SEからコーチング業界へ転職した筆者の体験を元に、コミュニケーションの楽しさをお伝えします。

人と話すのが苦手な自分でも、エンジニアをやれるか?

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 「就活生からの『ITエンジニアの仕事についての質問』」としてお題をいただきました。

 元SE、コミュニケーションを学んだ身としては、やはり

“人と話すのが苦手な自分でも、エンジニアをやれるか”

 このお題を取り上げたいと思います(^-^*

◆結論をいってしまえば……

 わたしは”やれる”と思います。

 それ以前に、「人と話すのが苦手」だからエンジニアという職業を選択する人も少なくないと感じています。おそらく、“1人もくもくと作業をする”。そんなイメージがあるのだとわたしは思います。

 わたし自身も、学生の頃はそう思っていました。

 人と話すことに苦手意識はありませんでしたが、初対面の方と話すときや、ずっと年上の先輩や上司と話すときにはいつも緊張をしていました。

 ずっと、

 「人前でうまく話せるようになりたい」

 「お客様にうまく伝えられるようになりたい」

 「緊張せずに話せるようになりたい」

 そう思っていました。

 もともと負けん気の強い性格だったからでしょうか。数年もした頃には、そういった気持はどんどん薄らいでいましたが(笑)。

◆エンジニアも話すことが必要だったんだ

 実際にSEとして働き出してみて、エンジニアはさまざまな人と話す機会が多いことに気がつきました。

 プロジェクトのメンバー、顧客、社内の関連部署、パートナー企業、上司、部下……仕事をうまく進めていくためには、さまざまな人とコミュニケーションをとることが大切です。

 プロジェクトがトラブルを起こす原因の1つに、コミュニケーション不足があります。

 悪い報告がなかなかあがってこないため、納期間際になって重篤なトラブルが発覚したり、お客様の要求がうまく引き出せずに、後でトラブルになったり。(自分は)伝えたつもりでいたことが、相手に伝わっていなかったり……。

 本当にさまざまなことが起こります。わたしも何度も経験しました。そして何度も反省しました💦

 エンジニアこそ、話すことが必要とされる仕事なのだと今だからこそ思います。

◆どうしてそう思うのでしょう?

 “人と話すのが苦手”と思っている方に質問です。

 「人と話すのが苦手だと思う理由、それはなぜなのでしょう?」

 少し時間をとって考えてみてください。

 続けて、次の質問を考えてみて欲しいのです。#例としてわたしの場合の回答を書いて見ますね。

(1)人と話すのが苦手

⇒ あなたは、誰と話すのが苦手なのでしょう?

 わたしは、目上の人、知り合ったばかりの人が苦手でしたね。

(2)苦手だと思う理由

⇒ どうして、自分は人と話すのが苦手だと感じるのでしょう?

 う~ん、そうですね……。何を話せば良いのかわからないからだったと思います。

(3)苦手だとどうなってしまうのか

⇒ 苦手だなぁ~、そう感じたときにあなたの身体にどんな変化がおきますか?

 わたしは身体が普段より緊張して、ゆとりがなくなっていたように感じていました。

 なぜ、このような質問をしたのか。

 “人と話すのが苦手”といっても、全ての人、全ての場合に対してではないと思うのです。

 仲の良い友達や家族、恋人だったり、そういう人と話すときは普通に話せるのではないでしょうか。

 まずはそれをはっきりさせて欲しかったので↑のような質問をしてみました😃。

◆コミュニケーションは学べる

 “話す能力”は先天的なものだと、以前のわたしは考えていました。

 けれどそれは間違いでした。

 生まれたばかりの赤ちゃんの頃、わたしにできたのは泣いて訴えることだけでした。そして少しずつ言葉を覚えていきました。話すことを覚えていきました。たくさんの失敗をしました。そして、そこからいろいろなことを学びました。

 そうなんです。わたしたちは、成長することができるのです。失敗から学ぶことができるのです。

 今は、コミュニケーションに関するさまざまな書籍もでていますのでそれを読んでみることも良いかもしれません。

 セミナーや研修に参加してみてもよいかもしれません。

 あなたが、その気にさえなれば、まだまだ学び成長することができるのです。

 学習には段階があります。例えば車の運転を例にしてみましょう。

Step 1

無意識かつ、それができない状態、車を運転しようとも考えていないし、運転もできない状態。

Step 2

意識はあるけれど、それができない状態。「車は運転したい!」けれど、運転はできない状態。※そして教習所に通い始めます。

Step 3

意識をすることで、それができる状態。アクセルとかブレーキの踏み方とか、ハンドルの切り方など意識をすることで、運転ができるようにな状態。※わたしはペーパードライバーなので、運転に関してはこの状態です💧。

Step 4

無意識にそれができる状態。Setp 3を繰り返していくことで、それほど意識をしなくても、運転が自然にできるようになります。

 コミュニケーションもこれと同じ。

 経験と慣れが大切なのだと思います。スピーチやプレゼンが得意な人ほど、事前の準備をしっかりとしています。

 原稿を書き、何度もそれを読み直し、修正をいれます。そして、実際に話をしてみる。できれば、他の人に聞いてもらって、フィードバックをしてもらう。そして、必用があれば上記を繰り返す。

