10年目を迎えたSIerエンジニア。最近お灸にこってます。

説明不足

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 日々の業務の中では、いろいろな話が飛び交う。

 難しい話、ややこしい話、どうでもいい話、いろいろあるが、エンジニアってのは、少々せっかちなところがあるのか、長い用語は短く省略する癖がある。

 例えば、

「ジャバスク」

 無論、JavaScriptのことだが、たしかに「ジャバスクリプトでさー、クイッと…… いやだからジャバスクリプトなら……」と素直に呼んでいては口が疲れる。

「結テ」

 結合テストのことだが、そこまで省略したいのか? という感じもなくはないが、納期に追われ、ギリギリのところで業務をこなしているエンジニアからすると、一文字でも口にする言葉を減らし、体力を温存したいのだ。と思う。

 省略するのは、用語だけではない。文章もだ。

「次へ連打」

 何かソフトをインストールしているときに、いろいろなオプションはあるが、開発においては大体無視されがちで、まずはインストールすることが目的なので、ひたすら 次へ ボタンをクリックしインストールを進めることを言う。

「ゴリゴリ回せばいんじゃない?」

 もはやプログラマにしか分からない気もするが、ループ処理によって複雑だったり面倒な処理を泥臭く処理することを示唆する。プログラミングの擬人化、擬音化は新人エンジニアの最初の登竜門といえる。

 有名なのは、

「あの子この子」

 主に、近くにあるパソコンのことをさすが、「あの子は強い子なので多少の負荷ならOK」といわれた日の不気味さは今も脳裏に焼きついている……。

 今までも、ずいぶんとエンジニア言葉に触れ、そして自身も使ってきたが、やはり自分が発明した略語が通じたときの快感は忘れがたい。

 もちろん、通じないと正式名称を言い直すちょっと恥ずかしい事態と背中合わせの危険なアソビである。


 ……と、こんな楽しげな職場風景も、PMなどお客さま対応がメインになってくると変わってくる。せっかく親しんだ言葉たちと距離を置き、「お客さま」のご理解のために、どんどん言葉をつむぐようになる。

 ときに、イライラしながらさせながら、長い打ち合わせを終え、疲れた体にムチうって自社に帰ってくる。そして、新人に略語シャワーによる仕様説明をするのだ。

 モヤっとした余韻を漂わせ去る新人をみて、ふう~っと、一息。


 さあ、9月! 残暑ニモマケズがんばりましょー!

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