自分のハートに火をともし、薪をくべよ

2013/01/22 11:30:25

 こんにちは。たのっちです。先週のエンジニアライフで、モチベーションややる気といったテーマで何本か記事があがっていましたね。その記事の一つであるキャリア・コンサルタント高橋さんの「やる気を考える」を読んでて「自分はどんなときにやる気が出たかな。どんなときにやる気が下がったかな」なんてことを考えていたので、ちょっと筆をとってみます。

■信頼貯金が減ると、やる気が減る

 エンジニア仕事に限らず、どんな仕事をしていてもやる気が下がるときはあるでしょう。例えば……

  • IDEが立ち上がるのに10分以上かかる(これじゃあ仕事にならないよ)。
  • お客さまに質問しているのに回答が帰ってこなくて塩漬けにされる(それじゃ仕事を進められないよ)。
  • リーダーの「俺はこんなに頑張ってるんだからおまえらも頑張れ」的な発言(そう言われてもどう言葉を返したらいいか分からないよ)。

 ほかにもいろいろあるのですが、あまり毒を吐いてもいけないので……。

 こうした「やる気が下がるトリガー」のなかに、実は成長の鍵があったりするのですが(お客さまが回答返してくれなかったら……を解決できたら、ヒューマンスキルは間違いなくレベルアップするでしょう)、直面しているときはやる気が落ちますね。

 こんな現象が続くとやる気が削られて、しまいにはどこか遠くに行ってしまうわけです(インフラエンジニアすごろく的には「SAN値」が削られて「農場」に行ってしまうわけです)。

 では、なぜやる気が下がるのか。振り返ってみると、こうした現象に遭う度に相手に対する信頼を失っていくのではないかなと思うのです。

 相手に対する信頼を失っていくと「どうせ何言っても変わらないんだ……」「ずっと遅いマシンを使って仕事しつづけるんだ……」といって魂が濁っていきます。魂が濁ると相手に対する振る舞いも悪くなっていきます。その繰り返しで、自分も相手も信頼貯金を失い、魂が濁っていきます(そして「魔女化」してしまうのは、まどマギをご存じの方なら分かるでしょう)。

 では、こうした魂の濁りを解消してくれるものはあるのでしょうか(「グリーフシード」ってやつですね)。

■信頼貯金が増えるとやる気が増える

 今度は逆にやる気が増えるときを考えてみたいと思います。

 例えば、

  • 自分のやった仕事に対してお客さまから「いいね」がもらえる。
  • トラブルを解決して、先輩や同僚から「いいね」がもらえる。
  • 難しい機能の実装がうまくいって自分に「いいね」する。

 といったところでしょうか。

 あえて「いいね」と表現してみたのですが、この「いいね」とは「認める」ということ。お客さまから自分の仕事を認めてもらえる。先輩や同僚から自分の能力を認めてもらえる。抱えていた悩みが解決して自分で自分を認める。こんなときに「明日も頑張ろう!」と思っていたのではないかなと思うのです。

 こうして自分の働きが認められることで相手への信頼は高まり、もっと頑張ろうと思うようになる。そのやる気がいい仕事につながってより認められる。その繰り返しのなかで仕事は楽しくなっていき、自然とスキルもついてくるのではないかなと思うのです。

 この流れは、横山哲也さんの「したいこと」より「できること」でも語られていましたね。

■自分の想いに従って「やろう!」と決める

 とはいうものの「いいね」をもらうためには、やっぱり結果が必要になります。なにもしてないのに「いいね」なんてもらえるわけないです。

 では、「いいね」をもらうための第一歩はどうすればいいのか。それはダニエル・ピンクが「モチベーション3.0」で書かれていたように「金銭的報酬」といった外部からの動機付けでなく「自分の内面から湧き出るやる気」といった内部的動機付けに従うのがいいのではないかと思います。

 僕にとっての「自分の内面から湧き出るやる気」は、「自分のできることで誰かの役に立とう」というものでした。

 例えば、先に挙げた「トラブルを解決して……」というときは、「自分のこれまで学んだことが、このトラブルを解決するのに役立てられる」と思って、現場に向かって仕事をしていました。「自分のやった仕事に対して……」も「難しい機能の実装が……」というときも同じで、「あのとき勉強したことが役立てられる」という気持ちで仕事をしていたように思います。

