SEからコーチング業界へ転職した筆者の体験を元に、コミュニケーションの楽しさをお伝えします。

私が人見知りをしなくなったわけ(3)

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 こんにちは、小南です。

 気が付けば、今年も残りわずかになりましたね。今年は、皆さんにとってどんな1年だったのでしょうか。

 前回は、私がプロジェクト・マネージャを初めて任された時に起こった出来事について書きました。よかったら、前回の記事をご覧くださいね。

●いつかは転職を……

 それから数年後、私は初めての転職をしました。

 外資系であったせいでしょうか。「転職は当たり前」という雰囲気がありました。そして、私も……自然に「いつかは転職を」と、考えるようになっていました。

 そうは言いながらも、いざ内定をもらっても特別に会社に不満があるわけでもなく、なかなか転職への1歩を踏み出せずにいました。

 そしてそれから数年後、会社の合併を機に、早期退職制度に応募することにしたのです。

●転職活動開始

 忘れもしない、2002年8月1日。

 深夜0時ジャストに、自宅からメールを送信。早期退職プログラムへ応募をしました。

 そうと決まれば、退職をする11月までには、転職先を探さなければなりません。

 20代半ばから転職活動を繰り返していましたし、何度か内定をもらっていたこともありましたので、すぐ転職先は決まるだろう、そう私は思っていました。

 ところが……現実は甘くありませんでした。

 できるだけ多くの企業を見て、多くの内定をもらって、その中で一番条件が合った企業に転職しよう。

 そう考えていた私は、数社の転職支援企業に登録、数十社の企業に応募をしました。

 今ほど厳しい状況ではありませんでしたので、かなりの確率で書類は通過しました。

 ところがです。

 書類は通過するものの、なかなか先の面接へと進むことができません。結局、私は連続して7~8社ほど、面接でNGを出されました。

 理由は明らかでした。

 PMやコンサルタント職で応募していたのですが、私はまだ経験が少なく、おそらく企業側ももっと経験のある人を欲していたのでしょう。

 ない経験はどうすることもできません。

 さすがに、どんどん気持は落ち込み、自信をなくしていきました。

 「こんなことになるなら、早期退職制度に応募するんじゃなかった……」

 次第にそう思うようにすらなっていきました。

●戸惑いながらの面接

 9社目の面接のオファーが来た時も正直、素直に喜ぶことはできませんでした。

 “どうせ、また落とされるんだろうなぁ……”

 まだ暑さが残る残暑の中、憂うつな気持を抱えたまま、面接に向かったことは今でも忘れられません。

 いつものように、受付で面接にきた旨を伝えます。ロビーで待っている時間がとても長く感じられました。

 ちょうど出勤時間だったようで、多数の社員の人達が私の目の前を通り過ぎていきます。

 そして、出迎えてくれたのは、私とほぼ同じくらいの年代の男性の方でした。

 落ち着いた雰囲気のミーティングルームに案内され座って待つように促されました。

 「すぐ、面接官が来ますから、少し待ってくださいね」

 無理やり笑顔を作って、うなずく私。

 しばらくすると、その方が1人で戻ってきて、私の斜め左側の席に腰掛けました。そして、笑顔でこう話しかけてくれました。

 「小南さんは、うちの会社にぴったりな方ですよね」

 まったく予想もしない言葉でした。

 「え……あ、ありがとうございます」

 戸惑いながら、笑顔を作り返答しました。面接官の方が来るまでの間、その方はそんな感じで、まるで私の緊張をほぐすように、ずっと、話し掛けてくれました。

 それまでがうまくいっていなかっただけに、その対応が私にはとてもありがたくて、どれだけ心強く思えたことか。

 根が単純なこともあり、すっかり良い気分になっていました。

 数分後、面接官の方が2人部屋にきて簡単に挨拶。面接のスタートです。

 2人ともやはりとても親しみやすい雰囲気の方で、初めは緊張はしましたが、笑いもあり、とても和やかな雰囲気で面接を終えることができました。

 先のことは分からないけれど、こういった面接は初めてでしたので、結果はもちろん気になりましたがとにかく感謝の気持ちでいっぱいでした。

 面接を終えビルを出た時には、来る時とは正反対の軽い足取りで、駅までの道を歩きました。あの時に見えた風景は今でも覚えています。

●その結果……

 数日後、転職エージェントの方から連絡が入りました。

 「小南さん、おめでとうございます。2次面接が決まりましたよ!」

 それからです。

 その他の面接が順調に進むようになってきたのは。

 というのも、この面接をきっかけに、私は面接に望む際のスタンスを変えました。

 それまでは、とにかく自分のことをアピールすることで精いっぱい。

 今思えば……面接官とのコミュニケーションがほとんど、いえ、まったく……できていなかったように思います。

 私の経験不足による不安や、焦りがなんとなく伝わってしまっていたのかもしれません。

 それでは、どうスタンスを変えたのか?

 もちろん、事前準備は毎回していましたが、大きく変えたことが1つありました。

 面接の中で、面接官の方に少なくとも一度は笑ってもらえるようにしよう。

 ただ、それだけです。

 最初に自分のアピールはもちろんしますが、それよりも面接官の話を聞き、できる限り楽しく会話をすること、それを常に心掛けていました。

 すると不思議なくらい、自分自身の気持ちが軽くなっていきました。

 無理な背伸びはしないで済むし、分からないことは、そのまま返すのではなく再度確認をする。

 どんどん、面接を受けるのが楽しくなっていきました。

 もちろん、NGになることもありましたが、幸運にも、最終的に4社から内定をもらうことができました。

 私を歓待してくれたあの人たちがいなければきっと、こんなに多くの内定をもらうことはできなかったのではないかと思います。

 よくよく考えてみれば当たり前ですよね。

 何ができるか、スペックは職務経歴書を見ればある程度は分かります。もちろん、細かいことは面接の中で確認されます。

 それに加えて、この人に入社して欲しいか、すでにいる人たちとうまくやっていくことができるか、一緒に働きたいと思うか。

 通勤時間の件やもろもろがあって、結局は歓待してくれた企業ではなく、別の企業に転職をすることに決めました。

 初めての転職。

 転職が決まってほっとすると同時に今度は、新たな環境でやっていけるのか、私のスキルは通用するのか、そんな不安が押し寄せてきました。

 期待と不安。

 その2つを抱いて、2002年12月、私は某日系シンクタンクに入社することになります。

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