技と名がつくと深入りしてしまうスキルマニアのエンジニア

ひとやすみ

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 朝。道端にタバコの空箱が放置されていた。気がついていたが、そのまま通りすぎる。夜。帰り道。同じ場所に同じ空箱があった。コンビニのごみ箱へ捨てる。

 いいことをした、と自慢したいわけではない。朝と夜で何が違うのだろうか。ゴミを素通りしたわたし。ゴミを拾ったわたし。どちらも同じわたしである。時と場所によって矛盾した行動をおこす。ヒトという存在は不思議だ。

■わたしの技術

 技術の道はストイックである。そこには、一生勉強しつづけなければならないシステムがある。仕事の中にも学びはある。それ以上に、仕事の外にも学びはある。

 ワークライフバランスという言葉がある。エンジニアの仕事はライフの時間を確保するのが難しい。仕事をやりくりして、ようやくとれたライフの時間でさえ、勉強のために使わなければならない。これではライフではなく、ラーニングだ。

 資格取得や直近で必要な技術など、短期決戦で集中して時間をつくこともある。しかし、基礎体力をつけるための継続的な学習は日々、地道に力をつけていくしかない。かといって、勉強漬けの毎日を送れるものではない。

■わたしの音楽

 その昔、バンドをやっていた時期があった。ギターを弾いていた。楽器を使いこなすためにもスキルというものがある。演奏スキルは毎日を練習を要求する。1日休めば2日後退するとよくいったものだ。モチベーションはある。毎日の練習も苦にはならない。それでも、音楽に触れたくないときがたまにやってくる。

 そんなときは、無理に楽器に触れてはいけない。音を出す技術は身体運動である。やる気のない状態でヘタに手をだすと、フォームが崩れてしまう。気持ちが乗らないときは素直にやらないのが正解だ。

 また気分が乗ってくるまで待つ。それがやってこなければそれまでだ。わたしの情熱が尽きたというこになる。遠ざかったり、近づいたりしながら音楽はずっと続けている。いまだにリズムとメロディは新しい発見をもたらしてくれている。まだ、五線譜に飽きてはいない。

■蒼天すでに死す

 ワーク、ライフ、ラーニングでバランスが取れなくてはいけないんじゃないかと思う。3つの割合の中で一番大きくて制御不能なのは、ワークである。極端にかたよったワークをどうするか。減らせるものなのだろうか。

 ワークシェアリングというフレーズも流行りだした。ペアプロとかをうまくつかえば、実現できそうな気もするがどうなのだろう。

 ふと妄想してみる。

 ワークライフバランスは仕事の時間を減らす方向へ思考が向かう。ワークシェアリングは1人あたりの労働時間を減らして雇用を増やす。ガムシャラに働くことをよしとしていた価値観にブレーキをかける機能を持つ。頭のいい誰かがこっそりしかけた、雇用対策なのかもしれない。

 『1日3時間しか働かない国』。キルギシアは現実のものとなるのだろうか。

 どこか遠くからレベルアップを告げるアラート音が鳴り響く……。

【本日のスキル】

  • コラムニストスキル:レベル26
  • 求道スキル:レベル8
  • 耳コピスキル:レベル5
  • 陰謀説スキル:レベル4
  • 自己紹介スキル:レベル0

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