 「自分のできることで誰かの役に立とう」という部分は、人それぞれ違うものになるでしょう。

 この「自分の想い」に対して素直になって行動を始める。「自分のハートに火をつけ」周りから薪をいただくなかで、やる気は高まっていくのだろうなと思うのです。

英語弱者が全編英語カンファレンスのレポートに挑んでみた

2012/10/30 18:03:18

 10月20日に行われた楽天テクノロジーカンファレンス2012に参加をしてきました。

 このイベント、楽天が英語化を進めていることもあって、今年は全編英語で講演を行うというチャレンジングな試みをされています。「面白そうだなぁ。でも英語かぁ。自分には苦しいなぁ。」と思っていた折、マナスリンクの野口さんに声をかけていただき、カンファレンスのレポートを書かせていただく機会をいただきました。

 今回は、日本国内なのに全編英語で行われた異色のカンファレンスに、英語弱者がレポートを執筆するまでの話を書いてみたいと思います。

当初は全編英語なんて知らなかった

 このレポートを書くというお話をいただいたのは、XP祭り2012というイベントの懇親会の席上でした。当初お話をいただいたときは、全編英語でやるということ知りませんでした。「英語なのは主要なセッションだけなんだろうなぁ」と勝手に思い込んで、「いいですよ!」と気楽な気持ちで引き受けました。ですが、他のレポーターの方とお話をするうちに全編英語で行われることに気付きました。

 「英語弱者な自分に、全編英語カンファレンスのレポートなんてできるのだろうか」とすごく不安になりました。ですが、英語弱者な自分でも、一時期英語ができていた時期がありました。大学時代のある時期に、英語の授業を週数コマとっており、その間だけは英語に浸かりきっていたため普通に英語が使えていたのです。あのときと同じように、1カ月英語に浸かりきればなんとかなるだろう。そう考え、1カ月英語に浸かりきるべく行動を開始しました。

とにかく英語に耳を慣らした

 この1カ月間でやったのは、

  • iPhone、Macの言語設定を英語にした  
  • 英語ニュースのPodcastやTEDの動画を毎日聞くようにしていた  
  • Skype英会話の体験セッションを受けた

 といったことでした。

 なかでも効果的だったのは「Voice of America」という英語ニュースサイトの「Special English」というPodcastでした。このPodcastは

「英語を母語としない人々に向け、平易な語彙と文法を用いた上で、通常の3分の2の速さでアナウンサーが語る」(Wikipediaより転載)

 というものです。

 久しく英語に触れていなかった自分にとって、ネイティブの英語は聞き取れる状態ではありませんでした。ですが、「このPodcastのスピードなら聞き取れる!」という感じでしたので、まずはこのPodcastを毎日聞くようにしていました。

 そうやって2週間ほどが経った後、Voice of Americaと平行してBBCのPodcastを聞きはじめます。こちらも、しばらくしてところどころ理解できるようになりました。

 また、Skype英会話の体験セッションを受けたのも、刺激になりました。2回受講したのですが、1回目は思いどおりにしゃべれず。しかし、2回目ではなんとかしゃべれる状態になりました。大学時代に英語に浸かりきっていた際に、スピーキングをやっていたおかげなのでしょうか。昔の感覚がちょっと戻りました。

 一方、Skype英会話をやってみたことで気付いたこともありました。ボキャブラリが圧倒的に不足しているのです。ここが、今の自分にとってのボトルネックとなってるのだと気付きました。

全編英語のカンファレンスに挑む

 そうして1カ月英語に浸かって挑んだ楽天テクノロジーカンファレンス。前日夜遅くまで作業をしていたせいで、大事な日なのに思いっきり朝寝坊をやらかしてしまうありさまで当日を迎えました。そんな形になってしまい、泣きたくなる気持ちで電車に乗って向かっていく途中、楽天の三木谷会長の基調講演をUStreamで聞いていました。するとどうでしょう。三木谷会長の英語が理解できるのです。もちろん分からない単語も出てきます。しかし、話の筋は分かる。「これならレポートできる!」という手応えを感じ、会場である楽天タワーに向かいました。

 しかし、英語の壁は高いものです。楽天タワーに到着し聴講したJeff Patton氏の講演がまったく理解できなかったのです。ネイティブの英語を理解するまでのハードルの高さをあらためて痛感しました。

 一方、そのあとで聴講した楽天トラベルの渡辺さん、NRI Americaの中村さんの講演はなんとか話の筋が理解できました。さすがに全編英語の内容を翌日に書き起こす自身はなく、当日一気に原稿を起こしました。

