テストエンジニア時代の悲喜こもごもが今のわたしを作った

新潟でソフトウェアテストの勉強会はじめました

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 こんにちは、第3バイオリンです。

 前回のコラムにも書きましたが、「JaSST'11 Niigata」のクロージングセッションのご挨拶のとき、「ソフトウェアテストを勉強するコミュニティを作りたい」と話しました。

 そのとき何人か興味を持ってくださった方がいましたので、本当に勉強会を立ち上げることにしました。

 実はわたしは1年ほど前、コラムに「新潟で勉強会かコミュニティを立ち上げたい」と書きました。そのときは、「今はまだその時期ではないのかも」と書きましたが、時期がやってきたようです。またひとつ、コラムに書いたことが実現しました。本当に「エンジニアライフ、恐るべし」です。

■勉強会をはじめる、その前に

 当初、わたしは秋山 浩一さんの「ソフトウェアテスト技法ドリル」という本を使った勉強会をしたいと考えていました。この本はいろいろなテスト技法についての説明だけでなく、例題が付いていて実際にテスト技法を使ってみることができる、という特徴を持っています。東京でも、この本を使った勉強会が開催されており、参加者のTwitterの発言を見るととても興味深い内容であることがうかがえました。

 わたしは、それを同じことを新潟でもできれば、と考えたのです。

 しかし、「勉強会に参加したい」とおっしゃってくださった方が普段の業務でどのくらいテストに携わっているのか、今のテストの知識やスキルがどのくらいで、勉強会に参加することで何を知りたいのか、何ができるようになりたいのかがわからない状態でした。

 それに、勉強会の開催頻度や曜日、場所によっては、参加したくても都合がつかない人もいるかもしれません。

 その状態でいきなり内容まで決めて始めるのはちょっとリスクがある、という助言を受け、まずはキックオフミーティングを開催することにしました。

■キックオフミーティング前の期待と不安

 さっそく、「JaSST'11 Niigata」参加者の皆さんにキックオフミーティング開催の旨を告知しました。また、Twitterでも同じ告知を行いました。すると参加希望のメールがぞくぞくと寄せられてきました。中には、同じ職場の人も連れて行きたい、という方もいました。

 参加者が集まるのを見て、わたしは嬉しいと思う反面、不安も少しだけありました。大勢の方が興味を持ってくださるのはもちろんありがたい話です。しかし、勉強会に参加する方の期待に応えられるだけのものを提供できるのかどうか、始めたのはいいけれど3回くらいで誰も来なくなったらどうしようか……考えれば考えるほど、心配になってきました。

 実は「JaSST'11 Niigata」開催の前に、基調講演をされた西さんに「『JaSST'11 Niigata』がきっかけになって、新潟にテストのコミュニティが根付くといいね、頑張ってね」と声をかけられていました。

 そのことも思い出し、せっかくわたしに任せてくださったのに、失敗したらどうなってしまうのかと思うと気が重くなりました。

 そんな悩みを、ある方に何の気なしに漏らしたところ「任せてくれたからやる、じゃなくて、『新潟にコミュニティを作る』というビジョンを共有すると考えたらいいのではないか。勉強会を開催するのは、そのビジョンを持つ仲間を増やしていくことだと考えたらいいのではないか」という助言が返ってきました。その言葉を聞いて、ちょっと気負いすぎていた自分に気がつきました。

 それからしばらく後、わたしと同じ会社に参加を希望された方がいて、事前にキックオフミーティングで何を決めるか、どういう話をするかを少し話し合う機会がありました。その話し合いを通して「勉強会を継続させたい気持ち」は皆同じだとわかって、気持ちが楽になりました。

 何より、会場の場所取りや参加者名簿の作成などをお手伝いしてくださるメンバーがいたことが大きな助けになりました。この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。

■いざ、キックオフミーティング

 キックオフミーティングには、わたし自身も含めて14名の参加となりました。新潟市内だけではなく、中越や上越から車で駆けつけた方もいました。

 まずは自己紹介から始めました。普段テストを専門にしている方もいれば、開発やマネジメントが中心という方もいました。メンバー全員の自己紹介が終わったところで、勉強会の進め方や取り上げたいテーマなどについて、参加者の皆さんから意見を伺いました。

 わたしがテキストとして使いたいと思っていた「ソフトウェアテスト技法ドリル」も、実際に参加者の皆さんに見てもらったのですが、「最初にやるにはハードルが高すぎる」という意見が多く挙がりました。普段の業務でテストを中心にやっている人ばかりではないので当然のことですが、これはキックオフミーティングをしなければ気がつかないことでした。

 そこで、まずは「ソフトウェアテスト入門」という本を読みながら、「テスト入門講座」から始めることに決めました。これは、各自のテストについての意識や知識のレベルを合わせるという目的もあります。

 話し合ったことの中には、その場では決まらずに「勉強会を進めながら決めていく」となったこともありましたが、このキックオフミーティングでわたしはようやく勉強会の開催に自信を持てるようになりました。

 ただ、もう少し全員から意見を引き出せたらもっと良かったのにな、と反省するところもありました。ファシリテーションって難しいですね。

■気になる第1回目の勉強会の内容は?

 そして勉強会当日。わたし自身も含めて24名の参加となりました。

 「ソフトウェアテスト入門」の第1章をもとに、「そもそも、なぜテストをするのか、品質とは何か」をみんなで話し合いました。

 話を進めていくと、参加者からもいろいろなテストの話が飛び出してきました。各自が扱うテスト対象や、顧客によってテストの方法や、品質に対する考え方もさまざまでした。

 わたし自身にとっても、自分が扱っているテスト対象とは違うテスト技法や、品質に対する考え方の違いなど、とても興味深いものでした。

 そういうわけで第1回の勉強会は、みっちり勉強というよりは、テキストの内容をきっかけにして、参加者みんなでワイワイと話し合う場になりました。しばらくは、こういうスタイルで進めていくのもいいかなと思っています。

 この勉強会は、これから月に一度くらいの頻度で開催していきます。興味がある方は、わたしのTwitterアカウント(@3rd_Violin)宛てにリプライをください。

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