SaaSベンチャーへ転職したエンジニアの日々思うことを綴ります

人生に影響を与えた本~本は心を豊かに~

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 わたしは社会人になるまで本を読む習慣がありませんでした。技術力はもちろん、社会人としての教養がないことに気が付き、焦りから勉強も兼ねて本を読むようになりました。

 初めは苦痛? でしたが、だんだんと肩肘を張らずに読めるようになりました。仕事にかかわる技術系の本から自己啓発やビジネス系へ手を伸ばし、いまでは古典や小説にまで手を伸ばせるようになりました。

 いままで読んだ本は、何かしらの影響をわたしに与えているのですが、その中でいくつか紹介していきたいと思います。

【達人プログラマー】

 技術系の本で影響を受けた本はたくさんあるのですが、その中でもわたしのエンジニアとしてのキャリアの積み方にまで影響を与えた本です。

 エンジニアであれば、技術の進歩の早さや多様さに圧倒され、何をどう勉強すればいいのかという焦燥感に駆られることと思いますが、この本には学習方法に関して1つの指針が書かれています。筆者は、以下のようなポートフォリオを考えるべきであると言っています。

  1. 定期的に投資を行う。継続することにより少しずつ知識を増やす
  2. 多角化。変化へ対応するためには幅広い技術の知識を増やす
  3. リスク管理。新しい技術(ハイリスク・ハイリターン)、枯れた技術(ローリスク・ローリターン)の配分を考える
  4. 安く買い、高く売る。伸びそうな技術に目をつけ、投資する
  5. 見直しと再配分。定期的に見直しをし、業界の動向を踏まえてポートフォリオを変えていく

 やや古い書籍ではありますが、技術的(思想的)にもDRY原則(Don't Repeat Yourselfの略で「繰り返しを避ける」というソフトウェア設計上の原則)やメタプログラミングなど、非常に興味深いセンテンスが多く、自分自身のソフトウェアを設計する思想に大変影響を与えています。

【人を動かす】

 ご存じの方も多いと思いますが、この本は「自己啓発の元祖」と呼ばれています。出版されてから約70年経ったいまも読まれいているのは、人間の本質をついているからだと思います。簡単に紹介すると、以下のような構成になっています。

  • 人を動かす3原則
  • 人に好かれる6原則
  • 人を説得する12原則
  • 人を変える9原則

 初めて手にしたのは、チームのリーダーを任されてチームメンバーや後輩にどうやって接していけばいいかを模索していたときでした。一番、わたしに影響を与えたのは、以下の「人を動かす3原則」でした。

  • 批判も非難もしない。苦情もいわない
  • 卒直で、誠実な評価を与える
  • 強い欲求を起こさせる

 現在も十分にできているか? というと疑問ですが、当時一通りの仕事を覚え、人の面倒を見るという新しい役割を与えられ、なかなか自分の思うように仕事を振ることができず、「自分でやった方が早い」「人には任せられない」と考えて勝手に忙しくなっていたころに読み、目から鱗が落ちる思いでした。姉妹本の「道は開ける」もお勧めです。

【ビジョナリーカンパニー1&2】

 こちらも大変有名な本です。時代を超えて生存する企業とそうではない企業との違いを指摘し、「ビジョナリーカンパニーとは、基本理念を持って成長する企業である」と書いています。

 ベンチャー企業に勤めているわたしにとっては勇気の出る本です。目先の売り上げに振り回されたり、自分の仕事が何の役に立つのか分からないときなどに理念を持って動くことの正しさを思い出すために、いまでも頻繁に読み返します。


【中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚】

 中国の古典の1つで、400年ほど前に書かれた処世訓です。

 「菜根譚」とは、

 「人よく菜根を咬みえば、すなわち百事なすべし」(堅い菜根を噛みしめるように、苦しい境遇に耐えることができれば、人は多くのことを成し遂げることができる)

という言葉に由来します。

 エンジニアはついつい仕事に追われがちなことが多いですが、バランスをもって生きていく大切さが分かる本であり、プライベートでも仕事でも自分の判断基準となってくれる本の1つです。

 本書には原著から220項目が選び出されていますが、その中から1つだけ紹介します。

「苦労もし、ゆとりも持つ」

あまりに暇すぎると、どうでもいい雑念が頭をよぎるものだ。逆に、あまりに忙しすぎると、今度は自分の本心を見つめる余裕がなくなり、自分を見失ってしまう。心身の苦労はあったほうがいいのである。しかし、一方で、風流を楽しむ心のゆとりも持ち合わせていなければならない。

 本書自体は優しく訳されていますので、興味のあるかたは原著もお勧めします。

【ワンピース】

 週刊少年ジャンプで連載中の、大人気漫画です。ジャンプの3大キーワードである「友情・努力・勝利」の全てが詰まった漫画で、もちろんストーリー自体や複雑に張られた伏線はもちろん、各キャラクターに与えられた役割、各キャラクター自身がお互いを尊重して自分の役割をまっとうする姿が魅力的です。

 ベンチャーにいるわたしにとって、とても参考になる組織(海賊団ですが……)なのです。会社を大きくしていくうえで、こうでありたいと思う組織の1つです。

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