いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

おまえんとこで買うたチェーンソー、街中で振り回しとったら警察に捕まったで! どうしてくれるんや!!

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■過去を振り返り言葉を探していたら、ふと思い浮かんだ

 今までいろんなプロジェクトに関わってきた。1億円の赤字をはじき出したプロジェクト、やたら無茶ばかり要求してくるプロジェクト……。

 この業界で働いていれば、一度は出くわす修羅場なプロジェクト。

 そんな修羅場なプロジェクトを思い出し、表現する言葉を探していたら、ふと浮かんだ言葉がこのタイトルだ。なぜこの言葉になったのか。以下、突っ込みどころをまとめてみたい。

■突っ込みどころ1。チェーンソーは街中で使うものではない。

 チェーンソーは、森で木を切るための道具です。街中に持っていったら危ないです。つまり、使いどころを間違えているんですね。

 修羅場なプロジェクトで共通していたのは、人材や技術、時間の使いどころを間違えていたところだと思います。どんなに優れた人材や高度な技術でも、使いどころを間違えると役に立たない。それどころか、街中のチェーンソーのようにやり場に困るだけ。

■突っ込みどころ2。チェーンソーは振り回すと危ない。

 チェーンソーは優れた道具です。のこぎりだったらハァハァ言いながら切らなきゃならない大木も、がりがり切ることができる。使いこなすとかっこいいらしい。そんな森の男ファンがいるやらいないやら。

 プロジェクトで振り回されるとチェーンソー並みに怖いのが、権力と立場。コレを振り回されると、本当にたちが悪い。

 不用意に振り回すと、リアルに誰かの首が飛ぶ(退職的な意味で)ことだってあります。

 権力や立場はある意味、危険物です。チェーンソーと同じで、使うときには細心の注意が必要です。時に、暴走した上司やお客さんが、チェーンソーを持ったジェイソンに見えることもある。

■突っ込みどころ3。そもそも、なんで俺の責任になるんだ!!

 ここが最大の突っ込みどころかもしれません。街中でチェーンソーを振り回せば危ないのは当たり前。警察に捕まるのは当然です。

 プロジェクトでも、(たとえお客様であっても)持論だけで無茶や無理を押し通せば、失敗するのは当然です。

 結局、ここが私の一番突っ込みたいところかもしれない。修羅場なプロジェクトほど、ビジネスの話に熱が入っていたのを思い出す。そして、こう考える傾向が強い。

 お金をもらうこと=責任を負うこと

 冷静に考えれば、これってケース・バイ・ケースですよね。事前に責任ばかり力説されると、気も萎えるってものです。

 お金やら権力、エゴ、いろんなものが混じった渦中に飲み込まれると、こういう迷言みたいなことを実行してしまうのかもしれない。

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