ふつーのプログラマです。主に企業内Webシステムの要件定義から保守まで何でもやってる、ふつーのプログラマです。

冷たい方程式(6) 強者の論理

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 9月3日、月曜日。

 あたしは、三度来社したホライゾンシステムの八木社長とムツミさんに、新しいPMとして、渕上マネージャを紹介した。渕上マネージャは、ここでも時間をムダにしなかった。名刺交換を終えて、全員が腰を下ろしたとたんに、こう切り出した。

 「御社に業務系の実装もお願いしたい。可能ですか?」

 八木社長は、社交辞令的な世間話でもしようと思っていたのか、中途半端な笑顔を浮かべたまま、訊き返した。

 「は、業務系を、弊社でですか?」

 「可能ですか?」

 渕上マネージャに重ねて問われ、八木社長は慌てたように手帳を繰った。

 「はい、えーと、大丈夫だと思いますが……」

 「ではお願いします。詳細は後で日比野に確認してください」わずか30秒で発注を終えた渕上マネージャは、さっさと次の件に話を移した。「それから、データベースが変わります」

 「え、Oracleではないということですか?」

 「はい」あたしは答えた。「PostgreSQLになります」

 「ポスグレですか」八木社長は難しい顔になった。「うーん。実は、Oracleを購入してしまったんですよ」

 「え、そうなんですか?」

 「ええ。うちがよく使ってる業者の方で、安く購入できるキャンペーンがあったもので。何とかなりませんか?」

 「はあ、そうですねえ……」あたしが言葉を探していると、渕上マネージャの冷たい声が割り込んだ。

 「それは御社の都合であって、弊社は関係ありません」交渉の余地はない、と宣言しているようだ。「弊社がOracleを購入しろと強要したわけではない」

 ――ちょっと、そういう言い方はないんじゃないか?

 あたしは憤然となったが、八木社長は怒りを感じるというより、困惑を隠しきれない様子だった。

 「できれば、このままOracleでいきたいのですが……」

 八木社長の弱々しい願いの言葉を、渕上マネージャは容赦なく遮った。

 「もし難しいようなら、御社への発注を取り消すことになりますが」

 ――うわ、そんなカードをもう切るか。

 さすがに八木社長の温厚そうな顔にも、ほんの一瞬だが、怒りの色が走った。それでも八木社長は大人の対応をした。

 「分かりました」諦めたように首肯する。「何とかします」

 渕上マネージャは当然のようにうなずくと、話題を変えた。

 「次にフレームワークですが、御社独自のものを使うとか」

 「はい」八木社長はおそるおそる、あたしの顔を見た。「日比野さんには了解をいただきましたが……」

 「それは却下します。うちと同じフレームワークを使っていただきたい」

 「え、それは、ちょっと……」思わず、という感じで声を上げたのは、黙って話を聞いていたムツミさんだった。

 「何か?」

 渕上マネージャの射るような視線を受けて、ムツミさんは気圧されたように口を閉じたものの、八木社長が促すと、小さな声で話し始めた。

 「えーと、あの、すでにうちのフレームワークを使うということで、実装担当者の教育を始めてしまっています。10月1日から実装をスタートできるようにということで。今になって、それを変更されても……」

 ムツミさんの声は尻つぼみになった。今日は同席していない亀井くんなら、大いに同情して一も二もなく譲歩したにちがいないが、渕上マネージャは、眉ひとつ動かさなかった。

 「繰り返しますが、御社の事情にはいちいち関知しません。Teedaでは実装できないと?」

 無理なら発注を取り消す、という言葉は、省略されているだけだということは、全員が理解している。絶句してしまったムツミさんの代わりに、八木社長が硬い表情で了承した。

 「わかりました。Teedaで大丈夫です」

 「では、私はこれで」渕上マネージャはいきなり立ち上がった。「詳細は日比野から聞いてください」

 そう言い残すと、渕上マネージャは一陣の風のように去って行った。

 ホライゾンシステムの2人は呆気にとられていた。打ち合わせが始まって10分も経っていない。ろくに挨拶をする時間さえなかったけど、渕上マネージャの方はそんなもの望んではいなかったのだろう。

