資格なんて
9回目、ケーワイケーです。
長く間が空いてしまいました。
親族に重い病気が発症したり、転職することになったりといろいろと忙しく、なかなか自分の時間を作ることができませんでした。
久しぶりの再開なので、時事総論のお題に乗っかって、コラムを書いてみようと思います。
編集部からのメールを見ると、
12月のお題は「読者調査を読む」。
先日、@IT自分戦略研究所の読者調査記事を公開しました。
この結果をきっかけに、「資格を取る目的」や「資格のお悩み」、記事への感想など、ご自由に執筆いただければと思います。
ふむふむ。
私の場合は、何らかの技術であったり考え方であったり、業務知識や設計のやり方など、「業務経験は少ないけれど興味はある」分野を勉強しようと思ったときに、勉強過程のロードマップとして、資格の取得を意識します。
また、自分が今業務で使っている技術について、日ごろきちんといろいろなことを意識しながら仕事に取り組めているかをテストするために、資格試験を受験したりもします。
あくまで私個人の考え方ですが、業務で現在使っている技術に関する資格は、基本的に「資格を取るための勉強」がなくても取ることができると思っています。
取ることができるべきだ、と思っています。
取ることができない人は、日ごろ目の前の仕事に追われ、流れ作業でしか自分の仕事をこなしていない人が多いのではないかと、私は感じています。
自分がしている仕事について、時間を割いて勉強できないほど業務が忙しい人が、果たしてどれくらいいるのでしょうか。
通勤時間も勉強できず、寝る時間を1時間、いや30分削って勉強することもできないほど忙しい人がどれくらいいるんでしょうか。
資格を取る障害として「学習時間が確保できない」と言っている人のうち、本当に確保できない人がどれだけいるのかな、と私は思っています。
確保できないのではなく、確保する気がない人も結構いるんじゃないかなと思います。
資格なんて、技術者として日々自己研鑽を続けていれば、自分が業務に使っている技術に関する資格であれば、特に苦もなく取れるものです。
だから資格を取っていても、イコール仕事ができるなんて誰も思わないでしょう。
そもそも仕事ができると思われたいから資格を取るなんて人はいないと思います。お金のためや転職のために取る人はいるでしょうが……。
資格は、目の前にあるものだけではないものにどれだけ興味を持って、どれだけ時間を割けたか、そしてお金と労力を費やして自己研鑽をしてきたかが分かるだけです。
だから、「資格があるからといって仕事ができるとは限らない」という主張や、「資格を持っていても仕事ができるとは限らないから、資格は無駄」という主張、あるいは、「資格を持っているのだから仕事ができると評価しろ」という主張は、そもそも物事の捉え方を誤っている、と私は思います。
仕事ができるかできないかなど、仕事を一緒にしないと真実は分かりません。
もしほんの数十分、数時間、数日で、仕事ができるかできないかを完璧に判断できるという人がいたら、それは傲慢です。
「仕事」というものはそんなに幅が狭いものではありません。それは仕事ができるかできないかではなく、自分に合うか合わないかを判断しているにすぎません。
だから、仕事と資格を結びつけるのは間違っていると私は思います。
資格は自分のために取るものであり、資格から評価できるのは、探究心や向上心などの姿勢と、一定以上の「知識」を持っているということだけです。
それを勘違いして、仕事と資格を結びつけ、資格に囚われるのも、資格を否定するのも、結局、自身の視野を狭めることになると思います。
ま、いろいろ書きましたが、一番言いたいことは、
資格なんて、簡単に取れますから、もっと気楽に受けていきましょうよ。
資格を否定するなら取ってから否定しましょうよ。
ってことなんですけどね。それではまた。
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コメント
Anubis
どうも、初めまして。
私は、どちらかといえば資格を認めない派ですね。
理由は・・・、受験料が高い!
