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第560回 小さな親切を積み重ねる

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 以前は結構色んなことに神経質だったような気がするのですが、歳を取ったせいか最近はあまり細かなことが気にならなくなってきました。何というか、自分の中の許容度みたいなモノが大きくなったような気がしています。

 こういう心境になってきたことで自分の中に心がけるようになったことがあります。それは「小さな親切を積み重ねる」ことなのですが、今回はこのことについて書きます。

■公共のマナーと自分の性格

 昔の私は公共のマナーにちょっと厳しい所がありました。車の車線変更を例にあげてみます。

片側2車線の道路で左側の車線は100メートルほど先に右側の車線に合流し1車線になるような道路があります。そのため、多くの車は早い段階で右車線で走っており、右車線では軽い渋滞が起こっています。そんな中、左車線でぎりぎりまで進み、そこで車線変更し自分の前に入ってこようとする1台の車がありました。

 このような車を見ると、昔はマナー違反だと感じていました。自分を含め多くの車は早くから右側の車線で順番を守っていたのに、それを無視して左車線で行けるところまで行ってから合流するのはよくない行為だと思っていました。だから、そういう車に対しては割り込みをさせないようなことをしていたこともありました。。。

 今にして思うと心が狭かったなぁと思ってしまうようなことですが、その当時はこういうことが許せない性格でした。。。

■物事の捉え方の変化

 しかし、冒頭にも書いたように、最近はあまり細かなことが気にならなくなりました。先ほどの車線変更の話でも自分の走っている車線に進路変更しようとしている車がいれば、交通状況が許す限り道を譲るようにしています。それが以前私が感じていた公共のマナーに反しててもです。

 このような感覚になったのは、恐らく私がAチャート法の実践をするようになってからだと思います。Aチャート法の話は過去のコラムで書いていますが、簡単に言えば、世の中を3つの層に分けて捉える考え方です。以下、引用です。

Aチャートの根本的な考え方は、相談者の「行動」には相談者の「捉え方」があり、その捉え方を生み出すきっかけになった相談者の「事象」があります。この3つを関連付けることで、相談者の置かれている状況や考えなどを整理することができるようになります。もう少し分かりやすく説明するとこのようになります。

事象...相談者の身の上に何が起こったか

捉え方...事象(出来事)に対して相談者がどのように捉え、考えたか

行動...相談者が捉えた捉え方に対して相談者がどのように行動したか

 この「事象」「捉え方」「行動」の層で分けて物事を見る癖がついてから、目の前に起きている事象に対してあまり反応しなくなったような気がします。先ほどの車の話で言えば、私の目の前に起こっているのは、単に自分の前に車が車線変更しているという事象(=ファクト)だけです。何というか、あるがままの事象を捉えているだけの状態というのが近いかもしれません。

■小さな親切を積み重ねる

 そして、この事象に対し、以前の私は「公共のマナーは守るべき!」のような捉え方をしていました。しかし、歳を取ったせいか、今では「この人も困ってるんだろうから譲ってあげよう」のような捉え方ができるようになりました。

 このような捉え方を私は「小さな親切」と呼ぶようにしているのですが、意識的して小さな親切を実践するようになるととお礼を言われる機会が増えてきました。別にお礼を言ってもらうためにやっている訳ではないのですが、お礼を言われるとやっぱり嬉しくなります。その経験が積み重なってくると、自分の中で自然と小さな親切を行おうとする意識が定着してきました。そうして、今では割と自然に小さな親切ができるようになってきたように思います。

 そうした結果、心の波風が立たなくなってきました。比較的何でも許せるというか、ゆとりを持って構えられるというか、そんな心境になってきました。恐らくこうしたことが心を強くするトレーニングなのかもしれません。私は小さな親切を積み重ねることで心が豊かになり、心に余裕が出てきました。それが自分のメンタルにプラスの影響を与えているような気がします。

 昔からよく「情けは人のため為らず」などと言われたりしますが、これって本当にそうだなぁと思っています。小さな親切の積み重ねもそうですが、こうしたマインドを持ち、実践し続けることで人格が育ってくのだと思いました。

Comment(2)

コメント

匿名

「小さな親切」良い言葉だと思います。

ただし、一点「公共のマナー」について、事例にされている交通マナーですが、逆ですね。
本心は、「自分が先に本線に合流したい」がために、加速車線の手前で合流しようとしています、自分もそうでした。
「ジッパー法」で検索してみてください。

キャリアコンサルタント高橋

匿名様


コメント、ご指摘ありがとうございます。


ジッパー法は昔はファスナー法とか呼ばれていたと思いましたが、確か合流地点で交互に本線に入ることで渋滞が緩和されるというヤツですよね。


この話は昔から存じ上げておりましたが、当時から「横入り感」を強く感じてしまい、私の意識ではずっとマナー違反と刷り込まれておりました。
そのため、コラムではそれを公共マナーの悪さと表現してしましたが、実際にはマナー違反ではなかったですね。
失礼いたしました。。。


私はやっぱり「横入り感」が強くあるので、匿名様と同じように私もなるべく早く本線に入りたいと思っているタチですが、こうしたことの善し悪しを考えると、尚の事、小さな親切って必要になってくるなぁと思いました。

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