いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

Excelの必殺技

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■Excelで鼻血を炸裂させる

 Excelで作成されたドキュメントを開くたびに、「使う人によって、これほど差が出るのか」と思う。Excelって、その人の癖が出やすいソフトだ。

 ……というより、みんなが使うので、癖を理解することができる。

 Windowsでも、きちんと機能を理解してスムーズに操作すると、こんなことができるのか。と感心することがある。たかがExcelとなめるべからず。その操作には深さがある。ありふれたツールを、鼻血が吹き出るぐらいに華麗に使いこなしてみたいものです。

■まず、シートの構成の美しさから

 Excelのシートを美しく見せるには。

 1つ、定石として計算するシートと、レイアウトを行うシートを分ける、というのがある。1枚のシートで済まそうとすると、レイアウトを変えた時に、数式の参照がずれてしまうことがしばしばある。また、レイアウトの関係上、リスト形式(2007からテーブル)が崩れてしまう。そういうのをよく見る。

 データとレイアウトをシートで分けて、レイアウトのテーブルから“=Data!A1”のように、シートをまたいで参照する。こうすると、メンテナンス性と再利用性が格段に上がります。

■配色の美しさ

 コレは2007からだが、「テーマ」という機能がある。要は、色の組み合わせ。Microsoftが色彩を研究して選び出した組み合わせだとか。たぶん、この機能の意図を理解している人は少ない。

 この機能を使用して色を配色すると、シートの配色を調整するのが格段に楽になる。ある程度定石の色使いを覚えれば、スタイリッシュな配色を自在に行えます。

 また、2007からは、「セルのスタイル」という機能がある。コレをうまく使うと、フォントや配色の複雑な設定を行っても、書式設定のブレがなくなります。

■そして、数式の美しさ

 数式で差が出るのが、IF文です。こいつをスタイリッシュに使うには、あと2つ関数を覚えるといい。AND関数とOR関数だ。これらの関数は、条件式を何個でも設定できます。条件に合えばTrue、合わなければFalseを返します。

 この関数は、単独で使うと用途が浮かびません。IF文や他の関数と組み合わせた時、真価を発揮します。

 また、数式をスタイリッシュに見せるためには、セルの範囲に名前を付ける機能をを使います。2007と2010の数式タブに「名前の管理」というアイコンがあります。ここからセルの範囲に付けた名前を管理できます(2003や2000でも名前を付ける機能はあります)。

 ここで適切にセルの範囲に名前を付けておくと、数値を参照したり、数式を設定する時に、どの値を参照してるか分かりやすくなり、数式がスマートになります。

■Excelにもコード並の配慮を

 優れたプログラマは、自分の書くコードに細心の配慮をします。重複がないか、変数の名前は適切か、メンテナンス性は高い……などなど。

 それに比べて、Excelのファイルは汚い。一見体裁は整っていても、恐ろしくメンテナンス性が悪かったり、セルの結合を使いすぎて数式のフィルが使えなかったり……。巷に出ている本を読んでも、機能の説明はあっても、その機能をどう生かすかについて書いた本は皆無だ。

 故に、安直な技ばかり広まっているように思う。Excelといえど、深めれば深い。こういう誰でも使ってるようなツールだからこそ、しっかり使いこなせるようでありたい。

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