別れ
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エンジニアってのは決して楽ではない職業だ。
お客様先に常駐してお仕事をする形態のエンジニアは、IT業界の中でかなりの割合を占める。プロジェクト誕生のたびに、いろいろな会社、その他から傭兵のごとくかき集められ、やがて終焉に向かうにつれて、また一人、また一人と去っていく。
プロジェクトで共に汗を流す人たちは、この世界で、偶然はたまた何かの必然が重なりあい、それぞれの人生における一時期を共に過ごす。
あるときは、バグの撲滅にタッグを組んだり……、またあるときは、SQLチューニングによって誰かを救ったり、救われたり……。またあるときは、深刻な障害によって、謝罪の旅路を共にしたり……。ふと一緒になった帰り道で、愚痴や、秘めていた転職の決意を聞いたり……。
そうして、遅かれ早かれプロジェクトは終焉に向かう。ビジネスであるから、そこは当然、残るメンバーが選ばれ、また一人、また一人と、「戦友」が去っていく。無論、自らも去る。
幾時代かがありまして いろんなエンジニアがおりました。いろんなエンジニアとお会いしました。先輩、後輩でもなく、別々の会社に属しながらそれぞれの戦いを共にした方々がいました。
今もその歴史の中にいますが、残業の合間に夜景を見ながら、ふと、つぶやいてしまう言葉があります。
「元気にやってますか？」
今まで出会ったすべてのエンジニアに、感謝を込めて、夏。