キャリア20年超。ずっとプログラマで生き延びている女のコラム。

勉強会という名の探検

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 先月、福島県郡山市で開催された勉強会に参加してきました。

 それはわたしにとって人生2回目の外の勉強会参加でした(「外の」というのは、うちの会社ではだいたい週1ペースで社内勉強会を行っているので、それを除けば、という意味です)。

 実はつい最近まで、勉強会というものにあまり興味を持っていなかったんですが、エンジニアライフ2周年パーティーなるもので、コラムニストさんたちとお話をする機会があって、その時に勉強会の話題が何回か出てきて、皆さんが楽しそうにお話しなさるので、ちょっと興味が湧いたんですね。

 しかし、わたし、出不精でおまけに人見知りです。「休みの日にわざわざ全然、知らない人ばっかりのところにでかける」というのがすでにハードル高すぎなわけです。

 で、せめて1人でいいから顔見知りがいてくだされば、ちょっとはハードルが低くなるんじゃないか、ということでお邪魔したのが、前述の2周年パーティーでお会いした、鹿島さん大久保さんがそれぞれに運営に加わっていらっしゃるScala勉強会 in 渋谷エフスタ!!勉強会です。Scalaの方が去年の11月くらいでエフスタが先月下旬……なぜ半年近く間があいたのかというと、単に寒いから外に出たくなかっただけです(←ダメ人間)。

 そんなわけで勉強会に参加してみたらですね、なんか「40代女性」という自分の属性がめちゃくちゃ気になったんですよ。

 自分の年齢をあまり気にしない性格だと、自分では思っているし、女性比率が低いことはもはや慣れっこなんですが、なぜか「なんか自分、めっちゃ浮いてない?」って気になる気になる。まあ、わたしが思うほどには、周囲は気にしてない可能性が大なんですけどね。

 先月の勉強会では、年齢をあまり気にされないようにするにはどうすればいいのか悩んだあげく、「アニメネタをとばすのはどうだろう」とか思いついて、「昨日、ワルプルギスの夜にリアルタイム参加したんで、今、眠いんですよ~」(←事実)とか自己紹介しようか、とも思ったわけですが、逆にドン引きされそうな気がしたので自粛しました(爆)。

 でもまあ、年齢とか性別とか関係なく、すでに回数を重ねてて、コミュニティの結束みたいなものができあがってる勉強会に、初めて飛び込んだ人がちょっとした疎外感をおぼえるのはしかたがないことだと思います。そこを問題にしてたら、ある程度、運営がきちんと固まっているしっかりした勉強会に参加できる機会を失っちゃいますからね。何回もやってる勉強会なのにみんなよそよそしいというのも、それはそれで問題があるんじゃないか、と疑いたくなりますし(苦笑)。

 わたしが参加させていただいた2つの勉強会は、参加なさっている皆さんが、新参者がいづらくならないように、気を配ってくださっていて、本当にありがたかったです。

 ところで、エフスタ勉強会の時は懇親会にも参加させていただいたんですが、その時、近くにいた人がなんとなく見覚えのある顔だなあ、と思ったら勉強会の中でライトニングトーク(以降、LTと記述)をなさっていた方でした。

 それで思ったんですけど、わたしの「40代女性」という属性を抜くとしても、IT業界の人らしい、ということぐらいしか分からない人に話しかけるのってそもそもハードルが高いですよね(←これは単純にわたしの人見知り度が激しいだけかもしれない)。でも、LTとかを観てて、「こういうことをやってる人なんだな」とか「こういう考えを持ってる人なんだな」というのが少しでもわかっていればだいぶハードルが下がるし、「さきほど、○○についてお話されてましたよね」と話すきっかけもつくりやすいんじゃないんでしょうか。

 なるほど、アニメネタとか姑息(?)なこと考えてないで、いっそのこと、最初っから思いっきり踏み込んでLTをやった方がよかったのかもね、とちょっと反省したりしました(←だけど、人前でしゃべるってかなりハードル高い)。