 「すみません」あたしは2人に謝った。「急なことばかりで」

 「あ、いえいえ」八木社長はかろうじて笑みを浮かべた。「日比野さんのせいじゃないでしょう。しかし、ちょっとやりにくい方ですね」

 「そうなんです」あたしは心から同意した。「勝手に何でも決めてしまうんですよ」

 「でも、なんでデータベースを変更するんですか?」

 「コストカットのためだそうです」

 「そうですか……確かにポスグレならタダですからね」

 「実際のところ、どうですか?」あたしは気にかかっていたことを訊いた。「業務系の実装、できそうですか?」

 「やるしかないですね」八木社長は苦笑した。「うちとしては、本数が増えるのは大歓迎ですから。ただ、人員の確保がちょっと大変ですかね」

 「すみません」あたしはまた謝った。

 「いえ、いいんですよ。先走ってしまったこちらも悪いので」

 おかしな話だが、このときあたしは、ホライゾンシステムを選定したことを後悔した。適当な専門用語を並べて、なんだかんだで理由をつけて、高い金額を請求するような悪質な会社が相手なら、あたしも気が楽だったのに。

 「すみませんが、本日は、これで失礼させてもらいます」八木社長は一礼すると、ムツミさんを促して立ち上がった。「いろいろ整えなければいけないことができましたので」

 あたしも立ち上がると2人をエントランスまで送った。

 「私は少なくとも10月1日までは、東京営業所の方にいます」受付の前で、八木社長が言った。「業務系の詳細は、また日を改めてということでお願いします」

 「はい。またご連絡します」

 「何かあればいつでもお電話ください」

 そう言い残してホライゾンシステムの2人は帰って行った。

 

 八木社長は「いつでもお電話ください」と言ったが、まさかそう言った当日の夕方に電話がかかってくるとは思ってもみなかったにちがいない。電話をかけたあたしだって、そんなことは予想していない。

 『ああ、先ほどはどうも』

 「こちらこそ、わざわざありがとうございました。データベースの方は問題ないですか?」

 あたしたちはしばらくPostgreSQLやTeeda など、技術的な会話を交わした。特に内容のある話ではなく、単にあたしが本来の用件を切り出すのを、ぐずぐずと先延ばしにしているだけだった。八木社長はそれに気付いていただろうに、あたしの時間の浪費に付き合ってくれた。

 それでも、いつまでも会話を引き延ばすわけにもいかず、あたしはとうとう本題を口にした。

 「あの、実はですね、渕上の方から、成果物について指示がありまして」

 八木社長が応答の前に、数秒の沈黙を先立たせたのは、心構えをしたのだろう。

 『うかがいましょう』

 「後からうちがメンテナンスする際に必要だから、詳細設計書を書いてもらえと」

 電話線を通して、八木社長の当惑が伝わってきた。

 最初にホライゾンシステムに伝えたように、この開発では詳細設計書のようなものは作らないことにしていた。管理系は、単純なマスタメンテナンス画面ばかりなので、テーブル設計を見れば、だいたいの仕様は分かるはずだ、とあたしたちは考えていた。ホライゾンシステム側も「詳細設計書がなければ実装できません」という態度ではなかった。

 亀井くんが作っている仕様書もたいした内容ではなく、別のマスタとの相関チェックといった、テーブル設計書からでは分からないチェック条件などが記述してあるだけだ。単体テストを単純にするために、各テーブルには外部キーを設定しないことにしたので、こればかりは推測しろと言われても無理だろう。

 業務系に関しては、多少詳細な仕様書が必要となる。例えば、時間外労働時間は、職位や契約形態によって、計算方法が変わってくる。さらに、2010年から施行された改正労働基準法によって、月60時間を超える分の賃金率は150%になるなど、法律にからむ仕様も多く、できるだけ仕様変更に耐えられる作りにする必要もあった。業務系には、このような仕様が多く、行き当たりばったりに作ることはさすがにためらわれた。それでも、画面毎の仕様書などを作っていると、時間が足りなくなるので、要件定義の段階でドキュメント化するにとどめたのだけど。

