物作りの現場で、なるべく楽に、かつ楽しみながら仕事をする

IT業界を目指した理由

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 IT業界で11年間、プログラマ、システムエンジニアなどを行ったり来たりしながら、いまはリーダーとしてプロジェクトを任されています。その中で、「こうすれば楽になるのにどうしてしないのだろう?」という改善観点から、「リーダーとして在るべき姿」についてまで、数回に渡って書いていきたいと思っております。

■ なぜIT業界を目指しましたか?

 唐突ですが、皆さんはなぜIT業界を目指されましたか?

  1. ITで人々の生活をより便利で豊かにしたいから
  2. 最先端の技術の中で自分の技術も共に研鑽したいから
  3. 面白そうだから

 色々と素晴らしい理由が人それぞれにあると思います。しかしながら、わたしがこの業界を選んだのは(もう大昔の話ですが)、

IT?≒プログラム?
 ↓
キーボード打って仕事になるなら楽にお金が稼げるか?
 ↓
よしやってみよう!

でした(誠に申し訳ない……)。

 ただ、当然のことながら作ったプログラムは動作検証をしなくてはならず、自分が作ったプログラムなのに問題箇所はなかなか分からず、解析が終わると気がつけば丸2日間会社から一歩も外に出ていなかった……などということを繰り返している内に、楽だなどとの思い込みはとんでもない浅慮であったことに気がつきます。ですが、それでもそこは創意工夫、慣れ、経験、トライアンドエラーを繰り返し、PDCAが身につくことにより、徐々に上手くなっていくものです。

 最初は果てしない解析地獄、迫り来る納期、一向に収束しないバグ傾向……などに戦々恐々し、胃の痛くなる日が続きます。しかし、次第に慣れるというか、どちらかというと「それをどのようにコントロールできるようになるか」を模索し始めるようになります。

 また、「バグは人間が作る以上、必ずある」ということに気がつくと、バグを出さない努力も無論必要ですが、それよりも「どの程度のバグ傾向・件数なら(自分の解析能力なら)この期間内に収まるか(ただしバグの内容にもよる)」の見立てが重要だと分かります。この見立てが立つようになってくると、プログラマとして順調に仕事が回り始めるのではないかと思います。

 しかしそうは言っても、筆者の場合、そもそもの動機が「楽に仕事がしたい」というところにあったので、「より楽にしたい」、あるいは「よりバグを少なくしたい」と思って色々悪戦苦闘しています。遠回りのように見えますが、「様々な失敗をすること」が、結果として次に同じ失敗をしないための教訓になります。次からは高効率な開発ができるようになって……という繰り返しで、徐々にプログラマとしてのエラー率が下がっていき、結果として品質の向上や、仕事時間の短縮という効率化に繋がっていきます。プログラムについて苦労するのは苦しいし、嫌です。しかし、その苦労も後のプログラムのため、さらに言えばそこでより良くしようと必死に考え、もうこれ以上良くしようがないと思ってもまだ諦めずに何か改善しようとしていく姿勢が、将来的にはプログラムだけではなく、後々まであらゆる面で役に立つものであると、ずいぶん時間がたってから気がつくかもしれません。

 その後、徐々に立場上プログラマというよりも(このころ、すでに経験年数が5年ほど経過していたので)、客先寄りの仕事や開発グループのリーダーといった立場にシフトしていきました。求められる能力もまた、徐々にプログラマとは異なったものとなっていきました。

 次回は、そんな「楽をしたくてIT業界に入った」筆者が、実際にリーダーとして今、心がけていることを書きたいと思います。

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