「10分」などのきりの良い数字よりも、「9分27秒」などのきりの悪い数字を提示するようにしましょう。
「10分」などのきりの良い数字を提示すると、人は勝手にロスタイムを設けてしまう傾向にあります(12分ぐらいならいいだろうとか)。きりの悪い細かい数字を提示されると、必要以上に数字を意識するようになり、時間を守りやすくなります。
日ごろ使っている数字の区切りをちょっと工夫してみましょう。
- 「1人10分で進捗報告を」 → 「1人9分57秒で進捗報告を」
- 「ミーティングは18:00開始です」 → 「ミーティングは17:48開始です」
(2)具体的な表現を使う
期限を設定するときに、「今週中」「今月中」などの言葉をよく使います。こういった表現をより細分化し、具体的に提示するようにしましょう。
あいまいな表現には、聞き手のマージンが入り込む余地があります。期限やゴールはできるだけ具体的に提示するようにしましょう。
- 「このモジュールは今週中に仕上げてください」 → 「このモジュールの実装は20日17:00までにコミットしてください」
(3)スケジュールを貼りだす
どんな簡単な会議や、個人の仕事でも、簡単で良いのでスケジュールを貼りだすようにしましょう。会議なら、始まる前にホワイトボードの隅に、簡単に書いておきましょう。
【8月26日チーム進捗会議】
15:00 スタート
~15:10 連絡事項
~15:30 先週の進ちょく報告
~16:00 今週のタスク確認
朝、席に着いたらその日の仕事を書き出して、簡単なスケジュールリストを作って貼りだしておくのも効果的です。
●時間の区切りに注目しよう!
時間管理は、開発業務に関わらず、いろんな状況で必要なスキルです。今回は3つのコツを紹介しましたが、みなさんの日頃の仕事や生活の中でも、「時間の区切り」に注目してみると、意外なコツが潜んでいるかもしれません。