自分の仕事を家族に説明できますか?
正直、ブログなどは今までまともにやったことがありませんでした。SNSなども知人の紹介で登録してみたものの、日記は3日坊主にもなれずに終了しました。
こんなわたしに、今回このような機会が巡ってきたのは、もしかしたら天がわたしに「継続してやることを身に付けさせるために与えたチャンス」なのではないかと勝手に思っています。(誤解のないように補足しますが、仕事はきちんとやります……)
本コラムではわたしの十数年のSI経験から、この業界に携わる方々(プログラムを作る人、設計する人、チームもしくはプロジェクトを管理する人など)が多少なりとも役に立ちそうなこと、関心を抱きそうなことや、この業界ゆえの悩みについて書いていきたいと思います(技術的なことだったり、技術的ではないことだったり)。
そして少しでも共感いただく、もしくは皆様のお役に立つことができればこの上ない幸いです。
アクセンチュア・テクノロジー・ソリューションズ株式会社
マネジャー
新楽清高
■自分の仕事を家族に説明できますか?
十数年SI業界で働いてきて、いまだに苦手なこと。それは「自分の仕事を説明する」ことです(特に家族に)。
以下は社会人になりたてのころ、母と交わした会話です。
母「あんた、どんな仕事してるの?」
わたし「システム作ってる」
母「あっそ」
まぁ伝わるわけありませんね……(そもそも説明するのが面倒くさいとも思ってました)。
母が以後、わたしに仕事の内容について聞いてくることはありませんでした……。
ちなみに以下は妻に説明したときの会話です。
妻「どんな仕事しているのかよくわかんないんだけど」
わたし「オレもどう説明していいかよくわかんないんだけど」
妻「なにそれ?(怒)」
わたし「えーっと……」
わたし「コンピュータを使っていろんな会社のシステムを作ってる……」
妻「じゃあ、ずっとパソコンの前にいるんだね」
わたし「……うん。……そんな感じ?」
(なんか違うと思いつつも、それ以上の説明も思い浮かばなかったのでそこで終了)
そして妻は、わたしが1日中パソコンとニラメッコしているちょっと暗い感じの仕事をしていると思ってしまったのでした……。
はじめは「ま、まぁいいか」と思っていました。
が、きちんと仕事を理解されないと、例えばカットオーバー前や緊急のトラブル対応などで忙しくなったときに、「なんでそんなに忙しいわけ?」と理解を得られなかったり、「××さんのところは夜7時には家にいるんだって」と言われてみたりしました。
さらには「どっかで遊んできてんじゃないの?」といったあらぬ誤解まで受けるという残念な状況に陥ることも(そもそものわたしの日ごろの行いなどはさておき)。
そしてわたしは決心しました。「自分の仕事をきちんと説明して理解してもらおう。」と。
が、どうやったらちゃんと理解してくれるのでしょう……。そのとき具体的にどんな説明をしたかは少々恥ずかしいので割愛しますが、とにかく真剣に説明し、分からなかったところはさらに分かりやすくしたり……と、とにかく妻が納得のいくまで説明しました。そのときの真剣さが伝わったのか(もしかしたらわたしの説明に限界を感じた可能性もありますが……)、以降、忙しい時期があってもきちんと理解を示してくれるようになりました。
(どんなときでも真剣に。そうすれば以外と物事はいい方向に転がっていくんだなと)
ということで我が家の【自分の仕事を説明できない問題】は解決したかのように思えました。
(冒頭に登場した母はいまだに理解していない可能性があるので、そろそろちゃんと説明しようと思っています)
などと油断していたところで最近、最大の試練がやってきたのでした。
なんと7歳になる娘が「パパってどんな仕事してるの?」と聞いてきたのです。娘の成長に涙しつつも、内心「大丈夫か? オレ」と。ですが前回の教訓を生かして、子供になるべく分かってもらえるように、真剣に答える覚悟を決めました。
わたし「パパの仕事は、コンピュータを使っていろんな会社で働いている人たちが大変だなって思ってることを簡単にできるようにしてあげたり、問題をなくしてあげたりすることだよ」
娘「ふうん。じゃあパパはみんなのためにがんばって働いてるんだね」
わたし「うん、そうだよ」
娘「わかった! 誰かに聞かれたら、そう答えるね!」
ということで(少しだけカッコつけた感はありますが)真摯な対応により、娘との間に信頼関係を感じることができました(またそこで目頭が熱くなるわけですが……)。
質問する人にはそれなりの期待値がありますよね。知りたいレベル感というか。それに質問する人の知識も違いますよね。相手が本当に知りたいことや相手が知っていること、知らないことなどをきちんとその都度考え、分からなければ探り、相手が納得するまで……。
というように質問してきた相手(人)に対して真摯に答える姿勢というのが重要だな、と痛感しました。
きっと仕事でも同じことが言えるんだろうな。
人と人との信頼関係は大切……。
信頼関係が築けていないとよい仕事はできないし、楽しく働けない……。
どうやったら信頼関係を築いていくことができるのだろう……。
そんなことを考える大変よいきっかけになりました。