 結局のところ、そのコミュニティの中に自分の居場所をつくりたいのなら、自分の方から働きかけていくしかないんですよね。運営をなさってる方々がどれだけ心配りをしてくださっても、それはあくまでもきっかけづくりなんですから。

 企業主催のセミナーじゃないんですから、運営サイドにサービスを求めるのはNGで、自分でなんとかする、自分だけじゃなんとかならないようなら、自分の方から助力を求める、というのが当然なんだと思います。そのうえでさらに、「このコミュニティの一員になりたい」という気持ちを持ったのなら、ホストorホステスとして、他の参加者の皆さんに気持ちよく時間を過ごして欲しい、できるだけたくさん手土産を持って帰ってもらいたい、という意識を持って振る舞わなきゃいけないのかもなあ、とか思ったりしました。

 勉強会に何を求めているのかは、人それぞれでしょう。それは、「情報」かもしれませんし「人脈」かもしれません。わたしの目的は今のところ「探検」ですかね。この年になって、ようやく「外にはどんな世界があるのかなあ」と自分の方からのぞきにいく気になったんですよ(←いろいろと遅いから)。

 まあ、今はまだ「探検」というよりは「バードウォッチング」の方が近い感じで、ひそやか~に観察していたいというのが正直なところなんですけど(苦笑)。

 ただの言い訳ですけど、慣れるまでは自己紹介の場面以外ではしゃべることができなくてもいいんじゃないんですかね。黙っていても、その場にいるだけでいろいろな発見がありますから。

 そんなわけで、また気合いが出てきたら、どこぞにおじゃましたいと思っています。

 いや、「お気軽にどうぞ~」とよく案内のページには書いてあって、実際、運営なさっている方々はそういうお気持ちなんでしょうか、なんかどうしても知らない人たちの集まりに飛び込むのには、ちょっとした気合いがいるんですよ。基本、ひきこもりなもので(苦笑)。

 でもまあ、今は「探検」でも、回数を重ねていけば「日常」になるんでしょう、多分。

Comment(7)

コメント

Buzzsaw

私も先月、初めて勉強会に参加させていただきました。
トレンドに乗っかるのがイヤで、どちらかというと「アンチ勉強会」(?)だったんですけど、
それこそなんか「探検」したくて、「旅の恥はかき捨てじゃ!」の思いとアルコールの勢いで申し込みました。

内容的には「なるほど~」と思ったり「ちょっとグダグダね」と思ったりと
バラつきはあったものの、私は別に企業セミナーを求めているわけでもないし、
そもそも勉強会の開催という成果、および、そこから色々と想像・妄想される
「開催までのプロセス」を体感でき、良い意味でのショックを受けました。

まだ「勉強会を体験して何につなげたい?」という目標は見えないのですが、
あと数回は”探検”をやりたいと思っています。

第3バイオリン

ひでみさん

第3バイオリンです。

私も新潟で勉強会を立ち上げたばかりです。
だから、ひでみさんのコラムを読んで、
「参加者(特に初参加の人)がどういう思いで来るのか」ということを久々に考えてみました。

私自身が初めて勉強会に参加したときも同じようなことを考えていたはずなのに、いつの間にか慣れてきてそういう気持ちも忘れてしまっていたことに気がつきました。

>わたしが参加させていただいた2つの勉強会は、参加なさっている皆さんが、新参者がいづらくならないように、気を配ってくださっていて、本当にありがたかったです。

ここはハッとさせられました。
新潟の勉強会はまだ始まったばかりで、メンバーも最初から参加している人がほとんどですが、
回を重ねるごとに、古参のメンバーと新参のメンバーが出てきますよね。

そのときに、新参のメンバーが入りづらくなるといったことがないように、心配りをしたいです。

>LTとかを観てて、「こういうことをやってる人なんだな」とか「こういう考えを持ってる人なんだな」というのが少しでもわかっていればだいぶハードルが下がるし、「さきほど、○○についてお話されてましたよね」と話すきっかけもつくりやすいんじゃないんでしょうか。

