ゾーホージャパン社のZohoサービスの開発現場で繰り広げられる、インド人エンジニアと日本人エンジニアによる共同作業が映し出すIT業界での新しい働き方について紹介する。

インド人エンジニアと運動

»

 Zoho推進の松本です。

 「エンジニアと運動」ということですが、インドからの風をお届けしているわたしどもとしては、「インド人エンジニアと運動」というタイトルでお送りしたいと思います(あくまでも、わたしたちの周りのインド人エンジニアですので、ご了承ください)。

 言わずもがなですが、インドは暑いので、なかなか外で運動をするのは辛いものがあります。雨期にもなると、運動中にザーザー雨が降ってきたりするので大変です。しかし、雨にも負けず、暑さにも負けず、運動する人々はいるものです。

●インド人エンジニアは何の運動をしているのか?

 わがインド開発センターにおける三大人気スポーツは、クリケット、バドミントン、卓球です。キャロムボードというおはじき遊びのようなボードゲームも非常に人気があるのですが、運動とは言い難い感じがするので、ここでは除外しました。日本にも、キャロム連盟という団体があるらしいので、興味のある方はどうぞ。

 この中での人気は、やはりクリケットが一番でしょう。

Dscn27951

 ただ、普段やるのはバドミントンや卓球がメインです。バドミントンや卓球なら、最低2人いればすぐプレーできるので、手軽にできるのが良いのではないかと思います。2人といわず、ダブルスで4人でプレーすることも多いです。

●インド人エンジニアはどこで運動しているのか?

 さて、本題のインド人エンジニアと運動ですが、会社の食堂に卓球台が設置してあります(キャロムボードもそこにあります)。また、駐車場の横にバドミントンコートがあり、そこでプレーしています。駐車場の横ですのでもちろん屋外、そして地面はアスファルトです。すべると危険です。夕方や夜にプレーしていると、帰宅する人の車を通すため、プレーが中断されるのもご愛敬です。

 クリケットは場所も野球をやるくらいの広さが必要なので、会社から移動してプレーします。工事中の原っぱみたいなところ(入っていいのかよく分かりませんが)で、よくプレーしていました。

Dscn1715

※ちなみにボールを思いっきり投げてるのはマネージャです。

●インド人エンジニアはいつ運動しているのか?

 インド開発センターでは、時間の使い方は各人の裁量に任されています。そのため、日本でいうところの就業時間中であろうとなかろうと関係なく、いつでも気が向いたら運動しているようです。いつ行ってもバドミントンコートにいる人もいたりして、会社に何しに来ているのやら……という気もしないでもないです(※一応、彼の名誉のためにいっておくと、夜型なので夕方は遊んで、夜にガリガリとコードを書いているみたいです)。時間帯としては、やはり昼間の暑さが過ぎる夕方からが多いです。

●超人気スポーツ、クリケットについて

 インドで一番人気のあるスポーツはクリケットだと思います。日本人でいうところの野球に相当します(個人的にはサッカーが好きですが)。クリケットはプロスポーツとしてテレビでも放映されているので、見るのもプレーするのも人気です。(そういえば、『スラムドッグ$ミリオネア』の問題にもクリケットの選手の問題が出てましたね)。

 ちなみに、

 「クリケットは日本でこそまだ知名度は低いですが、世界100カ国以上で愛されているインターナショナルスポーツです。球技としての競技人口はサッカーについて世界第2位といわれ、クリケットの世界大会であるICCワールドカップは数億人の視聴者を集める世界一大スポーツイベント」 (日本クリケット協会

らしいです。実はすごいスポーツのようです……。

●インド人エンジニア気質とクリケット

 クリケットで一番驚異的なのが、その長さです。国別対抗戦で正式ルールでやると、1試合に4、5日(!)かかるらしいです。短縮版でも7、8時間と長いです。もちろん草クリケットのレベルではそこまでやらないため、1、2時間で終わりますが、それにしても気が長いスポーツです。普段やりとりをしている時ののんびり加減と近いものを感じます……。

 クリケットのルール自体は、野球に似ているのですが、クリケットは野球に比べてやたらアウトになりにくいので、アウトを取った時はみんな大喜びです。ハイタッチをして抱き合う勢いです。サッカーのゴールを決めたときのような感じでしょうか。クリケット初体験の際は、何があんなにうれしいのかほとんど理解できなかったのですが、後で喜びを共有できるようになりました。ハイタッチをした時に、ちょっとインド人に近づいた感がありました。

 ところで、インドではいたるところで牛を見かけますが、クリケットをやっているグラウンド(野原といった方が正しいですが)に、牛がやってくるのも日常茶飯事です。自分のチームの攻撃の番で、ぼんやり相手チームの守備の方をみていると、遠くで黒い塊が……。

Dscn2831

 のしのしとやってきたかと思うと、クリケットをプレーする人々を気にも留めず、横切っていきました。そして、こちら側の人々(わたしを除く)も牛のことを気に留めていませんでした。問題が起きても、あんまり焦っているところをみたことがないのですが、動じない心はこのような場面を通じて養われているのでしょうか……というのは冗談で、普通に牛がどこにでもいるのが当たり前だからですね、きっと。

●インド人エンジニアによるクリケット大会

 人気スポーツのクリケットですが、プレーするためには結構な人数が必要なので気軽に毎日プレー、というわけにはいかないようです。ではいつクリケットをやるのかというと、会社で大会が開催される前の1、2カ月間がメインです。開発センターでは、「Cricfesta!」というクリケットの大会があり、その前後になると、皆がぜんやる気を出してクリケットの練習に励みます。

 インドに行ったばかりの頃、夕方頃になると、皆そわそわしはじめ、しばらく経つとどこかへいなくなっていたので不思議だったのですが、皆でクリケットの練習に行っていたのでした。皆それぞれバイクにまたがって(もちろんデフォルトはメットなしの2人乗り)、クリケットのバット(?)とボールを持って原っぱへ出かけていっていたのでした。

 大会前は、こんなフラッグも作ったりしてかなり気合が入っています。

Dscn2898_2

 クリケットにしろ、何にしろ、開発センターでは皆好き勝手に運動していますが、いつ働きよる? と聞きたくなることもしばしばあります。ただ、実際に仕事をしている時間は結構短いと思うので、時間当たりの生産性はかなり高いのかなとも思ったりもします。

 色々と思い返してみると、やはり、スポーツの力というかなんというか、一緒にクリケットをやるようになってから、インド人エンジニアたちと、より一歩親しく話せるようになった感じはあります。自分に興味がなくても、向こうの懐に飛び込んでみるのは大事かもしれないと思ったりもしました。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する