 結局のところ、日本人英語なら理解できるが、ネイティブ英語は理解できない。それが、僕がこの1カ月で到達した英語力でした。

海外カンファレンスに挑戦するためにやるべきこと

 「いつかAgile Conferenceのような海外カンファレンスに行ってみたい」――XP祭り2010でITコミュニティに触れて以来、ずっと胸に抱いていることの一つであります。一方、これまで何度か海外スピーカーの講演に触れる機会があったものの、英語では理解できないし、ましてや懇親会で楽しくおしゃべりするなんて夢のまた夢。そう思ってきました。

 ですが、今回楽天テクノロジーカンファレンスのレポートに挑むなかで、やるべきことが見えてきました。

 1つ目はボキャブラリを増やすこと。Skype英会話を受けるなかで、ボキャブラリさえ増えれば、英語を聞いて話せるようになるだろうという実感がわきました。

 2つ目はネイティブの英語に触れる時間をつくること。日本人英語はもとより、第二外国語が英語となっている方の英語とネイティブの英語は、明らかに違うのだと知りました。

 まずはSkype英会話などで英語に慣れ、その後ネイティブの英語に触れるようにする。その先に、海外スピーカーと懇親会でおしゃべりし、いつかは海外カンファレンスを楽しめるようになるのだろうと感じました。

 海外カンファレンスに挑戦するまでの道を見付けられた今回の楽天テクノロジーカンファレンスレポーター体験。お話をいただいたマナスリンクの野口さん、北村さんにあらためて感謝を申し上げます。

 ちなみに書いた記事はこちら。ぜひ読んでいただければと思います。

楽天トラベルを支える10%Rule 〜あの日の熱気を取り戻せ! – 楽天TC2012 レポート(8)
壁を壊せ! 〜組織の「仕方ない」文化を打破するためのプラクティス – 楽天TC2012 レポート(9)
インクリメンタルな組織変革 〜楽天テクノロジーカンファレンスで感じた組織変革のあり方 – 楽天TC2012 レポート(10)

「勉強会初心者のための勉強会」で講演をします

2012/10/19 11:43:26

 このたびエンジニアライフコラムニストのあずKさん・第三バイオリンさん夫妻からお話をいただきまして、10月27日に行われる「勉強会初心者のための勉強会」でお話をさせていただくことになりました。

 勉強会初心者のための勉強会 2012年秋の陣

 今回はまるっきり宣伝なのですが、この勉強会で「こんな話をしてみようかな」と構想している内容を予告として、コラムを書いてみたいと思います。

■どんな話をするの?

 いま考えているのは

  • 勉強会に行ったら人生が変わった
  • 勉強会で学んだこと
  • 勉強会の歩き方

 について話してみようと思っています。

 「勉強会に行ったら人生が変わった」では、以前書いた僕はコミュニティの人々と旅をした をベースに、僕が勉強会を通してどう人生が変わったかについて話をしてみたいと思います。

 記事の方は自分史な感じになっていますが、今回は勉強会で体験したこと。DevLOVEというコミュニティで体験したダイアログや何度も機会を頂いたLTについて。そしてそれらがどのようにして人生を変えていったのかについて話してみようと思います。

 「勉強会で学んだこと」では、僕が勉強会に通う中で学んだこと・感じたことについて話をしてみようと思います。ここでは「勉強会に行ってこの技術を学んだよ」というトピックは話しません。コミュニティの人々と出会い触れ合うなかで、彼らから学んだ精神について話せればと思います。

 例えば、ITコミュニティ秋祭りで登壇されたこしばとしあきさんから学んだ「加点評価」といったことや、和田卓人さんから学んだ「学びの在り方」について。そして、それらを通して自分の考えがどう変わっていったかについて話してみたいと思います。

 「勉強会の歩き方」では、これから勉強会に参加しようというあなたに「こうやって勉強会に参加してみたらいいですよ」という話をしてみようと思います。

 勉強会初心者にとってはワークショップがあることがとても大事であること。懇親会に出た方がいい理由。勉強会レポートの大事さ。そうしたことを、僕自身がさまざまな勉強会に参加した経緯や、その際に気をつけていたことなどを通して話せればと思います。

■ワークショップやるよ!

 勉強会初心者にとってワークショップがあることはとても大事です。実際、僕自身も初めて勉強会に参加したときにワークショップがありました。それに参加したところから、勉強会に通うようになりました。

 そうした経験から「ただ話を聞くだけでなく勉強会を体感してほしい」「参加者同士で仲良くなってもらいたい」と思い、ワークショップの時間を設けていただきました。こちらも、僕がファシリテーターをさせてもらいます。今回はアジャイル系コミュニティで以前に行われたワークを再現できればと思います。何をやるのかですって? それは当日までの秘密ですw

■皆さんのお越しをお待ちしております!

