海外IT企業で働いていた純日本人エンジニアがいろいろと考えてみる。

海外IT企業で働くのに必要なものって何?(2)

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■結局、何が必要なの?

 どうも、鹿島和郎(かしまかずお)です。いままで数カ月コラムを書いてきましたが、

 「結局、『海外で通用するエンジニアになる』ために必要なことって何なの?」

という声が聞こえてきそうです。何回か前には「海外で働くにはビザが必要で、そのために情報収集しましょうね」という当り前のことや、海外で働くために必要な英語力について書きましたが、今回はもう少し違うことを書きたいと思います。

 極論すると、外国人エンジニアも日本人エンジニアも同じ人間です。仕事の内容も(かなり)大ざっぱに言えばそれほど違わないと思います。日本で通用するために必要な能力の大半は、海外で通用するエンジニアになるためにも必要ではないかと思ってます。

 以下、日本のITエンジニアの各スキルが、海外ではどのように生かせるかについて、書いていきます。

■スキルごとの日本と海外の比較

○技術力

 これはどこに行っても通用するはずです。

 ちゃんとした設計ができて分かりやすい設計書を書ける人、バグの少ないきれいなプログラムを書ける人、サーバの設定に詳しい人、トラブルが起きたときにすぐに原因を突き止められる人などなど、そうした高い技術を持っている人は、どこに行っても重宝されると思います。

 プログラミング言語、サーバ製品、設計手法、そういったものの大半は世界共通ですので、日本で学んだ技術は基本的にはどこでも役に立つと思います。例外としてあるのは、「日本では売れているけど世界ではあまり売れていない製品固有の知識」くらいでしょうか。

○コミュニケーション能力

 これにはもちろん言語能力も含まれるのですが、それだけではありません。

 「海外でも通用するエンジニア」になるためには、日本人以外のエンジニアともうまくやっていかなければいけませんので、柔軟性、違った意見や価値観を尊重する姿勢などが必要ではないかと思います(このあたりの話は、別の機会にまた書きたいと思います)。また、国によって習慣が違うので、その辺はあらかじめ知っておくのとそうでないのとでは、かなり違うと思います。

 あと、大きな違いとしては、「会議や議論の進め方」が挙げられれます。これに関してはいろいろな本などが出ていますので深入りはしませんが、日本で見るような「事前に結論が大体決まっているような会議」は少ないですし、議論を避けるようなこともしません。

 でも、そうした違いさえ押さえておけば、基本的には日本でコミュニケーション能力が高い人は、海外の人相手でもうまくコミュニケーションが取れると思います。

 日本的コミュニケーションの代名詞とも言える「飲みニケーション」ですら、まったく無駄ではないと思います。自分もよく上司と飲みに行ってました(そして飲み過ぎていました)。

○論理的思考能力

 よく「日本人は論理的に考える力が弱い」と言う人がいますが、わたしはあまり賛成できません。ITエンジニアは、そもそも論理的に考えられないと務まらない仕事だと思っていますので。

 多分、論理的に思考した内容を表現する方法がまずいのではないでしょうか。ここは、自分自身も弱い部分だと感じています。ただ、訓練すれば伸びるはずですし、逆に言うと、こういう足りない部分を補っていけば、「海外でも通用するエンジニア」に1歩ずつ近づいていけるのではないでしょうか。

○業務知識

 ITエンジニア(特に業務系のSE)は対象分野・業界に関する知識を持つことが望ましいとされています。例えば、金融系のシステムに携わるのであれば、金融業界についてよく知っていたほうがいいと思います。

 海外で仕事をする場合でも、業務知識を持っていると、当然プラスにはなるとは思います。ただ、日本で身に付けた業務知識が海外で生かせるかどうかというと、業界によるのではないでしょうか。

 グローバル化が進行して、海外の仕組みや法律、規則などを取り入れている(もしくは取り入れざるを得ない)業界の場合は、比較的日本での知識を生かしやすいと思いますが、日本と海外で商習慣がまったく異なる業界の場合は難しいかもしれません。

 わたし自身の話をしますと、海外にいたときには電力業界に関するシステムを担当していました。アメリカでは電力自由化が進んでいるのに対し、日本では状況がかなり異なるので、もし日本で電力業界のシステムに携わることになれば、日本固有の事情や業務に関していろいろ覚えていく必要があると思います(当面、電力業界に関わる予定はありませんが)。

■そんなに大きく違うわけではない

 今回言いたかったのは、日本も外国でもITエンジニアがやる仕事は基本的にはそれほど違わない、ということです。なので、日本人ITエンジニアで海外での仕事に興味のある方は、積極的に海外に出て行って、日本で培ったスキルを生かしつつ活躍して欲しいです。

 もちろん、日本と海外で違う部分もたくさんありますので、それについては別の機会に書こうと思います。

 それではまた。

Comment(4)

コメント

naomsa

たびたび、すいません。
naomsa です。

人間関係ってあまり難しく考えないで、「みんな、同じ人間である」をベースに
して考えると楽になるのかなと。。自分はいつもそうして考えるようにしてます。
文化・宗教など色々ありますが、ベースがあれば、誰とでも仕事上では、コミニュケーションが取れるものと思っています。

プライベートはまぁ、合う/合わないがありますので、ここで触れないことにします。

鹿島

naomsaさん、こんにちは。

コメントありがとうございます。

仰るとおり、基本的にはみんな同じ人間ですし、それほど難しく考える必要も無い、と思います。本文もそのような主旨で書きました。

ちなみに、昨今の何でもかんでもコミュニケーションを叫ぶというか、コミュニケーション原理主義とでもいうような流れは、個人的には違和感があります。

それではまた。

yamamoto

必要なものは、一にビザ、二にビザ、3,4が無くて、5にビザ。つまり、ちゃんとしたビザさえあれば、なんとでもなると思いますが?ビザを取得するため、従事する職業にぴったりあった、大学を出ていないといけないとか、ビザサポートしてくれる、会社を、『こね』で見つけるとか。語学力、技術もひつようですが、それがいくら高いものをもっていても、ビザを取得するのは、むずかしい。、

yamamotoさん、こんばんは。

コメントありがとうございます。仰る通りビザが一番大切で、それに関しては本文冒頭でも触れましたが、以前のコラムでもその重要性について少し書いています。時間があればもう少し詳しく書こうとは思っていますが。

それではまた。

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