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新人研修の講師役として工夫していたこと

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 こんにちは。

 前々回の記事が週間アクセスで7位だったみたいで、ビックリしました。個人ブログがなかなか続かない自分にとっては、沢山の方に読んでいただけていることで、書き続けるモチベーションが保てて嬉しい気持ちもあれば、細々とやっていこうと思っていた分、気恥ずかしさもありました。まあ自分のペースで、自分の書きたいように書くことを続けていこうと思っています。今後ともよろしくお願い致します。

■残念ながら……

 4月になり、うちの会社にも新人さんが入社してきました。今年から、うちの会社の新人研修(集合研修)1カ月間は、外部から招いたプロの講師の方にお世話になるという噂を聞きました。実際に見学していないので本当かどうかは分かりませんが、本当だとしたら、第一線のプロの先生に教わるんですから、今年は教育に相当、熱を入れているんだなあ、羨ましいなあ今年の新人さんは、なんて思う反面、寂しくもありました。

 というのも、2年目の春から、とある技術研修で2日間、講師役として新人研修を担当していました。1年目の段階から「講師をやりたい」と上司や新卒教育(人事)担当の方に伝えていたことがきっかけで、毎年、講師役依頼の声がかかるようになりました。今年も、「今やってる仕事が忙しいから準備できるかなあ……」と不安を持ちつつも、声がかかるのを楽しみに待っていましたが、残念ながら担当から外れてしまいました。会社の教育方針なので、仕方ないです。

 ちょうど今回、エンジニアライフの4月の特集として「わたしの新人時代」というテーマで書きませんか、という話があったので、講師役を経験して、研修で色々気をつけた点や工夫した点について、話を書いていこうかなと思います。「わたしの新人時代」という視点からはやや外れていますが、こういう話もアリですよね。

■講師として

 自分が担当した分野は、得意だったからというのもありますが、自分が新人のときにその研修を受けた際に色々と思うこともあったので、担当させていただきました。講師をやる際に気をつけていたり、工夫していたりした点を思いつくままに書いていきます。

●自分なりの研修プランを立てる

 今までのやり方でやれば、準備にそれほど日数を必要としないのは分かっていますが、自分が研修を受けたときに「こうすればいいと思った」ということが何点かあったので、自分なりの研修プランを考えて実施しました。もちろん、前年までの方針、その年の方針も話を聞いて、それに沿った上で考えています。

●前年の反省点を次に反映させる

 「去年とまったく同じようにやれば、教材はでき上がっているんだし、1日もあれば準備は終わるでしょ。なんで5日もかかるって言うの?」と言われたことがありました。しかし、前年の計画通りでは時間配分が間違っていて大幅に時間が余った(足らなくなった)ことや、「急にハードルが上がった」という感想がありました。よりよい研修にするために、どうしても計画の段階から見直したかったんです。要するにPDCAサイクルです。

●一番乗りの新人さんより先に研修の部屋に入って準備

 自分の性格上、そうしたいだけです。すでに何人かが出社して研修の部屋に入っているところに、荷物を持って自分が部屋に入って準備するよりも、すごく早くに自分が出社して、部屋で準備をはじめる。で、「おはようございます」と挨拶して迎える。そっちの方がいいと思っています。

●研修の段階で挫折しないような講習計画と立ち振る舞い

 職場へ配属される前の集合研修には、クッションというか、中二階というか、そのような役割があると個人的には思っています。配属された直後から厳しい仕事が待っている可能性もあるわけで、そのためにも研修のときは楽しく受けてもらいたいと思っています。具体的には、要所要所でアイスブレークと称して、ちょっとしたパズルクイズみたいなものを解いてもらったり、身近にあるものを例にあげて説明してみたり。

 また、会社の先輩を代表して講習を行うわけですから、良い印象を持たれるように努力しています。例えば、本当はわたしは口下手で人見知りが激しく、淡々と教えるだけにしたい気持ちもあります。ですが、休憩中に少しくらいは会話に参加したり、笑ってもらいたくて資料に小ネタを仕込んだり、ウケ狙いの言葉を発してみたり……という具合です。