 というわけで、私が講師をさせていただく「勉強会初心者のための勉強会 2012秋の陣」は、10月27日14:00から、アイティメディアの会議室で行います。

 みんなで一緒に勉強会を味わってみましょう!

「立つ鳥跡を濁さず」よりも「希望」の用意を

2012/09/28 12:27:06

 立つ鳥跡を濁さず 辞める者がキレイに去るさま、ってワケだが、ない話だよな

            ヨルムンガンド(8巻) 高橋慶太郎

 ずっと前に見かけた、マンガでのひと言である。このひと言がずっと僕の心に刺さっていた。だけど、ある人の異動話を聞いて、意外とそうでもないかもしれないと思い始めた。


自分の場合

 前職から転職をしたときの話である。自分が転職活動を始めた2010年の冬、サービスを立ち上げようとして1年が経過しようというのに一向に立ち上がる気配がない。皆、仕事に対して閉塞感を感じている。「いくらやっても無駄だ」——そうしたあきらめの空気が開発ルームにただよっていた。

 そうしたなかで自分が最初に転職した。周りからはうらやましがられた。

 その数カ月後、前職で一緒に仕事をしていたうちの2人が転職をする。リーダーも1年後には転職した。

 聞くところに後から入ってきた人もいるとは聞いた。しかし、聞こえてくるのは、相変わらずの芳しくない状況。自分が起こした転職というアクションが引き金となり、携わっていたメンバーがどんどん去っていったのではないか。自分が与えた影響はどれほど大きかったのだろうか。上の言葉の言葉に触れ、自分の行動を振り返ったとき、「立つ鳥跡を濁さず」の難しさを痛感した。

とある担当者の話

 そんな転職から2年が経ったある日、自分がコミュニティ活動をする中でお世話になっていたある企業の担当者が、この9月で異動になるという話を聞いた。その話を聞いたとき、その周囲にいた人たちに衝撃が走った。「やだー!」と叫んだ人もいた。

 やはり「立つ鳥跡を濁さず」はない話なのかーー僕はそう思った。だが、その異動話の先には、きちんと未来があることに気が付いた。

 今年度に入ってから、その異動する担当者の仕事が、後任となる新人さんの仕事になっていった。自分が普段接するのも、その後任の人になっていった。

 その後任の方が、仕事を覚えた。「ひととおり任せられるだろう」ーーそうした判断ができたから、ずっとお世話になっていた人が異動できるようになったのではないか。

 異動自体、本人の希望なのか、会社の意向かは分からない。だけども、この異動で2人ともさらに成長する機会を得るチャンスが巡ってきたのだ。そう思うと、良い離れ方ができたのだろうなと感じた。

跡を濁さずではない。希望を用意するのだ。

 立つ鳥跡を濁さず 辞める者がキレイに去るさま、ってワケだが、ない話だよな。飛んでいった鳥は周りにいた者の心に混乱を残す。なぜ去ったか理解できない者には、鳥は裏切り者に見え、自分も飛びたくても飛ぶわけにはいかない者は、鳥をやたらと羨む

 僕の場合は「思いっきり濁しているじゃないか」という誹りを受けても仕方ないだろう。間違いなく「裏切り者」と思われただろうし、「転職できたのか」とうらやましがられただろう。

 では、異動する担当者はどうだろうか。「裏切り者」という誹りはないだろう。「いいなぁ」とうらやましがられることはあったかもしれない。異動に際して、周囲には少なからず混乱や衝撃もあっただろう。しかし、その先には担当者や後任の人、ひいては会社にも成長・発展という希望が待っているのではないか。

 転職と異動を同列に語るのは、無理があるかもしれない。だが、自分が数年間働いた場所を去るという点においては同じである。そうとらえてみたとき、転職であっても異動であっても、去り際にとっては「立つ鳥跡を濁さず」よりも「希望を用意する」ことの方がもっと大切ではないのかと感じた。

 異動する担当者の方には今後の活躍を、後任の方には一緒に盛り立てていくことを願わずにはいられない。

熟慮断行のシステム開発

2012/09/21 13:34:34

 以前Anubisさんのコラムで「迷い人オーバーラン」という記事があった。その中でAnubisさんは、「仕事を早く進めるために必要なことは、迷いをなくすことだ」と述べている。

