いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

群れる輩はスキルが低い(と個人的に感じるところがあります)

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■人は集まると思考力が下がるのか

 最近、ちょっと面白い記事を見つけた。 人はなぜ集団では非倫理的になるのか?という記事だ。経験的に納得できる内容だった。私自身、一人でいることが多い人なので、外側から集団というものを見る機会が多い。

 あと、集団になると非倫理的になる原因として、人は集団になると考えなくなる傾向があると思う。分かりやすいところだと、大学生のサークルの飲み会での振る舞いだ。水も弾けるような新鮮な女子(おなご)と、筋骨粒々の活きのいい男(やじゅう)を同じ部屋に集ると、興奮して簡単に理性がぶっ飛ぶ。これに酒が入ると、エスカレートして簡単に愚行へとまっしぐらだ。

 つまりのところ、集団になると何らかの要因で思考力が落ちる。結果、非倫理的になると私は考えている。

■1+1は2になるとは限らない

 人が集団を形成するメリットとして、一人では発揮できない力を発揮できる。助けあうことで、お互いに能力を発揮できる。スキルの高いエンジニアなら、お互いの知らない部分を補完しあって、三人分、四人分、時には百人分の能力を発揮することもある。

 それとは逆に、スキルの低い人同士で集まると、低い部分で安定してしまう傾向がある。人が集まると、どうしても多数決で決を取る傾向が強くなる。知らない人が集まって多数決をとったところで正解は出ない。むしろ、少数派の高いスキルの人が異端扱いされ、集団の平均レベルは上がらない。

 以前、五人のチームが百人のチームを凌駕する。なんて話がコラムで書かれてたのを覚えているが、低い部分で安定した百人と、お互いの欠点を補いあう五人であれば、確かにあり得る話だ。

■低いレベルで安定しないために

 人は集まると、周りの人を意識して思考力のリソースが消費される。また、集まる事で気が大きくなり、努力を怠ってしまう。そしてたちの悪いことに、大概の人は思考力が落ちても気付かない。それどころか、能力が上がったように勘違いさえする。こういう傾向が強い。

 では、このデメリットを回避するにはどうしたらいいのだろうか。それは、一人になって思索をすることだ。IT系のスキルなら、まず納得のいくまで情報を噛み砕いて、試行錯誤をしてみる。そして、自分なりの結論を固める。結論が固まっていない状態で議論をしても、周りの情報に翻弄されて正確に思考することができない。

 群れたところで自分の能力は変わらない。それを知るには、実際に一人にならないと分からない。一人とは、ごまかしの利かない状態なのだ。たまにはそういう状態で自分を見直さないと、自分を見失ってしまうことがあるようだ。

■組織に埋もれて腐ってはいないか

 緊急事態にも関わらず怠慢にふける大企業の取締役、政治家についての記事を、ニュース等で見かけることがある。本来なら、組織の立場が上がるほどしっかりした思索の土台が必要になる。その土台を固めずにトップに登る人が増えたのかなと思う。

 日本では、学校に入ってからずっと「みんなで仲良く」をモットーに群れる事を良しとする。受験にしても、企業間の競争にしろ、過剰にスピードを追求するので思索する時間が取れない。なので、一人でじっくり思索する習慣がつかない。

 政治や大企業が腐敗しやすいのも、こういう背景が原因ではないかと思う。ITが伸びていくのに不利な条件が揃っているようにも思う。人が集まるだけではどうにもならない。問題は、何のために人が集まるかだ。ここが抜けると、組織に埋もれてスキルが伸びなくなるのではないかと思うのだ。

Comment(3)

コメント

Anubis

書いてから時間経ってるコラムなので、リンク先の記事が切れてました。後ほど修正します。

仲澤@失業者

あぁ。ひょっとすると「認知バイアス」のことですかね。

「正常性バイアス」なんかは、異常や危険の検知レベルを失わせてしまうそうです。
あらためて「認知バイアス」って調べてみると、
・・・ううむ、なんか「バイアス」って言葉が嫌いになりそう(笑)。

ok

リンク切れというか、 a タグの title と href が逆ですね。

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