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第572回 三層構造のススメ5 -三層構造を使った伝え方

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 「三層構造のススメ」も5回目になりました。これまで三層構造の仕組みから本質の捉え方、そして問題解決の方法(Aチャート法)についてご紹介してきました。今回は三層構造のススメの締めくくりとして、三層構造を使った伝え方について書きたいと思います。

■三層構造の振り返り

 ここで今一度、三層構造を振り返ってみます。

 私たちには3つの層があり、それぞれ「1層(事象)」「2層(思考・感情)」「3層(行動)」に分かれています。これらの3つの層は繋がっており、他の層に影響を与えます。

1層(事象)...私たちに起こった出来事や事実(ファクト)を表す層
2層(思考・感情)...1層の出来事や事実(ファクト)に対して私たちが抱く気持ちや感情、考え方などを表す層
3層(行動)...2層によって得た気持ちや感情、考えに基づいて私たちが行動を起こす層

 この三層を意識して話を聴くことで、相手の伝えたいことの本質を見極めることができるようになります。(三層構造のススメ1を参照)

 この考え方を発展させることで、問題解決に活かすことができるようになります。これをAチャート法と呼びます(三層構造のススメ2を参照)。

 このように、三層構造は相手の話を聴く時に使ったり、その延長として問題解決に活用したりすることができる考え方なんです。

■三層構造を使った伝え方

 元々、三層構造は私が考案した対話技法(ダイアログ・メソッド)の1手法です。そのため、元々三層構造は対話の中で使うことを想定したモノなんです。だから、ここまでにご紹介してきた聴くことや問題解決をするだけでなく、相手に伝えることにも活用することができるようになっています。

三層構造を使った伝え方.png

 こちらは三層構造を使った伝え方です。

 三層構造を使って何かを伝える場合、1層→2層→3層の順で伝えていきます。この例だとこのようになりますね。

1層(事象の層)自分の身に起こったことを伝える【導入部】
昨日、道を歩いていたら偶然10,000円札を拾ったんです。」(起承転結の「」)

2層(思考・感情の層)その時の捉え方を伝える【展開部】
正直、『やった!』と思いましたね。でも、同時に『どうしようかな?』とも思ったんです。」(起承転結の「」)
だって、10,000円って決して小さな額じゃないじゃないですか。そのお金を落とした人は困ってるんじゃないかと思ったんですよ。」(起承転結の「」)

3層(行動の層)その時に撮った行動【結論部】
なので、結局は警察に届けることにしました。私自身、1円も手に入らなかったですけど、自分にとって大切なモノは手に入れることはできました!」(起承転結の「」)

このような形です。三層構造で何かを伝えようとする際、1層である事実の層は自分に対して起こった出来事を伝える部分になるので話の導入部であり、起承転結の「起」にあたります。

 次にその事象に対して自分がどのように捉えたのかを伝えます。ここは2層である思考・感情の層でここは話の展開部です。最初に気持ちや感情を伝えることが起承転結の「承」、その後のその気持ちや感情を持った根拠となる意図を伝えることが起承転結の「転」にあたります。

 そうして最後に、2層の思考・感情の層で感じ、考えたことに対してどのような行動を取ったか、オチを伝えます。ここは行動の層である3層で、これが伝えることが起承転結の「結」、つまり話の結論になります。

 このように三層構造を使って物事を伝えるとストーリー立てて相手に分かりやすく伝えることができるようになります。

■三層構造を取り入れてみませんか?

 今回、三層構造を伝え方に適用させた例を紹介させてもらいましたが、これは基本のパターンです。実際にはここから様々な発展形があります。例えば、1~3層の話をした後、2層の「意図」の部分に戻り、

この考え方をちょっと改めてみると、違った展開があったかもしれないんですよね...

のようにさらに話を広げたり、方向性を変えたりすることができます。今回は文字数の都合で割愛させていただきますが、また機会があればご紹介させていただきます。


 全5回に渡って私が考案した三層構造の紹介をさせていただきました。

 現代に生きる私たちにとってコミュニケーションはなくてはならないモノです。しかし、コミュニケーションは一朝一夕で身に着くモノではありません。しかし、三層構造を使ってコミュニケーションを取っていくと、やがてご自身の中で三層構造を意識せずとも伝えるようになり、会話がブレなくなり物事の本質を捉えた会話ができるようになってきます。

 そのため、三層構造をマスターすると仕事だけではなく普段の生活においても十二分に活用することができます。興味のある方はぜひ取り入れていてくださいね!

Comment(2)

コメント

ちゃとらん

いつも楽しく拝読させていただいています。


三層構造のお話、非常に参考になりました。


ところで、
> コミュニケーションは一長一短で身に着くモノではありません。
のくだり、『一長一短』ではなく『一朝一夕』ではないかと・・・


揚げ足取りとかではなく、思考が別のところに引っ張られてしまうので、ご確認いただければと思います。


これからも、色々なお話、楽しみにしています。

キャリアコンサルタント高橋

ちゃとらんさん、


いつもコメントありがとうございます。
ご指摘ありがとうございます。。。
早速修正させていただきました!


三層構造が何かのお役に立てれば幸いです!
また、機会があれば続きを書かせてもらいますね♪

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