すごい飲み会とは
前回の「暴力という名の会社」は数多くのアクセスがありました。ご愛顧ご愛読ありがとうございます。
今回は「飲み会」のお話です。仕事上での飲み会は数限りなくお付き合いさせていただきましたが、読者の皆様も「酒の席での失敗」は1度や2度は経験があると思います。「あの飲み会は……」と過去を振り返ってみましょう。
- カオス度:3
- クライム度:4
(筆者の独断と偏見によるものです)
※これ以降の文章には非常に生々しい描写が含まれております。ご自身の適切な判断が必要です。
■お通夜のような飲み会
まずは涼しそうな話題から。
あるプロジェクトが完了して本番カットオーバー後、エンドユーザー主催の打ち上げがあった。このエンドユーザーさんは某グループ子会社(運輸部門)である。
古風な飲み屋で座敷に通されると、裸電球がつってある……。1人に1膳、お膳がしつらえてあった。
われわれプロジェクトに参加したSE、PGが先に席に着くと、見たこともないエンドユーザーさんの偉い人がぞろぞろとお見えになった。
ただし、プロマネはなぜか不参加だったので、わたしが名代のような立場になってしまったことを、深く考えていなかった。
カンパーイ。
お膳に1人ビール1本で乾杯だ、まずは……。
1本のビールなどすぐに飲み干してしまい、幹事(エンドユーザー)に早速お代わりを要求した高山くん(仮名)。
高山くん 「とりあえずビール5本に、お銚子5本、お願いします!」
幹事 小声で「予算の関係で、1人ビール1本までです」
高山くん 「えーーー、しょぼいっすね」
このやり取りを聞いていて、ふとまわりを見渡すと、見たこともないエンドユーザーさんの偉い人たちが、隣通しで小声でぼそぼそ会話をしているのに気がついた。
この時、わたしは「げっ、お通夜のような飲み会だ」と感じた。
我に返ると、いまだ、幹事と高山くんのやり取りが続いている。
幹事 「朝之丞さんは、メーカーSEなんでもう1本追加しても良いですよ」
朝之丞 「メーカーSEは、ビール2本までなんですね」
ありがたく頂戴して、件の高山くんにビールを注いだ。
プロマネが参加したくないと言っていただけのことはある飲み会だった。申し訳ないと思ったのか、エンドユーザーの若い衆に2次会に誘われ、その席で
エンドユーザーの若い方 「朝之丞さん、申し訳ありませんね。うちの飲み会っていつもああなんです」
しかし、話はこれだけで終わらない。
次の日、そのエンドユーザー先に出向いてみると、かなりの人数が休んでいるという。どうも1次会の店の料理にあたったらしい。
■冬の嵐か? 壮絶忘年会
お通夜のような飲み会でかなり下がってしまったので、少しテンションを上げよう。
そのプロジェクトはデスマーチよろしく荒れていた。
飲み屋の2階を貸し切っての忘年会だったのですが、わたしは少し遅れて店に入った。2階に上がるとふすまが破けている? 随分とぼろい店だななどと思いつつも、ふすまをこじ開けると! 福澤朗の実況中継が流れるような展開が目の前に!
まずは、体育会系の杉山課長(仮名)が、日ごろ頑ななFくんという部下にパイルドライバーを炸裂! ジャストミート、ファイヤー!
失神してしまったFくんに、まわりの人間が面白がってビールをかけている。さらに、月主任(仮名)がトドメのまんじ固め。
ようやく悟った、ふすまが破けている理由。
当然、そのお店には出入り禁止となりました。
わたし自身は、ビールも飲めずプロレス観戦? な忘年会でした。
(注)このようなことをやってはダメです。
■新人歓迎会での説教酒
過去に、ソフトハウスの買収、合併が流行った時期がありましたね。
もうご存じの通り、対等合併などということはあり得ないわけで、結局のところ吸収された側の社員の悲哀たるや身分、立場、給料の格差が悲しいほどに……。
しかし、同じ職場でこういう人がいたらどうします?
- 吸収された側の社員さんで、課長(部下のいない課長職待遇)
- 自席では常にイビキをかいて寝ている(うるさくて仕事に支障をきたす)
- 前職場(大手銀行)では、トイレでエロ本を読んである行為をしていることが発覚して、お疲れ様になっている
- もちろん、毎日定時退社
吸収された側では、腐るなと言っても無理があるのは確かなのですが……。
しかし、そのような人物が新人歓迎会で課長職を笠に着て「仕事について」新人さんに説教酒をしているのが一番看過できませんでした。
飲み会の最後の最後になって、
朝之丞 「もう、そのくらいにしてはどうですか?」
課長 「何? メーカーSEだからって偉そうに!」
わたしも若かったので、売り言葉に買い言葉で(次の日、上長に叱られるのも考えずに)ものを申してしまいました。
■傾向と対策
こんな飲み会ばかりだったので、若い人がついてこられなくなるのも分かります。
わたし自身、ものを知らなかったので彼方此方お座敷がかかると参加しておりましたが、いま同じようなことをやれと言われると、ちょっとどうかと考えてしまいます。
嫌な飲み会は、こんなノリでクリアするのはいかがでしょうか。
●上司とカラオケの2次会
頭髪が薄くなったメタボな部長が十八番を熱唱中
山下くん 「はげー、引っ込めー、やめろー」
部長が熱唱を終えて戻ってくると、
山下くん 泣きながら(本当は笑い泣きだったのだが)「部長、サイコーでした、おもわず聞き惚れました、泣いてしまいました」
なかなかの世渡り上手です。
わたしの場合は、親戚筋での何かの集まりの時に、母と生まれて初めてカラオケデュエット。
母 「おまえは、カラオケ上手だね~」
嫌な飲み会(親にも見せられないです)で鍛えられてますので。
嫌な飲み会は、母と生まれて初めてカラオケデュエットして褒められる程度の人生経験、勉強にしかならないと思うと、少し悲しくなります。
以上、お酒は楽しくほどほどに。
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