@IT自分戦略研究所 編集部が独断と愛によって選んだ「テーマ別コラム」をピックアップして紹介します。

「文章力」は筋肉に似ている。使わなければ衰える

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 本音が語れるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。

 ここでは、編集部の独断と偏愛によって選んだコラムをテーマ別に紹介していく。今回のテーマは「文章力」

 ITエンジニアに求められるスキルとして必ず上がってくる「文章を書くスキル」。エンジニアになぜ文章力が求められるのか、どう文章力を磨けばいいか、どんな場面で生かせるかを紹介しよう。

「何をいいたいの、この人は……」と思われないエンジニアになる

 まずは、文章を書くスキルが必要な理由から。『ワーク×ライフ・エンジニアリング』の逆転仕事術氏は、「プラスアルファで獲得したい16のスキル」の1つとして、「文章力」を挙げている。

 なぜ、エンジニアに文章力が必要なのか。その理由はシンプルだ。「エンジニアは、文章を書くことが多い仕事だから」。見積もり依頼や作業依頼のメールはもちろんのこと、議事録、報告書、提案書に納品書など、エンジニアが文章化しなければならないものは多い。

 ほかの人が書いた文章を読むときは「この人は何をいいたいのか……」と戸惑うか、「この人の文章はなんて分かりやすいんだ!」と感動するかのどちらかであることが多い。どうせなら「分かりやすい文章を書く人」と思われたいところだ。

 ちなみに、逆転仕事術氏が紹介している「プラスアルファで獲得したい16のスキル」は、下記のとおり。

「インプット→吸収→アウトプット」のサイクルを回す

 では、具体的にどうやって文章力を身に付ければいいのだろうか。文章力を身に付けるには、「書き続ける」ことが必要だ。テイクウェーブの竹内義晴氏は、「勉強して情報をインプットした分、文章でアウトプットする」勉強法を推奨している。

 勉強には、以下の3つのプロセスがある。

  • 情報を集める「インプット」
  • 文章を起こす上での言語化や思考の整理「吸収」
  • ブログやメルマガなどに書く「アウトプット」

 勉強というと、ついインプットが多くなりがちだ。しかし、竹内氏によれば、勉強したものをきちんと文章化してアウトプットすることが新しいインプットにつながるのだという。「インプット→吸収→アウトプット」というサイクルを回すことによって、効率的な勉強ができる、と竹内氏は主張する。

 「勉強になるアウトプット方法」として、竹内氏は以下のポイントを紹介している。

  1. 誰かに役立つ文章であること
  2. 文句や不満・批判ではないこと
  3. 格好つけないこと
  4. コピペしないこと

何を書けばいいか分からないなら、まずはとりあえず書く、書く、書く

 次は、一風変わった文章力アップ方法を紹介しよう。『フリーなスキル』のはがねのつるぎ氏が紹介するのは「自動筆記」と「文章模写」という方法だ。

 「文章を書く力は筋肉に似ている」と、はがね氏は主張する。ある程度まで鍛錬したとしても、使っていないとすぐに力が落ちる。力を維持するためには、ある程度のメンテナンスが必要だ。

 そこで、はがね氏は「自動筆記」を試した。きちんとした文章を書こうと考えず、とにかく文章を書くのである。

 つれづれなるまま。気の向くまま。おもむくまま。文章を書いている。書けない。文章を書けないというテーマで文章を書いている。なんという矛盾。書いて いるじゃないか。そういえば、自動書記をやるのもひさしぶりだ。ながらくやっていない。こうゆう基本をおろそかに、しているから、文章が書けないなんて事 態が発生するのだ。まったく、ふだんからちゃんとやっておかないといけないね。まだまだレベル低いのに、文豪気取りで気分の乗っているときにしか書かない なんて100年はやいわ。

 もう1つ、はがね氏が挑戦したのが「文章模写」。プロが書いた文章を書き出すことによって、文章の「流れ」を体得できるという。

 竹内氏とはがね氏が紹介しているのはどちらも「文章を書く」方法だが、その目的は異なっている。「インプットしたものをアウトプット」することは「頭を使う」。一方、「自動筆記」は頭を使うことではなく「書く行為そのもの」に注目している。どちらも、文章力を上げるためには有効な手法だ。自分に合った方法を試してみるとよいだろう。

文章力を上げる4つのノウハウ

 文章を書き続けることが文章力アップの基本だが、やはりプロの「ノウハウ」は知っておきたい。研修講師を勤めるひろぶみ氏は、文章力を上げるためのポイントを4つ紹介している。

  • ペルソナ法:読み手(ペルソナ)の人柄や要求を具体的に想像したうえで、ペルソナを説得できるような文章を書く方法
  • パラグラフ法:文章を段落(パラグラフ)に分け、文章全体の論理を構築する方法
  • スペクトル法:未知のものから来る情報(スペクトル)を、自分の経験や仮説と照らし合わせて検証し、文章に落とし込む方法
  • レビュー法:自分が書いた文章を、第三者になったつもりでレビューする方法

 文章術の教科書として、ひろぶみ氏は木下是雄氏の『理科系の作文技術』を紹介している。こちらも併せて参照してほしい。

情報処理技術者試験にも、文章力は必要!

 最後に、文章力の活用方法を紹介しよう。『システムオーディタ川辺の資格取得とキャリアアップ』のシステムオーディタ川辺氏は、資格試験のときに文章力が役立つと語る。

 例えば、情報処理技術者試験。論文試験に合格するためには、必要な知識を記憶することと同時に「効率よく書く」ことが必要だ。

 川辺氏は、「合計2900字を2時間(7200秒)で記述する。よって、7200秒÷2900字=2.5秒/1字で記述することが必要」など、論文の必勝方法を紹介している。日々文章を書くことに慣れていれば、論文試験はずっと合格しやすくなるかもしれない。

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