対外向けサービスとバックオフィスの両方をエンジニア視点で綴ります

第03話 ヘルプデスクとエンジニアの関係

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 お客様との窓口にあたるヘルプデスクと、技術を担当するエンジニア。一見まったく別の業務を行い、接点が少ないように見える場合もあるかと思いますが、実際はかなり濃密な連携が必要な部署です。

 直接お客様とやり取りをし、要望やクレーム、製品のサポートなどを行うヘルプデスクと、それを下から支える技術系エンジニアの関係が良好であるかどうかで、円滑なサポートをお客様に提供できるかどうかが決まるともいえます。

 仲が良い現場、仲が悪い現場、両方を見た経験から、今回はこのあたりについて考えてみます。

■それぞれの主な業務って?

 今さら説明するほどではないと思いますが、まずはそれぞれの業務内容を挙げてみます。

 ヘルプデスクやサポート窓口は、営業部と同じようにお客様の窓口となり、お客様と直接やり取りを行う部署です。IT企業でなくてもどのような企業であってもお客様からの声を直接受け取る部署ということになります。

 ヘルプデスクでは主に下記のような業務が考えられます。

  • お客様への製品サポート
  • クレームの受け付け
  • 要望の受け付け
  • 他お客様から入る問い合わせ全般の対応

 技術では新しいサービスや製品の開発を行い、既存のサービス・製品の保守を行います。またサーバーやネットワークの運用も含まれます。そして、今回のキモ、ヘルプデスクに入ってきたお客様の依頼を調査・検証するという業務も含まれます。

 技術系の部署では主に下記のような業務が考えられます。

  • 新製品・サービスの開発
  • 既存の製品・サービスの保守、運用
  • ヘルプデスク経由で入るお客様のトラブルの調査・問題の解決

 こう見てもお互いに連携しながら業務を遂行しなければならないと分かります。やり方がうまくなければ、問題が起きる危険を秘めていることは明らかです。

■仲が悪くなる原因って?

 それぞれの部署がそれぞれの業務だけをこなしている場合、それほど問題にはならないかもしれません。しかし、実際はお客様からの調査依頼や製品・サービスについての検証を行うため、お互いに連携することが必要です。

 ここで重要なことは、「お互いの部署がお互いの業務をきちんと把握しているかどうか」です。技術部署がヘルプデスクの業務を知らないということは、ヘルプデスクからの依頼の内容について技術部署では重要性が認識できていない可能性があります。

 それは、ヘルプデスクのやきもきとした感情へ変わっていきます。お客様からせっつかれて言い訳するのも限界に近くなっても、技術部署がその重要性を認識してくれないのですから、当然です。お客様と直接やり取りをする部署では、これは非常につらいことです。

 逆にヘルプデスクが技術部署の業務を知らないということは、エンジニアにとって非常に業務をやりづらくする場合があります。

 エンジニアが行う業務である開発や運用保守、サーバ障害といった対応を途中で中断することになるので、エンジニアからしてみると当然「ちょっと待ってて」といったことになります。

 しかし、お客様を前にしたヘルプデスクからの依頼の催促が続くと、エンジニアの中でこれまたやきもきした感情に変わっていきます。

 そういったことが続くとヘルプデスクとエンジニア間でだんだんと溝が生まれる要因となり得ます。つまりお互いの業務におけるプライオリティのつけ方に差がありすぎた場合で、改善するための適切な話し合いが行われないと不仲となる原因になるわけです。

■仲が悪いとどんなデメリットが考えられる?

 まず、お客様に影響が出る可能性があります。エンジニアがプライオリティを高くしてくれない限り後回しになってしまうため当然です。

 これが一番のデメリットであると考えます。既存ユーザーを大切にしない、サポートが後回しになる、といったレッテルを張られてしまうと挽回することは思いのほか大変です。

 きちんと工数管理を行っていれば、新サービス・製品の開発が大幅に遅れるといったことはあまりないかもしれませんが、たびたび作業の手が止められてしまうことはエンジニアにとって大きなストレスになりかねません。これもデメリットでしょう。

 なにより、ギスギスした空気の中で仕事なんかしたくありませんし、そういった感情を持つこともうれしくはありませんね。

■すでに仲が悪くなっちゃった場合はどうしよう?

 いったん仲が悪くなってしまうと、修復することは想像以上に難しい場合が多いです。一度固定された印象を覆すことは、感情の面から見ても高いハードルです。

 解決への道のりは、まずよく話し合うこと。これが重要ですが、それだけではダメです。特に重要なことはお互いの業務内容をお互いによく把握することです。必要であればヘルプデスクからの依頼と対応する技術部署を連携させるような専用ツールを用意することも有効です。

 新しく開発する必要はなく、記録として残せればなんでもいいのです。対応依頼の数が多くなってくれば、新規開発することも視野に入れればよいのです。

 お互いにどのような仕事をしているか、これを意識することが大切です。

 お客様からの依頼は当然プライオリティをつけるものであると思いますが、開発を行うよりも優先すべきと考えます。既存ユーザーのサポートがきちんとできているかいないか、これは非常に重要なことです。

 多くの企業では今回書かせていただいたようなことが起こらないように、上述のとおり専用のツールを用意したり定期的にミーティング開いたりして回避するようにしています。しかし、実際にこういったことが起こってしまっている企業があることも事実です。

 また、ヘルプデスクと技術部署に限らず、他の部署でも十分起こり得る可能性があります。もし心当たりがある場合は、早めに何か対策を打てるように行動しましょう。

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