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Microsoft Store配信記(1)住所を借りたあとで、いらないとわかった話

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エンジニアライフの読者の皆様、こんにちは。平田豊です。

今年の春から、自作のWindowsアプリをMicrosoft Storeで配信しています。Windowsで使うアプリを購入したり、インストールしたりできる、あのストアです。

自分で作ったソフトがストアに並ぶ。長くプログラムを書いてきましたが、これはなかなかうれしいものです。ところが、そこにたどり着くまでには、プログラムを書くだけでは済まない苦労がありました。

今回は、そのうちの住所の話です。

なぜアプリの話なのに住所が出てくるのか。私も、始める前にはそんなことを考えていませんでした。

■登録料は無料、でも気になることがある

以前、Microsoft Storeの個人開発者登録には19ドルが必要でした。私が今回登録したときには、すでに無料になっていました。2025年9月に個人向けの無料登録が広く提供されるようになったそうです。

これは良心的ですね。

2026年10月時点で、Google Playの開発者登録は25ドル。AppleのApp Storeで配信するための開発者プログラムは、年間99ドルです。Appleは一度払って終わりではなく、毎年です。

1ドル約158.45円として計算すると、19ドルは約3010円、25ドルは約3961円、99ドルは約15687円になります。あくまでドルから単純に換算した目安で、実際の請求額とは別ですが、こうして円で見ると、なかなかの金額です。

円安!

個人でソフトを作っていると、開発に使う時間も、お金も、自分の持ち出しです。まだ誰かに使ってもらえるかどうかもわからない段階で、最初の費用がかからないのはありがたいことです。では、さっそく登録して、アプリを公開しよう。

そう思っていたところで、気になる項目に出会いました。

開発者の連絡先です。メールアドレス、住所、電話番号。登録に必要な情報と、利用者に公開される情報は、同じではありません。しかし、初めて使う画面では、その区別がすぐにはわからないのですよね。本名も含め、どこまで表に出るのかが気になりました。

アプリを使う人が、作者に連絡できるようにする。それは必要でしょう。私も、作ったものを公開して、あとは知らん顔をするつもりはありません。

ただ、自宅の住所まで公開するとなると、話が変わります。

ソフトは世界中で使ってもらいたい。でも、自宅の場所まで世界中に知らせたいわけではない。この二つは、どうにか分けられないものか。

そこで私は、事業用の住所を契約しました。自宅ではなく、仕事の連絡先として使うための住所です。一年間分の料金も支払いました。

無料で登録できて喜んでいたのに、別のところでお金が出ていきます。まあ、公開に必要なら仕方がありません。そう考えて、先へ進むことにしました。

■問い合わせたいのに、問い合わせができない

それでも、個人開発者がどこまで情報を公開しなければならないのか、確認しておきたいと思いました。思い込みで設定して、あとから困るのは避けたいところです。

そこで、Microsoftのサポートに問い合わせをしようとしました。

ところが、エラーが出ます。

アプリの不具合なら、ソースコードを調べることができます。自分で書いたものなら、怪しい場所を探して、修正して、もう一度動かせます。しかし、相手の問い合わせ画面は、こちらでは直せません。

問い合わせをしたい。その問い合わせが送れない。こういうときは、どこへ問い合わせればよいのでしょうか。

なんとも困った話です。

最終的には、Microsoft Edgeで、開発者向けの管理画面を英語表示にして試すと、送信できました。私の環境では、この方法で先へ進めたということです。なぜ日本語表示で失敗したのかまでは、切り分けられていません。

原因が全部わからなくても、ひとまず話が届くようになった。これでようやく、確認したかったことを聞けます。

海外の窓口とのやりとりは英文になります。日本の窓口からは、日本語でも回答をいただきました。日本マイクロソフトと海外のマイクロソフトの方々に対応していただき、自分のような個人開発者でも、ちゃんと相談できるのだとわかりました。

英語となると、昔はそれだけで身構えたものです。技術的な内容を説明して、相手の回答を読んで、さらに質問する。日本語でも難しいことがありますから、別の言語ならなおさらです。

それでも、いまは以前より、ずいぶん取り組みやすくなりました。相手が海外にいるという理由だけで、最初からあきらめなくてよい。これは素晴らしいことだと思います。

今回も、自分が困っていることを伝えると、具体的な回答をいただけました。遠くにある会社の、どこかにいる人と、ちゃんと話がつながっている。そのことが、ありがたかったです。

■住所は必要なかった

やりとりを経てわかったのは、私のアプリを個人開発者として公開する場合、心配していた住所や電話番号などの連絡先情報は、必須の公開項目ではないということでした。メールアドレスも、該当するサポート情報の欄では任意でした。

つまり、ストアで公開するためだけに、事業用の住所を契約する必要はなかったのです。

えっ、そうだったのか。

安心しました。ただ、安心したのと同時に、すでに払った一年間分の料金のことも頭に浮かびます。確認してから契約すればよかった。順番が逆でしたね。

現在も、その住所は保持しています。もう支払ってしまったものは仕方がありません。仕事用の住所として使うことはできますし、これも初めてストアに出したときの経験の一つです。

アプリの登録料は無料だったのに、住所代は払った。今回の私の配信準備を一行で説明すると、そんな話になってしまいます。

ただ、この件で残ったのは、余計な出費の記憶だけではありませんでした。

サポートの方々の対応は迅速で、丁寧でした。個人で作っているアプリだからといって、相談を軽く扱われたとは感じません。こちらが気にしていることについて、何を変更すればよいのか、どう考えればよいのかを説明していただけました。

一人で開発していると、困ったことも、だいたい一人で調べることになります。プログラムの問題なら粘れますが、ストアの決まりは、自分の判断だけでは確定できません。そういう場面で、確認できる相手がいるのは心強いものです。

たとえば、初めてアプリを出そうとしている人が、住所の公開が心配で手を止めているかもしれません。そんな人には、自分の登録区分やアプリの条件を整理して、窓口に聞いてみる方法もあると伝えたいです。私のように、住所を契約してから聞く順番でなくてもよいのですから。

なお、これは今回、私が確認した範囲の話です。本人確認のためにMicrosoftへ情報を登録することと、ストアのページで一般に公開することも別です。本名を含むすべての情報が非公開になる、という意味ではありません。ほかのストアにもそれぞれ条件があり、Google Playでは個人でも法的な氏名などが表示され、Appleにも地域や事業者区分に応じた連絡先公開の決まりがあります。

私の条件で、自宅の住所を出さずに配信を続けられる。それがわかって、ようやく落ち着いてアプリのほうに向き合えるようになりました。

MS-DOSの時代から、私はMicrosoftが好きです。長い付き合いですから、うまく動かなくて困ったことも、もちろんあります。今回も、問い合わせ画面のエラーには困りました。

それでも、その先で対応してくださった方々のおかげで、益々好きになりました。ありがとうございまます。

ソフトを作って公開するまでには、画面や設定だけでなく、人に助けてもらう場面もあるのですね。ストアに自分のアプリが並んでいるのを見ると、いまは、そのことも一緒に思い出します。

配信までの話は、まだほかにもあります。それはまた、次回に。

Microsoft Store(YuHex)
https://apps.microsoft.com/detail/9ngbn754vpnb

ホームページ
https://yutakasan.11ya.net/

エックス
https://x.com/youlab_2026

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