Gumroadな1週間を振り返る
さあ、新しい1週間が始まりました! 先週、最もホットだった話題と言えば……え、バレンタイン? ああホットでしたかそうですか良かったですね。ええと、IT系で言うと……そうデブサミもありましたがもう1つ、“Gumroad ”というWebサービス! 皆様もうご存知のことと思います。
個人コンテンツ販売の新時代を開くか 「Gumroad」で同人誌を売ってみる (1/3)
Gumroadは、デジタルデータの販売を最高に簡単にしてくれるサービスです。
具体的には、商品にしたいデータのURLから、販売用のURLを生成するサービス。購入者は販売用URLにアクセスし、クレジットカードで決済した後、データのURLにアクセスします。販売者には売り上げの5%+30セントの手数料が課されます。個人でも思い立って1分後には売買システムが手に入る手軽さと、手数料の安さが何よりの魅力。
ローンチは2月11日で、2月16日には日本語対応もされました。公式Twitterなどを見る限り、日本での普及にもかなり積極的であるように感じます。
日本のTwitterでも主にクリエイター層から大きな反響を呼んでおり、その様子をNAVERにてまとめさせていただきました↓
- あなたのコンテンツをクリック1つで買ってもらおう! Gumroad のもたらす未来
- Gumroad で、さっそく売ってみた & デメリットも考えてみよう
- Gumroad での売買一部始終 (実際に自分でも売ったり買ったりしてみました)
- Gumroadの関連サービスが続々と登場
さて、ここ1週間であちこちの記事を拝見し、自分でもひととおり体験してみた感想。上のまとめの言葉を再掲しつつ、振り返ってみます。
●シンプル
Gumroadに触れてみて最も印象に残ったのは、とにかく最初から最後まで画面の隅々がお洒落! ということ。このデザインありきでシステムを考えたから、必然的に最小限の機能になったのでは。なんて考えてしまいます。
体験記事では販売者/購入者登録から取引完結まで、かなりこまめにスクリーンショットを撮ったつもりですが、それでもわずか、9ステップ・所要時間10分足らず。Yahoo!オークションや楽天オークションを利用した経験のある方なら、この手軽さがいかに画期的か、お分かりになるのではと思います。
●今後期待すること
ITmediaの記事でも指摘されていましたが、現在のGumroad で販売をすると、購入者にはデータのURLがバレてしまいます。それを公表されると当然商売あがったり。有効期限付きダウンロードURLを個別発行する機能が欲しいところです(元URLを秘匿する外部サービスの試みもあります)。
他に挙げられている問題としては、「海賊版や二次創作など、著作権がらみのもの」「URL偽装やフィッシング詐欺」。まあ、どちらも以前からネット全体の問題として存在していましたが。
(上記の問題点いずれも、きっと開発時点で分かってましたよね。あえて抱えたままローンチするところが、何というか……すごいですよね)
●けれど結局は
Gumroad は単なる決済システムであって、あなたを稼がせてくれる「何かすごく新しいもの」ではありません。
どんなビジネスにも「商品開発or仕入れ→宣伝・営業→販売→代金回収」の流れがあります。Gumroadが担うのは、このうち「販売→代金回収 の簡便化」にすぎません。売り上げを上げるために必要不可欠な「宣伝・営業」は、やっぱり自分でやらなきゃいけない。
ただ逆に言えば、個人がモノを売る際の課題点が、「営業」一本に限りなく絞られた、と言うこともできます(すでに商品は持っているとして)。それに販売・代金回収のコストがほとんどかからないなら、売り上げ目標をそれほど高く設定する必要もありません。売り上げ目標がそれほど高くないなら、必要な営業の範囲も狭くて済みます。
そうして、今までは会社など、組織だって行動しなければ回せなかったビジネスのサイクルが、個人でもひととおり完結できるようになる。
思いつくのは自分のあたま.
形にするのは自宅のPC.
発表するのはニコニコ動画.
宣伝するのはTwitter.
販売するのはGumroad.
もちろんニコニコ動画の代わりにpixivや個人サイトでも良いのです。販売だって、お手軽にGumroadからチャレンジし、やがて自分のサイトにPaypalを導入する例が増えていくのもアリだと思います。そう、「個人またはごく少人数のグループでビジネスサイクルを回せる」環境って、実はとっくの昔に整っていたんですよね。衝撃的なシンプルさと話題性で、そのことを多くの人に気づかせた。これもGumroadの功績の1つでしょうか。