というところと、問題にいろいろ仕掛けがあるところです。
LPIC受けたが、せめて、問題文の翻訳くらいはきちんとやって欲しい。
試験としては手抜き過ぎる。
資格の判定のやり方に不満があるので、資格をあまり認めない。そんな感じです。
EarlGrey
EarlGreyでございます。初めまして。
私は「資格、あってもいいかな」派です。
理由が少々不純ですが(苦笑
仕事的な立ち位置がSEと営業の境界にいたりします。
あまり面識のない方とお会いしたとき資格の話が出ると、
「ああ、そういう系の人なのね」と思ってもらえます。
(ご年配の方に多い傾向がありますね、このあたり)
それにしても・・・、ベンダ試験のあの受験料。
ありゃなんとかならんものですかねえ・・・。
Anubisさん
コメント有難うございます。
受験料が高いかどうかは、自己研鑽の結果を、公的なもので確認したいか、
自分自身や特定の周囲からの評価だけで良しとするかも含めた、
考え方の差だと思います。
問題については、私もMicrosoft関連やOracle関連、Java関連資格を持っていますので、言えますが、
確かに和訳がおかしいものはありますが、そのほとんどが、きちんと理解していれば、何を問うているのかわかる問題ばかりです。
和訳のおかしさで問題がわからなかったことは私はありません。
LPICを受けたことはありませんので、それはまた違うのかもしれませんが・・・。
Microsoftの試験でも、和訳がおかしいから点がとれないと言っている人をたまに見かけますが、それは甘えです。
理解度が低いから、和訳の多少のおかしさで正解を導き出せなくなってしまうのです。
資格を認めないのは、個人の自由だと思います。
認めない理由に正当性と根拠があればいいのではないでしょうか。
特定の試験の和訳が変だから、すべての資格を認めないというのは、
私には正当性を感じられませんが、ご自身がそれで良しとされるのであれば
それでいいと思いますよ。
EarlGreyさん
コメント有難うございます。
営業的視点で見ると、
あったほうがいい、あってもいいという意見も結構聞きますね。
ベンダ系の受験料は確かに金額的に高いと言えるかもしれませんが、
自分がお世話になっている技術やアプリケーション、
それが存在しているから飯が食べれているわけで・・・。
私が受験した分で少しでも新製品の開発に役立ててもらえれば、
それはそれでありかなと思ってます。
もちろん寄付する気はないので、
元をとるようにしっかり勉強して、自分自身のキャリアにフィードバックしてますけどね。
後、一発で受かるのも大事です。
けい
私も、資格は自分のスキルを確認するものと思っているので「「資格を取るための勉強」がなくても取ることができる」という考えには大賛成です。
実際、私は情報処理技術者試験の高度試験も試験勉強らしい勉強はなしで合格できています。
そして、「資格持っているのにこんなことも知らないのか」等と言われないように、さらにスキルを磨く必要があると考え、自分なりの努力をしています。
tom
主義主張について概ね同意ですが、
>自分がしている仕事について、時間を割いて勉強できないほど業務が忙しい人が、果たしてどれくらいいるのでしょうか。
>通勤時間も勉強できず、寝る時間を1時間、いや30分削って勉強することもできないほど忙しい人がどれくらいいるんでしょうか。
それこそ傲慢でしょう。
通勤時間は睡眠時間。土日は家事なんて人はいくらでもいるだろう。
資格は簡単に取れる、というのもNW10浪の私から見れば傲慢ですな。
よっぽど環境に恵まれているんでしょうね。
tomさん
コメントありがとうございます。
>通勤時間は睡眠時間。土日は家事なんて人はいくらでもいるだろう。
通勤時間しか寝る時間がないのであれば、それは充分忙しい人でしょう。
ただ自分が勝手に通勤時間は寝ると決めているから寝ていて、他の時間は勉強する時間がありませんというのであれば、それは勉強できないのではなく、する気がないだけです。
家事にしても同じです。
まったくプライベートな時間を持たず、睡眠も毎日3時間程度しかとっていないのならともかく、個人の価値観で別のものを選んで勉強する時間を確保していないのであれば、
それは勉強する時間がないのでも勉強できないのでもなく、
勉強する気がないだけです。
>資格は簡単に取れる、というのもNW10浪の私から見れば傲慢ですな。
傲慢の用法が間違っていますね。
ネットワークに10回落ちているというのが、能力の問題であろうと資質の問題であろうと、努力不足が原因であろうと、
結局自己責任、自業自得だと私は思うだけです。
環境も関係ないと私は思っています。
私の知人・友人で高度に一発合格している人は、
皆、多忙な状況でも合格してますよ。
私もプロマネもシステムアーキテクトも一発合格してますが、
その受験時にそんなに暇だったわけではないですしね。
特に受験勉強をしたこともないですし。(論文はどっちも本番1回ぶっつけですし)
だから資格なんかとれて当然と言うことではなく、
日々の業務からどれだけ学んでいるか、
自分の仕事をきちんと理解しながら仕事が出来ているか、
それだけの問題だと思いますが。
もちろん、まったく自分が普段している業務と畑違いのものを受けるのであれば、話は別ですが、
それは私の別のコラムでも書いていますので割愛します。
資格をとらないこと、とれないことを時間のせいにしているのが、おかしいと思うだけで、
主義として資格をとらない人、資格より優先することがあるからとらない人、そういった言い訳をしていない人を責めるつもりはないですよ。
これも何度か言っていることですが。