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なぜiPhoneユーザーはAndroidユーザーより有料アプリをたくさん買うのか?

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■アプリを買う人、買わない人

 最近のAskSmart.lyを用いた調査に関する記事や、去年8月のTechCrunchの記事や、去年9月のITproの記事などを振り返るにつけ、どうもiPhoneユーザーの方がAndroidユーザーよりアプリに金を払う人が多いように思える。

 ただし、両方の有料アプリの人気ランキングを比較すると、iPhoneユーザーよりAndroidユーザーの方が高いアプリを買っているようにも見える。

 では、なぜ両者の間で購買行動に有意な差が表れているのだろうか。今日はそのあたりを、わたしなりに少し整理してみようと思う。

■1本目の敷居

 まず、AskSmart.lyの調査を見てみよう。無料アプリのインストール数0という回答が1%ある時点で、少々正確性に欠ける気はするのだが(アンケートに答えるためにはAskSmart.lyという無料アプリをインストールする必要がある)、大まかな傾向はイメージできる。無料アプリはほとんどの人がダウンロードしている。しかし、有料アプリを1本買うかどうかというところで、iPhoneとAndroidのユーザー間では差が明白だ。

 これは、Androidユーザーにとって有料アプリの1本目を購入する敷居が非常に高いということを示しているように見える。

■行きつけの店なら買いやすい

 話を日本に限定すると、Android Marketの決済手段であるGoogle Checkoutは、それほどメジャーなものではない。最初に有料アプリを購入しようとしたときに、gmailアカウントとGoogle Checkoutの利用が前提となる時点で、多くのユーザーがそこから先に進むのを躊躇してしまうのが現実なのではないだろうか。

 それに対して、iTunes StoreはiPod発売以来多くの人に利用されて来た実績がある。スマートフォンを手にする以前に、パソコンにiTunesをインストールし、iTunesカードで気軽に好きな音楽を購入した経験者は結構多いはずだ。

 そのような人がiPhoneを購入した場合、曲を買う延長線上で気に入ったアプリを気軽に購入しているというシナリオが容易に想像できる。明らかにAndroidユーザーよりも有料アプリを買う敷居は低いだろう。

 これが、iPhoneユーザーがAndroidユーザーよりも有料アプリをたくさん買う大きな要因であることは間違いない。

■iPhone VS Androidではない

 では、有料アプリのランキングからは、何が読み取れるだろうか。App Storeの有料アプリランキングの上位に、低価格アプリが多いのは、AndroidユーザーよりもiPhoneユーザーの方が貧乏だからだろうか?

 しかし、この2つのマーケットを比較する際には、iPhoneとAndroidの比較をするだけでは片手落ちだ。なぜなら先ほども指摘したように、iTunesを利用するのはiPhoneユーザーだけではない。そう、iPod Touchユーザーを忘れてはならない。

 少し情報は古いが、2010年の3月にAdMobが公表したiPhone/iPod Touch/Android/WebOSユーザーーに対して行ったアンケート調査の結果によると、iPod Touchユーザーの65%が17歳以下で、78%が25歳以下とのことだ。

 最近は携帯用ゲーム機の選択肢の1つとして若年層への認知度も上がっている。この、クレジットカードを持たない層が、iTunesカードでアプリを買うというシナリオを無視することはできないのだ。

■ドロイド軍団の逆襲はあるか?

 このiPod Touch層は、スマホ予備軍とも言える。iPod Touchに慣れ親しんだ人がスマートフォンを持とうと思った際、最初に候補に挙がるのはやはり同じUI、同じアプリが使えるiPhoneだろう。つまり、Appleはスマートフォンを手にする年齢になる前に、ユーザーをしっかりと囲い込んでいるというわけだ。

 さて、去年の11月にはアメリカ限定ではあるがGoogle Musicが一般公開された。SonyからはAndroidを搭載したウォークマンが登場している。Android陣営がドロイド軍団の予備軍を編成することができるかどうか。これからの動向が楽しみなところだ。

 ちなみに、蛇足ではあるが、有料アプリ購入者を増やすためには、支払方法としてプリペイドカードは必須だろうと思う。

Comment(7)

コメント

仲澤@質疑容赦

若干補足。
Google Checkoutは必須ではないですね。
Docomoは電話料金と一緒に引き落としてくれます。
・・・かなり気楽です。

プリペイの必要性は自分も同感。
日本ではあまり見ませんが、海外では電話自体がプリペイ
だったりします。実際のところ、クレジットカードを
持てない人も多いですからね(vv;)。

onoT

ご指摘ありがとうございます。
確かにauもキャリア課金がありますし、そういう意味ではキャリアごとのマーケットに対しては敷居は低いのかも知れませんね。
ただ、若年層ユーザにとっては、キャリア課金の場合は、キャリアからの請求を親にチェックされるという障壁がありそうですけどw

仲澤@失業者

そうですね。
やはり、何年もかけてAppleが培ってきた「音楽を」ネットで買うという、
一種の文化がアプリにもよい作用をしているのだと思います。
親もなれてるし。

ちなみに、自分は1080円と3080円(為替で変動)のAndroidアプリを
買いました。やっぱ、最初はちょっと心配でしたね。
自分もAndroidは危ないというネガティブキャンペンの影響を
受けているのかもしれません。

あと、前回名前を間違えました(質疑容赦->失業者)(笑)。

onoT

結構高いアプリを買っていますね!

そういえば今思い出しましたが、自分がGoogle Checkoutを初めて使ったのは、海外のサイトでHTCのWindows Phoneを購入した時でしたwww

名無し

Blackberryのストアみたいに、paypal使えるといいんですけどね。
Google CheckoutがJCBに対応していないのもいたいです。

アラファイブ

SoftBank Androidだと、Google Checkoutの払方の一つとして、登録クレジット番号に並んで、SoftBankの電話料金と一緒にが有り、選択肢の先頭でした。

onoT

Blackberryはpaypalが使えるんですか。
それは知らなかったです。いいですね、paypal対応。
あ、あと、ご指摘の通り、確かに対応するカード会社の問題もありますね。

SoftBankもキャリア課金OKですか。
キャリア専用のマーケットならば、やはり敷居は低そうですね。
各キャリア別のマーケットのランキングもウォッチしてみると面白そうですね!

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