 『えーと、すみません』八木社長の混乱した声が届いた。『ちょっと確認しておきたいんですが、御社ではなく、弊社の方で詳細設計書まで作成しろと、そういうことですか?』

 「そうなんです。今さらですが」あたしは心苦しく思いながら答えた。「できますか?」

 『そうですね。実装後ということでよろしければ、何とかなりますが』

 「すみません。勝手なことばかりで」

 『いえいえ。ただし、その分は別に見積もりを出させてもらうということでよろしいでしょうか』

 そういえば費用のことなど考えてもいなかった。こういうところが、渕上マネージャに言わせると、コスト意識が足りないとなるのだろうか。

 「大丈夫だと思いますが、確認してみます」

 あたしは後で折り返すことにして電話を切ると、渕上マネージャに話しかけた。

 「渕上さん、すみません」

 渕上マネージャは、じろりとあたしを見た。特に不機嫌そうだったり、迷惑そうだったりするわけでもないのに、なぜ、この人にはこうも話しかけづらいんだろう。本当にATフィールドを展開しているのかもしれない。

 「詳細仕様書の件で、ホライゾンさんに電話しました。実装完了後の作成でよければ可能ということで、その分の見積もりを出させてほしいそうです。それでいいでしょうか?」

 渕上マネージャは、目を細めた。

 「何を寝ぼけたことを言っている」

 「はあ?」

 「実装後でいいはずがない。そもそも、詳細仕様書がないのは、システム開発の進め方としておかしいとは思わないのか」

 ――さっき、あたしたちの保守のために必要って言ったくせに。

 「すいません。おかしいとは思いませんでした」

 「これからは、おかしいと思いたまえ」

 「じゃあ、実装前に書いてもらうんですか?」

 「当然だ。内容は私がチェック、承認する。見積もりは出してもらって構わない」

 「分かりました」あたしは受話器に手を伸ばしたが、渕上マネージャの話はまだ終わっていなかった。

 「ただし、1本につき1人日だ」

 「1人日ですか?」思わず声が高くなった。「1画面の詳細仕様書を1日で書けというのは無茶だと思いますが」

 「1日で書けとはいっていない。追加の工数としてカウントしていいのが、1人日分だけ、ということだ。実際に何日かけようが、それはホライゾン社の都合だ」

 「それじゃ、ホライゾンさんの損害になりませんか?」

 「うちの損害ではない」それがすべてだ、と言わんばかりの口調だった。

 あたしは天を仰いだ。

 「ちなみに、どの程度の仕様書を書くことを想定されているんでしょうか?」

 渕上マネージャは、その質問を予測していたらしく、1枚のプリントアウトをあたしに渡した。それを見たあたしは、軽いめまいに見舞われた。

  1.  機能概要
  2.  ロバストネス図
  3.  シーケンス図
  4.  クラス図
  5.  画面レイアウト
  6.  項目定義
  7.  処理定義
  8.  テスト項目

 前の会社でも詳細仕様書は必須だったが、ここまで細かく作成したことはない。これだけの仕様書を真面目に作成していたら、それだけで軽く2~3日は費やしてしまうだろう。

 「こんなに書くんですか?」

 「君が書くわけではない」

 「分かってますが、これだけの量の仕様書を書く工数が、1人日というのはいくらなんでも……」

 「ホライゾン社の問題だ」渕上マネージャは、すでに興味をなくしたようにモニタに目を戻した。「先方に伝えたまえ」

 ――自分で伝えろよ。

 「こういうのって下請法に抵触しませんか?」あたしは別の方向から攻略を試みた。「“買いたたき”に該当するんじゃ……」

 「再見積もりを行わずに、一方的に単価を決めれば抵触する」渕上マネージャは、あたしの浅はかな理論武装をあっさりはねのけた。「今回は、再見積もりを認めているのだから問題はない。早く伝えたまえ」

 あたしは諦めて受話器を取った。ユダになった気分だった。今でも報酬の相場は銀貨30枚なんだろうか。

(続く)

 この物語はフィクションです。実在する団体名、個人とは一切関係ありません。また、特定の技術・製品の優位性などを主張するものではありません。

Comment(20)

