キャリア20年超。ずっとプログラマで生き延びている女のコラム。

機械に弱い女

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 一般的に「女は機械に弱い」とされているらしいです。当然のことながら、世の中には「機械に弱い男」も「機械に強い女」もいるわけですが、わたし個人に限っていえば、自他ともに認める「機械に弱い女」です。

 子供の頃からメカものが苦手で、カメラもビデオデッキもまともに扱えませんでした。ちなみに、いまだにケータイがまともに扱えず、しょっちゅう電話を受け損なって、折り返しをするはめになります(←要するに、基本機能すら使えてない)。

 いったい何が悪いのかと考えてみたんですけど、いちいちパニくるのがよくないと思うんですよ。

 子供の頃からメカものに対する成功体験がほとんどないので、ちょっとしたことであわてふためいて、こわがって、あげくに「こんなもの扱えなくても生活できるしっ!」とかいう逃避行動にはしってしまい、結果、スキルがまったく向上しないわけです。そのうえ、それをどうにか克服したい、という気持ちがまるっきり起きないものだから、事態はまったく好転しません。

 SNSやゲームサイトのアップデートが行われた際に、「どうすればいいのかわかんない」「どうにかして~」「いや~、もう元に戻して~」という発言が、あちこちから噴出し、ネット界隈でバカにされるという現象をたまにみますが、プログラマとして「いやいや、ちょっと落ち着こうよ、きみたち。落ち着いてやればそんなむずかしいことじゃないよ。多分」とか思うわたしも、家電相手には似たような行動をとっているわけです。我ながら情けないです。

 しかし、そんなわたしはコンピュータという名の機械に囲まれて仕事をしています。

 業種的にハード的な問題にぶち当たることがあまりないので、周囲にはなかなか気づかれないんですが、ふとしたことでそういうメカおんちっぷりがバレてしまい、「だって、機械は苦手なんだよ~!」と叫ぶと、ほぼ100%の確率で驚かれます。

 その際、半分くらいの人は「まあ、プログラムを書く才能と、機械を扱う才能は別だからね」と納得してくれますが、残り半分の人は「ソフト屋でも、ハードをちゃんと扱えないとダメだろ」と怒ります(←そして、7割くらいの人が「なんでこの業界に来た!」と言う)。

 「テレビドラマのシナリオライターがテレビの構造について詳しくなくちゃいけないってことありませんよね!」という反論をこころみたこともありましたが、「それとこれとは話が違う!」と言われて、まったくそのとおりなので「ごめんなさい」と謝ってみたり。

 ちなみにこの言いわけ、業界外の人は「へえ、そういうものなの」と素直に納得してくれるので、いつも便利に使ってます。

 世間一般的には、プログラマはみんな機械に強いと思われているらしく、わたしの職業を知られると「わたしは機械が苦手だから絶対になれないわ」とか言われたりするんですけど、ケータイすら満足に使えない人が20年以上も生き延びていられたりするので、メカオンチはプログラマになれない、ということもないと思います。

 とかわたしが言っても、言いわけにしかならないんですけどね(苦笑)。

Comment(7)

コメント

仲澤@失業者

確かに「機械に強い」と思われていますが、最近はめったに相談はされません。
これは、相談の本題そっちのけで、対象物のUIに文句をつけるのが理由かも
しれません。この様にけむったいやつなのは体質です(言い切りっ)。
犬でも三度ぶたれるとよってきませんので、まぁしかたありません。

自分はメカオンチを自認したことはありませんが、やられちまった事は
何度かあります。例えばレンタ車では・・・
・ヘッドランプをつけようとしたら消えた・・・・Autoモードだった orz.
・車の給油口を開けるレバーが見つからない・・・停車中なら押せば開く orz.
・キーを入れる穴がない・・・・・・・・・・・・無線だった orz.
要は自分の知識が20年ほど追いついていないだけなのですが、まぁパニクります
(だぁって、ぜ~んぜん気がつかなかったんだよぉ~ >> 海.夕日)。

ちけんち

いわゆる「機械に弱い」って自分で言う人って、まずマニュアルを読まないような気がするんですが、どうでしょうか。

「機械に弱い(と自称する)人の場合」
操作してみる → 思い通りに動かない → あてずっぽうで色々やってみる → 状況が悪化 → パニック

「機械に強い人の場合」
操作してみる → 思い通りに動かない → マニュアルを読む → 最初に戻ってマニュアルを見ながら操作をやりなおす → 正常に動作する

こんな感じじゃないかなって思ってます。ちなみに、私の身近にも何人か「機械に弱い(と自称する)人」はいますが、100%当てはまってます。マニュアル読めって言っても「読んでもわからん!」って言って読んでくれないし(泣)。

ひでみ

こんばんわです。ひでみです。


仲澤@失業者さん。

パニクるっていうのは、やっぱり単純に知識不足なんですかねえ。
ケータイ相手にびびってる私も、スマフォならなんの苦もなく使いこなせます。
ビデオデッキもVHS時代はまったく使えなかったのに、ハードディスクタイプになった途端に、使えるようになりました。
どうやら「これはコンピュータ」と認識できればパニックを起こさないようです。

私の中では、「コンピュータ」=理解できるもの、で、「機械」=こわいもの、なんですよね。われながら不思議です。


ちけんちさん。

マニュアルは一応、読みます。活字好きなので、目の前に活字があるととりあえず読む習性があります(笑)。仕事柄、マニュアルを読むのも苦になりませんし。

先日、ケータイのバッテリパックを交換するために、説明書を3周くらい読んだ(←自信がないので慎重になってる)のに、なぜだか間違った入れ方をしたらしく、ショップにかけこむはめになりました。
自分でも何をどう読み誤ったのかがわかりません。仕様書の読解力には自信があるつもりなんですけど……。

もしかして、根本的なところを間違って認識してしまっていて、根本的すぎてどこにも書いていないとかいうことがあるのかなあ、とか疑っているところです。

tasuku

ひでみさんの場合、「失敗駆動型」との事ですので
機械との相性が悪いのかも知れませんね。

失敗した時点で機械が壊れてしまうので、再駆動できず....。

ひでみ

こんばんわです。ひでみです。


tasukuさん。

なるほど、失敗が足りないんですね! なんかものすごく納得しました。
そういえば、プログラミングも編み物も失敗を重ねたうえで好きになったものでした。
それを考えればアタックが全然、足りてません。
いちいちこわがって、すぐにひいちゃうからなあ……。

セロ

アタック~アタック~ナ~ンでもないですごめんなさい。

ミスった時のダメージが直にきますからね。
購入代金を考えれば、あまり無茶もできず。
あれだ、電気店の店頭に置いてあるデモ品を触りまくればいいのか。

ひでみ

こんばんわです。ひでみです。


セロさん。

そうなんですよね。ハードで失敗すると金銭的なダメージがあるんですよ。
ケータイのバッテリパック交換に失敗した時は、へたしたらケータイそのものをダメにしてました(強引に取り出したんで傷がついちゃったけど)。
つくづくソフト屋でよかったなあ。

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