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それぞれの「男道」を進むために

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 こんにちは。

 いやー、WBC、日本が連覇しましたね! 残念ながら、仕事や体調不良の関係でテレビ観戦はほとんどできませんでしたが、ニュースなどで映像を見ただけでも興奮してしまいました。

 見ていて、代表選手の方々はどの方も、すごいなあすごいなあと感心しきりでしたが、やはり、決勝で勝ち越しのヒットを打ったイチローが一番すごかったです。今大会では予選の段階から不調続きで、日本国内から相当のバッシングを受けていた中、最後の最後にヒット連発。そして、あの決勝点。「苦しさから始まって、苦しさを越えたらつらさが。つらさを越えたら今度は心に痛みが」というくらい、相当追い込まれていたにもかかわらず。心技体すべて備わっているイチローに本物の「サムライ」を見た気がしました。

■「男道」

 野球つながりで、というわけでもありませんが、WBCの中継で解説者として出演していた、昨年プロ野球を引退された清原和博氏。僕は俗に言う「黄金時代」からの西武ファンで、子供の頃から清原氏のファンでした。その彼の著書である「男道」という本を先日読みました。その本を読んで思った事を書かせていただきます。

 「男道」は清原氏自身の半生を綴った本です。

 やんちゃだった子供時代から始まり、「ジャイアンツでプレーしたい!」という夢を持つようになり、小学校の頃から野球をはじめる。高校に入り“盟友”桑田真澄氏と出会い、共に甲子園で戦い、優勝する。

 順調に見えた清原氏の人生は、夢だったジャイアンツからドラフト会議で指名されないどころか大学へ進学すると言っていた桑田氏が指名され、桑田氏も巨人への入団を決意したことで大きな挫折を味わう。しかし、清原氏は挫折に負けることなく、パリーグの西武に入団し、4番バッターとして大活躍。

 それでも巨人で野球をする夢が捨てきれず、FA権(他球団への移籍を希望できる権利)を使って巨人へ入団。憧れていた舞台で、しかも再び桑田氏と組んで戦っていることに感激しきりではあったが、その頃から怪我に悩まされ続け、また、少しでも大きなホームランを打つために上半身の肉体改造をしたことで、確かに大きなホームランが打てるようになったものの、下半身(特に膝)がボロボロになっていく。そのことで試合への出場機会が減り、戦力外通告。その後、オリックスバファローズへ移籍するも、膝の手術およびリハビリでなかなか試合には出られず、また、桑田氏の現役引退も影響して、清原氏自身も現役を退くことにした。

 「あの時、こういうことを考えていた」ということが沢山書かれているので、野球ファンの方は興味深く読めると思いますし、野球を知らない方でも難しい野球用語は出ていないので、読みやすいと思います。僕の場合、オリックスへ移籍する話からずっと涙が止まらなかったです。最近ますます涙腺が緩くなってるもので……ははは……。

■「大きなホームランを打ちたい」

 清原氏が子供の頃からずっと抱いていた信念、それは「大きなホームランを打つ」ということ。子供時代の家族からはじまり、自分のファン、野球ファンにとって一番嬉しいことは、「特大のホームランを見ること」だというのを感じていたそうです。そのために子供の頃から下半身を鍛えに鍛え、練習を重ねていったそうです。もちろん、野球はチームプレーであるので、試合状況によっては、とにかくランナーを返して1点を取りにいくために、ホームランではなくヒットを狙いにいくことも多々あるものの、根底にあるのは特大のホームランを打つことである、と。

 その思いが巨人に移籍してから強くなりすぎたのか、上半身ばかりを肉体改造し、本来持っていたバッティングの巧さがなくなり、下半身への負荷も増大したため選手生命を削る結果となってしまいました。そのことに対し、「やはり西武に残っててくれれば……」「そこまでホームランにこだわらなくても……」なんて思ったりもしましたが、それは結果論でしかありません。清原氏自身、後悔はないようですし、残念ではありますが、その選択は間違ってはいない、ということになるのでしょうね。

■ブレないテーマ

 清原氏の「大きなホームランを打ちたい」という強い信念のように、「自分は何のためにそれをしているのか」「なぜそれをしたいのか」というものを持つのって、大事なのだなあと思いました。イチローだって、強い信念を持っているからこそ、あの決勝のあの場面でイチローらしいヒットが生まれたのでしょうし、公開練習で観客を楽しませようと、意図的に「魅せるプレー」をするのだと思います。今度、イチロー関連の本も読んでみたいです。

 そしてそれは、野球選手に限らず、どの職業の方でも、また、「成功するキャリア」を目指そうと「幸せなキャリア」を目指そうと、大事なことなのかなと思いました。僕の場合でしたら、「楽しく、面白く仕事をしたい」というのが根底にあります。これを見失ったり、今の仕事とかけ離れていたりすると、「仕事をする意義が分からなくなった」と辞職してしまったり、今している仕事がその人のキャリアにならなかったり、無理をするとバーンアウト(燃え尽き症候群)に陥りやすかったりするのかもしれませんね。

 信念というかアイデンティティーというか、強いそれをもって、それぞれの「男道(女道)」を進んでいきたいですね。

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 そろそろ4月なので、今まで自分が仕事でしてきたことを振り返り、キャリアについてもう一度自分の中で色々と考えてみようかなと思っています。

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