そうです。勉強会やカンファレンスでLTをしたら懇親会でいろいろな人に話しかけられるのですよ(笑)。
コラムニストであれば「エンジニアライフでコラム書いてます!」と言ってしまえば、それだけで「いつも読んでいます」と、たくさん声がかかります(経験談)。

ひでみ

こんばんわです。ひでみです。


Buzzsawさん。

> そもそも勉強会の開催という成果、および、そこから色々と想像・妄想される
> 「開催までのプロセス」を体感でき、良い意味でのショックを受けました。

あっ、なんかわかります。
この勉強会を開くまでにどれだけのステップを踏んでるのかなあ、とかいろいろ想像しちゃいますよね。
そこに費やされている労力を考えるだけでも、尊敬のまなざしになってしまいます。

お互い、「探検」でステキなものが発見できるとよいですね。


第3バイオリンさん。

若い皆さんが勉強会とか開催していらっしゃるのに、年長組の私がぐだぐだですみません(汗)。
情けないことばっかり書いてますけど、なにかの参考にしていただけたのなら幸いです。

> そうです。勉強会やカンファレンスでLTをしたら懇親会でいろいろな人に話しかけられるのですよ(笑)。

やっぱりそうなんですか。
私、いまだにLT未経験なんですけど……悩む……。

ちょびちょび

大変ご無沙汰してます。ちょびちょびです。やっと冬眠が終わりました。誕生日が月曜日なら海の日生まれなもので、真夏日あたりが適温。寒い日が圧倒的に多いんです。で、寒さに弱い。なんていうのは言い訳ですが、もともと乏しかったやる気が最近更に低下しているような気が……。一昨年前までは地域のパソコンボランティアとか召集されれば顔を出していたのですが、Windows95の発売から随分時間が経って、ボランティアの需要はめっきり無くなりました。ヒマになった分、勉強でもすればいいのですが、ちょびちょびの生息する地域ではあまり勉強会というものが無い。とか思っていたのですが、義務教育中の子どもでもあるまいに、いい歳したおばさんがただ待ってちゃいけませんよね。反省。

ひでみ

こんばんわです。ひでみです。


ちょびちょびさん。ごぶさたでございます。

真夏日あたりが適温って……こんなところにお仲間が……(笑)。

> 義務教育中の子どもでもあるまいに、いい歳したおばさんがただ待ってちゃいけませんよね。

まったくもってその通りです(苦笑)。
もっとしっかりした大人になりたいです(←今さらすぎる)。

yomiko

現在求職中です
今まで必死にやってきたつもりでしたが、私のスキル(VB&COBOL)ではなかなか仕事にありつけないのが現状です。
IT業界は年齢制限もあり、未経験のやる気だけでは40オーバーの人間を履歴書で弾いていきます。
こうなると、時代の流れをもっと意識して勉強しておきべきだったと後悔しますがまさに先に立たず^^;
とか愚痴っぽいことを書いていますが、ひでみさんの今回のコラムに端々が面接だけでなく日々の生活にも共通してるなあと思いました。
自分の居場所を作りたければ自分で頑張るしかないです。
人生に遅いってことはないといいますが今は”それ微妙”と思ってます(汗)
私もしっかりした大人になりたいです(←もっと、いまさらすぎる)。

ひでみ

こんばんわです。ひでみです。


yomikoさん。

> 人生に遅いってことはないといいますが今は”それ微妙”と思ってます(汗)

わかります。私も40歳で転職活動をしてた時、そう感じていました。
「人生に遅いなんてことは絶対にない」と言いたいけれど、プログラマという職業においては、年齢を重ねるごとにハードルは確実にあがっていくので、それを超えるにはかなりなエネルギーが必要だと感じます。
私は今のところ「それでもプログラマを続けたい」という気持ちの方が勝っているので、さほどストレスを感じることもなくふんばっていられますけど、たまに、「この気持ちが折れたら、自分はどうやって生きていけばいいんだろう」とか考えてしまいます。
でもまあすぐに、「将来の不安なんかを気にして、今、やりたいことやらない方がストレスになりそうだし」とか考え直すんですけどね(←単純)。

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