 そんなことをしているのです。

 だからわたしは思います。いま、もし、あなたが「人と話すのが苦手」だとしても、エンジニアはやれると。ある人がこんなことを言っていました。

 「人は墓場に入るまで変わることができるんです。」と。

 やれるかどうかは、あなた次第✨。そうわたしは思っています。

Comment(3)

コメント

がると申します。
拝読していまして…おそらく、似たようで異なる2つがあるのかなぁ、と思いました。
一方は「話をするのが苦手な人」で、もう一方は「コミュニケーションをするのが苦手な人」。後者は「コミュニケーションをするのが嫌いな人」と言い換えてもよいかもしれません。
前者は「色々とやりようがあります」が、後者はおそらく、エンジニアとしてやっていくのは非常に困難だろうと思います。

で。
「話をするのが生来の特性として苦手な人」というのはやはり(案外に結構)いらっしゃいまして。よく、そのあたりで相談に来られた事があります。
そういう時にお話しをさせていただくのが。「無理に話をしなくてもいいですから。正直、苦手でしょ? だったら"話がうまい人/面白い人"になるんじゃなくて"聞き上手な人"になってみたらどうですか?」というお話しをさせていただいてます。

よく、料理の隠し味に例えるのですが。
話をするのが苦手な人は、最低限の相づちをうったり、的確に最小限、言葉を紡いだりすると。とたんに「聞き上手で発言に重みがある人」に早変わりです(笑
ちなみに話をするのが得意な人は「相手が話したがってる気配を察知して、その瞬間だけ少し言葉を控える」と、うるさがられずにすみます(笑

お汁粉を甘くするには、ひとつまみのお塩。
三つ子の魂百まで、と言いますが。やはり、持って生まれた性質というものはありますので。
せっかくなら、その素材を「最大限生かす」ように、ほんの少しだけ「自分の不得手な部分を隠し味として鍛え」ると、その人という素材が光り輝くんじゃないかと思っています。

思ったままに乱文を書いてしまい失礼いたしました。

小南

がるさん、
こんばんは、コメントありがとうございます(^^

「話をするのが苦手な人」
「コミュニケーションをするのが苦手な人」
う~ん、確かにそうですね。思わずうなりました(笑)

がるさんが仰るように前者の方より、
後者の方のほうが難しい部分はあるのかなとも思います。

その一方で、ちょっとしたきっかけで、
後者のような方も意識が変わる可能性を秘めているとも感じています。
(この辺りもいつかコラムで書いて色々な意見おききしてみたいですね)

がるさんの「料理の隠し味に例える」お話、とてもわかりやすいですね。
仰るとおりだと思います。

みんな本当は自分の話を聞いて欲しいから、
「聞き上手」になると、不思議なことに、
「話し上手」と思われることって多いですよね。
私も、ただ聞いていただけなのに、「話し上手ですね」といわれたことがあって
びっくりした覚えがあります。

そして、素材を活かす。
個々を活かす。
本当に大切なことですね。

コラムを読んでくださり、そして、
素敵なコメントまで、ありがとうございました(^-^*

しっぱ

こんにちは。しっぱと申します。

私自身、昔は話すことが苦手でしたが、以前在籍しておりました会社の上司から勧められた研修で少し気が楽になり、今では表現の方が得意になってきてしまいました^^;(完全にITスキルはおいてけぼりです・・・・)

確かにエンジニアには話すことが苦手って人が多いですよね。
でも、話すだけがコミュニケーションではないんですよね。

先に書いた研修で「ドキュメントもコミュニケーション」だと教えられました。
で、ワークとして最終的にチームでプレゼンをするというお題でした。
しかも大型の付箋(新聞紙広げたくらいだったと記憶しています)に手書きで。。。

で、2時間ほどで仕上げたのですが、話し合いの中でみんなで落書きをしたメモをイメージ化することでほとんど説明が出来てしまうという事態になりました。
(あえてそういったお題を主催者側で出していたんだと思いますがw)

結論として話すのが苦手ということは
 ①話すことがまとまっていない
 ②話の着地点が見えていない
 ③変なところにこだわりを持ち過ぎる

このあたりに原因があったように思います。
準備がしっかりできていてしゃべることがないような状態まで持っていてしまえばいろいろプラスに働きます。
(時間の短縮、イメージ化することで専門外の人にも伝わる、しゃべることが少ないので苦手意識が少し緩和される、そして何より精神的な余裕ができる)

また、ちょうど先日も同様の研修を受けたのですが、がる様のおっしゃってるように「聞き上手」になることは話上手よりもコミュニケーションの上級者になれる可能性が大きいみたいですね。

聴くこと:話すこと=80:20くらいが一番好まれるとのことでした。
その中で話すことを20にするテクニックとして
「質問は短く抽象的に」
だそうです。

言われてみると抽象的に聞かれると聞かれた側は話さざるをえないので、あとは話をどれだけくみ取れるかにかかってくるのは当然だなと。

現役のSEなのにこんなことばかり勉強していて自分の将来が不安ですがw

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