コメント

名前

ホライゾンさん逃げてー!

abc

渕上マネージャもいわゆる無能ではないはず。少なくとも現在の地位にいるわけだし。
…ということは、彼の傍らには常に先方との緩衝材がいて、彼の預かり知らぬ間にうまいことやっていたことになる。こちらが融通を効かせなければ、相手だってそれ相応の対応になる。

今回はその役を主人公がやらなきゃならない、と。

BEL

前半のミーティングでのやり取りはむしろ笑った。
渕上さんはオーベルシュタインか何かか。

窓口は1つの方がいい。

私自身、詳細設計書を書かないで開発する環境になって何年か経つ。最初は
これで大丈夫かいなと思っていたが、実際それが原因でトラブルになったことはないし、
書いたところでトラブルは起きるし解決にかかる苦労もさしてかわらない。
ましてや実装後に、ソースを読んだ方が速いような詳細設計書を書いても意味がない。
まあ開発自体は社内で完結するものだからってのもありますが、
外注やってた時期も、要件定義書とソースコードの間に何種類もの設計書が
あったり、ろくに読みもしないUMLを書いても意味ないなとは思っていた。

もう発注が決まっているのに優位的地位を利用して取り消しをちらつかせて
受注内容を増やしたりするのは問題があるが「あっちの問題」って考え方は
基本的に正しいと思いますね。ただ「あっちの問題」で破たんしたときも
自分たちも被害を被ることは認識してないといけません。
つまり「あっちの問題だけど最終的には大丈夫なはずだ」ならいいんですが
「破たんするかもしれないけどあっちの問題だからどうでもいい」はダメということ。

fgnplo

ホライゾン
これでは仕事を
もらい損


字余り。

IT奴隷

仕事は選びたいものですね

elseorand

「局所最適化に拘泥して全体を壊した渕上マネージャー」
というストーリーで責任逃れできないように、
エビデンスを集め始めた方が良い段階ですね。

ほったて

無償 DB を使いたいなら Oracle XE でよかったんじゃねって思ったのは秘密。

moto

前回まではわざわざ資料読み込んで、メンバーへ変更理由を一応聞く位は論理的だったのに、渕上マネージャーのキャラがいきなり変わって大爆笑しました。
前回までのキャラなら発注取り消しで向こうからの請求が来た場合と、次を探すコストくらい考えるだろうと・・・

結局今回の話がしっくりこない理由って話の中心である「予算」について現状が具体的に見えないからと思います。
個人的には、わざわざコストカッター派遣されて来るってことはすでにカツカツだったと想定してるんですが。

通りすがり

ムツミさんはデスマ確定か。かわいそうに。
しかし発注する方も大変だ。
読んでるだけで胃が痛くなりそう。

akio

胃がキリキリしてきた・・・

ATM

これ、ホライゾンから「それじゃ無理なんで止めます」とか言われたらどうすんだろ。
実際に、相手に後から要求をドンドン入れていって、最終的に「ちょっと無理そうなんで、契約破棄で」っていうプロジェクトがあって、案の定ぐだぐだになって死んだって話があるんだが。

ハムレット


>「ただし、1本につき1人日だ」

>「再見積もりを行わずに、一方的に単価を決めれば抵触する」渕上マネージャは、あたしの浅はかな理論武装をあっさりはねのけた。

何か、下請法の買い叩きの要旨をみる限り、見積額に不当な上限を設けてそれを強要しようとしている段階で、本来は駄目なような気がするんだけどね。・・・

まあ、ホライゾンさんがどう出るかですか。乗りかかった船で、人も集めているから簡単に引けないのだろうけど。

BEL

最初は亀井くんを教育することがメインのお話かと思ったらそうじゃないのね。

もしや円滑に進めるために(&いいとこ見せるため)亀井くんが詳細設計書を書いちゃったりするかな。

渕上さんのやり方がまったくダメだということには変わらないが
ホライゾンに直接言ってくれる点だけはいいかな。
むちゃくちゃ言うくせに「と、外注に言っとけ」っていう人もいるだろうし。

