日曜プログラマです。

久しぶりに再会したあいつは、あまりに寂しく哀れだった。

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 779日ぶりにこんにちは。かわばたあいです。開発の現場を離れてからというもの、当コラムに何を書けば良いのかずーっと悩んでおりました。前に投稿した時のあの仕事は、ネタはどんどん見つかるのですが、機密のことが多すぎて……(T_T)

 今回のお話の前に、身の回りの変化などを書いておきます。特許翻訳の仕事は、父親の手伝いという形で1年の期限付きでした。期限が終了し、今は完全にITを離れ、あるサービス業のマネジメント職に就いています。プログラマから営業/経営側へ。職種は大きく振れましたが、何となく、今の仕事の方が合っているかなと感じます。

 1つ、Webページを紹介します。今の仕事に出会う前、たまたま見つけたものです。

 進路選択に対する自己効力尺度

 http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/~urakami/kenkyu/scalse.html

 主に高校生・大学生向けのチェックテストです。「これから自分の仕事を選び、人生を作っていく過程にどれだけ自信を持てているか」を調べます。

 私はこの中で高校生用の

 > 36.人間相手の仕事か機械や情報相手の仕事か、どちらを主として働きたいか決めることができる。

 という項目で引っかかりました。もちろん全ての仕事は結局ひとのために行うものですが、そういう巨視的な話はおいといて……。ひとまず毎日のタスクが主に、生身の人間と向かい合うものであって欲しいか、それ以外(例えば、パソコンとか)であって欲しいか……。

 まず直感で、人だなー、と、思いました。

 更に1日考えたり、思うところを色々書き出してみたりして、

 やっぱり、人だなー。

 と、確信しました。

 もちろんプログラミングへの興味も薄れてはいませんが、思い切ってIT系にこだわらない転職活動を開始し、今に至ります。さきほどの項目、就職活動中の学生さんなどにはぜひ真っ先に考えて欲しいポイントかも。

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 さて。前置きが大分長くなりました。

 いま働いている営業所へは、毎日のように会員の方がサービスを受けにやってきます。サービスの前に、自分専用に発行されたICカードを使って“チェックイン”します。

 サービスの予約を変更したい場合は、カウンターのスタッフに申し出ます。あるいは、営業所の隅においてある自動振替機を使って予約を振り替え――ることもできるのですが、いまひとつ機械の使い方が周知されておらず(というかスタッフもよく分かっておらず)、自動振替機はほこりをかぶっています。

 というのが、勤務開始前に聞かされていた情報でした。

 いざ現場に入り、何百人にものぼる会員の方を相手に業務が始まります。予約の振替、思ったよりお申し出が多い。夜には顧客対応量のピークと、1日の売上計算等をしたい時間帯が完全にかぶってしまい、なかなかスムーズに業務を締めることができません。

 (どうしたもんかな……。そういえば、自動振替機ってのが一応あるはずだけど……)

 思い立って営業所の、自動振替機が置いてあると聞いていた棚の影に向かいました(って、場所からして使われる予感ゼロ……)。

 ICカードを使い、会員1人ひとりに対して処理を提供する端末なら、むかし開発に携わったことがあります。今となっては懐かしいWindows XP Embeded内蔵のボードPCを思い返しつつ、その場所を覗き込んで――

 「……あっ?」

 ありました。そこに、思い描いたものとそっくりの筐体が。

 「…………」

 ――訂正します。

 “そっくり”なんかじゃなかった。

 そこにあったのは、“そのもの”。

 「…………」

 そう、それは正に――

(つづく)

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