地方エンジニアが感じる地方・中小企業での悩み

年末に思う開発屋さんのこれから

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 毎月似たような書き出しになっている気もしますが、今年ももう終わりに近づいています。年の終わりを感じるものの一つとして、プロレス好きな人であれば通じるでしょうが、宇宙で大戦争な話が聞こえてくると年末を感じてしまいます。どこの世界でも同じでしょうが、この話題を耳にすると年の瀬を感じるというものがあるのではないでしょうか。

 IT の世界では特に年末年始というものは薄れがちです。案件の内容によっては、年末年始こそ多忙な時期になることもありますし、カレンダー通りに稼働するものもあります。季節を問わずに稼働することもあるのが、この世界だと思います。これは人のために働くことが多い業界ならではなのかも知れません。IT はほぼすべての業界でなくてはならないものとなっています。それを扱う私たちも同様で、常に存在していなくてはならないものなのではないでしょうか。

 ですが、IT を利用している側にとっても、ずっと開発者にいてもらわなくては困る状況のままであるのはあまり望ましいことではない、そう考えることができると思います。市民開発などもこの流れに関係があり、自分たちの業務はできるだけ自分たちでコントロールできることこそが、最も良い状態だと言えます。利用している IT システムは業務を行うためにも重要ですが、システムに何かしらの問題が発生したときに、自分たちではどうすることもできずに外部の企業を頼らなくてはいけないのでは、時間も費用もかかることになります。

 このような背景もあるため、自分たちで業務を行えるシステムを作り出すことができるものが昨今耳にすることも多くなった市民開発になるのでしょう。すべてを自分たちで作り上げることができたのならば、最も効果的な IT 活用になります。

 全てを自分たちで扱えればそれに越したことはないでしょうが、そうなるためには越えなくてはいけないハードルが多数存在しています。下手をするとそこへたどり着くためには、これまでのシステムを複数個作り上げるくらいの時間と費用がかかってしまうことも十分に考えられます。そこまでの時間と費用をかけたとして、その状態を維持できるかとなればさらに複雑な問題が登場してきます。そのため、開発企業でない会社が完全な市民開発を行えるようにするのは、個人的にもあまり適切な方法ではないと感じています。

 これらを踏まえると、これからのスタンスはどうあるのが望ましいか、そういったものも見えてくるのではないでしょうか。

 現場に近いものであれば自分たちで構築し、規模が大きいものであれば外部へ委託することも考える、すべてを自分たちで行うのではなく最低限のところだけを外部に任せる形がまずは望ましいと言えます。また、これまでの社内システム管理方法では市民開発音メリットを享受できないことが多いので、現場のシステムは企業全体としてはそこまで管理せずにできるだけ現場側に委任する、責任を現場側に移すといった方法も有用です。どのように方針を変えることで、多くのメリットを受け取れるか、その視点に基づいてこれまでの方法論から変わっていく必要があるのではないでしょうか。

 ユーザー企業にとって、システムを利用することは目的ではなく業務を行うための手段にすぎません。仮にシステムがなくても業務が問題なく遂行できるのであれば、システムを使う必要はないのです。利用することで得られる効果が、利用しない状態で発生する損失を超えるのであれば、はじめてシステムを利用することを考えればよいでしょう。この利用することで得られるメリットの中には、スピーディなシステム構築や臨機応変に回収できることも含まれてきます。これまでのように時間をかけてシステムを作ったところで、完成した時には違う業務の形が求められているということも珍しくありません。

 これからを見据えて、私たちも IT というものにどう関わっていくかを改めて考えてみるには、年末年始というのは丁度よいタイミングなのかもしれません。、

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