>乗りかかった船で、人も集めているから簡単に引けないのだろうけど。
この、優位的な立場を利用して半強制的に受注内容を決めている点は法的にもNGな感じもしますね。

wm

>その質問を予測していたらしく、1枚のプリントアウトをあたしに渡した。それを見たあたしは、軽いめまいに見舞われた。
オレだったら、無意識のうちに破り捨てているレベル

真面目に言って、この人の下で成功したプロジェクトが想像出来ないんだが・・・

くくな

>法的にもNG
でも、実際に訴えまで行くケースは、ほとんどないでしょうね。
会社が潰れるかどうかぐらいにならんと。
大抵は、貸しにしといて、次の案件で色つけてもらうとか、
二次開発で利益出すとか、大人の対応で落ち着いてしまうでしょう。

それを見越して無茶言ってるなら、コストカッターさんもなかなか
したたかというか。

へろへろ

>大抵は、貸しにしといて、次の案件で色つけてもらうとか、
>二次開発で利益出すとか、大人の対応で落ち着いてしまうでしょう。

でも、発注側の社内稟議で前回実績値ベースの審査をされると、次の仕事も
削られてしまうという罠がありそうですね。
引くべきではないところで踏ん張るのも大人の仕事ですね。

としろう

>大抵は、貸しにしといて、次の案件で色つけてもらうとか、

でもそれって1円受注とかの問題も有って、基本駄目のはずなんでしょ。
グローバル化の上でもコンプライアンス問題でもね

貸しも担当者変えて上記建前持ち出して無かった事にしてくる事は予想できる。
そういう都合良く態度を変えるのもあるし
駄目なものは駄目として断る事や泣き寝入りはしない事が
結果的に業界の改善に繋がるのではないか。

まあ、話の都合上、予定通り炎上コースになるのですね。

アラファイブ

冷たい方程式という事は、(空気の様な)限りある資源
の話ですよね。

今後、これが「温めの」になるのか、本当に生き死にの
話になるのか、楽しみです。
(この国のリアルさを表現しようとすると、前者になって
しまうのでしょうけど、せっかくなので後者も見てみたい。)

BEL

日比野のセリフはPostgreSQLなのに八木社長はポスグレなのも何かの暗示か。

作者は最初に全部書いてるのか、少しずつ書いて言ってるのか。

>でも、実際に訴えまで行くケースは、ほとんどないでしょうね。
>会社が潰れるかどうかぐらいにならんと。
確かに、関係があるうちは訴訟にはしないでしょうし、こういうのは
小さい会社が関わるケースだから、訴訟起こす余裕もないでしょうしね。

「一方的に単価を決めれば抵触する」と一応自分の中での理論はあるので
したたかではりますね。

ac

こういう無理を通す人というのは外渉時には、理屈もへったくれもなく通すときは通すときのやり方で話をすすめる。
それについて、一貫性がないなんていう評価は論外だと思うが。

結局こういうタイプは自分さえ良ければいいんだから。
そういう人の価値観は、理屈が通っている必要はない。ただ、説得するために理屈が必要なら整然とした理論を用意するし、理屈が通っている必要のない相手には圧力で接する。

その辺りがわかってるといえばわかってる奴なんだよ。

んで、こういう奴をのさばらせる下請けが一番ダメといえばダメなんだが、状況によってはそれでも何とかするしか無い時がある。
今後の足がかりという意味があるし、たしかにこんなのに振り回されるんなら得意先にしないほうがいいという話もあろうが、所詮は一担当でしかないから担当が変われば状況が変わる場合もあるからねぇ。
それに、そんなのやってられるか!
と、断るにしてもこれまでの損失も念頭に入れなければならない。それを損害賠償請求までもっていける企業なんてないだろう。

そこまでわかった上で、圧力をかけるのがそういうポジションのキチガイ。

ま、ほんとにカツカツのところが倒産するタイミングででも放り投げて、外注先変更でコストアップな上に納期遅れとなったら、こんなやつは一気に落ちぶれるので、それはそれで博打打ちみたいな人生なんだから、そのうち裏目が出る時が来る。

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