 自分が新人のころも、同期の間で「○○先輩の講習はよかった」「○○先輩はあまり教えてくれなかった」などの話をしていた覚えがあります。先輩の印象が悪いと、「そういう先輩ばかりなのかな」と、配属された後のことを不安に思う可能性があります。できる限り、「この研修は良かった」と思われるよう、言動には注意しています。

 すぐに思いつくのはこのくらいです。

■研修を受ける側として

 逆に、研修を受ける側として、どのように研修を受けたら良いかというと、「積極的に楽しく」学べばいいと思います。

 受ける研修が苦手分野であれば、「自分は苦手なんだから」と吹っ切れる。そして、積極的に学ぼうとする。講師の方に色々質問して教えてもらったり、得意な同期の見よう見真似でやってみたり。苦手だと不安に思うかもしれませんが、不安に思うときこそ、他の同期をよく見てください。良い点を学べるということもありますが、自分以外の同期はみんな100点満点にできる、というわけではないことが分かるはずです。それが分かるだけでも、気持ちは楽になると思いますよ。

 得意分野の研修だと、何でも簡単にできて暇に思うかもしれません。その場合は、自分なりに色々と工夫してみると楽しいと思います。「こうやってみよう」と思ったことを実際にやってみて、「うまくいった」「できなかった」と振り返ってみたり、成果物(テストの点なり、作成したものの量なり)で1等賞を狙ってみたり。

 「苦手な人に教える」こともして欲しいですね。教えることは、確かに難しいです。「何となく分かっている」というレベルだと、人に教えることはできません。人に教えることによって理解度を深めることができます。分かりやすく教えること自体、難しいものです。難しいですが、難しい分、楽しいんです。教えた相手ができるようになって、喜ばれると、教えた方も嬉しくなるんです。

 ぜひチャレンジしてみてください。そして、ゆくゆくは、研修の講師役をやりましょう!

 周囲の先輩や上司にその旨を伝えれば、自分のように「春から2年目」でも講師役を任される可能性がありますよ。

Comment(4)

コメント

組長

こんにちは。組長と申します。

私もいつか講師とか、インストラクターになりたいと思っているので、とても勉強になりました!残念ながら、まだ夢は実現してませんが(まだ受講する側なので)、実現しそうなときは改めて読んで参考にしたいです。

あずK

組長さん>
はじめまして!コメントありがとうございました。

自分も講師の経験が薄いということもあり、
今回はインストラクションに関する技術的な話より
心構えの話が中心になりましたが、ご参考になりましたら幸いです^^

まだまだ右も左もわかってない2年目からでも講師ができたので、
機会がありましたら臆せずチャレンジ、です。
ヘルプデスク研修で講師ができるといいですね。(組長さんのコラム、拝読しています。)

組長

あずKさん

こんにちは。レスありがとうございます!

>ヘルプデスク研修で講師ができるといいですね。(組長さんのコラム、拝読しています。)

ありがとうございます!!自分の講習と被ってしまい、ヘルプデスク研修が刻々と進んでいるようです・・・。この前、講師というより講師の方の説明に、現場経験者として「実際のこのことを現場で使用するとしたら、例えばどのような時か」的な補足を喋るアシスタント的な感じで参加してました。今後、次々と研修対象者がやって来ているようなので、自分も勉強しつつヘルプデスク研修の方も顔を出そうと思ってます。

あずK

組長さん>
こんにちは。コメントありがとうございます。

ティーチングアシスタントってやつですね。いいですね^^
いきなり講師に就くよりいいかもしれませんね。
アシスタントとしての役目を果たしつつ、
講師の方を講師の目線で視察すると
色々と参考になる点があると思いますよ。

> ヘルプデスク研修の方も顔を出そうと思ってます。

余裕があるようでしたら、そうされるといいと思います。
現在の研修の内容や講習のやり方を学んで、
「ここのこのやり方は何とかならないか」「自分ならこう進める」等、
自分なりの講習計画をイメージしておくと、
いざ講師役を担当することになった際に役立ちますよ。
自分が新人研修のある科目の講師役を立候補したきっかけも、
悪い点を改善して自分なりのやり方でやりたかったという思いからだったので。

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