 仕事を早く進めるために必要なこと。それは迷いをなくすことだと思う。
 迷いをなくすことで大きく2つの利益がある。1つは迷って悩んでる時間が省けることだ。その分、精神力も消費しないで済む。もう1つは、正しく判断できることだ。思考がぶれないので、その分判断の精度は増す。
 迷いは精神的なものとして片付けられることが多い。しかし、迷うには必ず原因がある。原因が必ずあるので、細かく解析していけば必ず解消できる。迷いを随時解消していけば、ストレスが少なく迅速に仕事が進むようになる。それができれば理想的だ。

 では、どうすれば迷いを払拭して仕事を進められるのか。それに想いをはせたとき、「熟慮断行」という言葉が浮かんだ。

先人が成し遂げた熟慮断行による勝利

 「坂の上の雲」という歴史小説がある。司馬遼太郎が書いた日露戦争の話だ。2009年から2011年にかけて、毎年年末にNHKでドラマも放送された。

 その「坂の上の雲」の主人公に秋山真之という人がいる。日露戦争において、日本海軍の参謀として活躍した人だ。

 彼は、日露戦争においてロシアの海軍を迎え撃つに当たって戦略を練りに練って、それを実行し、ロシアの海軍を撃滅する。それに当たって、彼は世界中の戦略に関する書物を読み漁り、研究に研究を重ねたという。ドラマでも、彼は入院中に日本中世の水軍の書を読み、訪ねてきた女性にその話をするというシーンがある。

 ありとあらゆる戦略を学び、その要点を把握したうえで最良の戦略を立案し実行した。そんな秋山真之が揮毫した書が彼の出身地である松山にあるのだが、そこに書かれていた言葉が「熟慮断行」である。

システム開発における「熟慮断行」

 そうした「熟慮断行」という言葉が、Anubisさんの言う「迷いを払拭する」ために必要ではないかと感じた。

 では、僕らはその「熟慮断行」を行うために何ができるのだろうか。

 これは僕の持論ではあるのだが、

  • 顧客の要望を押さえる
  • 顧客の業務を押さえる
  • 業務を扱ううえで必要となるデータを押さえる

ということが必要になるのではないだろうか。

 システム開発をお願いしてきた顧客はいまどういった問題を抱えているのか。それをどうやって解決するのか。まずはそうしたビジョンを定める。

 次に、そのビジョンをどうやって業務の形にしていくのかを決める。必要な業務は何か。それをどうやって回すのか。

 そして、その業務ではどういったデータを扱うのかを決める。

 当たり前といえば当たり前のことであろう。もちろん、こうした「ビジョン」「業務」「データ」をしっかりデザインしても実際に作る段階で、これが足りないというものは出てくるだろうし、「業務」や「データ」をデザインする段階でも、いろいろと意見は出てくるだろう。

 しかし、その「上の概念」が定まっていれば、ぶれずに進んでいけるのではないか。そして、その「上の概念」を決めるところに「熟慮」が必要であり、実際に決まったら、その概念を実現させることを「断行」する。そうしたことが必要ではないかと思うのだ。

不安を払拭するために、確信を持つこと

 先に紹介したAnubisさんの記事では、こうも書かれている。

 不安は放っておくと増大する。不安が多いと迷うようことも増える。こういう状況で仕事をしていると、大きく作業効率を落としたり、突然の大失敗につながりやすくなる。
 そんなことで、迷いに対してアプローチを行うことは、業務を円滑に進めるうえで重要ではないだろうか。もちろん迷いに対してアプローチするには、迷ってる人に対して大きく関わることになる。労力もそれなりに必要だ。しかし、それだけの価値はあるはずだ。
 業務の進捗を管理するように、不安や迷いを管理してはどうだろうか。確かに管理をしにくいものではある。しかし、ノウハウを積んでいけば、いろいろな対処方法を編み出すこともできるかもしれない。決して無理ではないはずだ。

 その、不安や迷いを管理するためには、確信が必要になると僕は思う。もちろん、確信というものは、すぐ得られるものではない。だが、熟慮を重ねて得た結論を基にして進む。その結果を確認して次へ進んでいく。そうしたことをくり返していくなかで確信は深まっていくであろう。そして確信が深まるほど、不安や迷いが出てきてもすぐに進むべき道を見いだせるのではないだろうか。

@IT Special 注目企業
@IT Special ラーニング

エンジニアライフ 最新の投稿コラム

@IT自分戦略研究所 新着記事



コラムニスト プロフィール

たのっち
ただのきまじめ本Lover。プログラマをしてます。大事なことは本とコミュニティから学びました。ブログはこちら。

- PR -
@IT Special 注目企業
インデックス

イベントカレンダー

アクセスランキング

もっと見る

@IT Special ラーニング