筆者は1970年生まれ。先輩から、情報技術者を目指す若い方へ生きてゆくためのコラムです。

糖尿病 40歳からの警告

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 ある日、久しぶりに近所の内科医に行ったら、ビタミン注射の針が静脈に刺さらない。そして、涙が出るほど痛い。原因は、適切な血糖値管理ができないまま、約1年もよその病院で検査もせずに放置したため、静脈が硬化を起こしていたのです。「静脈硬化」と聞かされた時には、驚きました。そして、全身これなのか、と思うと、鳥肌が立つのでした。関西では「さぶいぼ」とも言います。身の毛がよだつ、とはこのことです。

■こうすればあなたも生活習慣病!!

 10歳のとき、ドラえもんのテレビ本放送が始まりました。場所は川崎市高津区(宮前区)宮前平。そこで、○ヤリースジュースのおまけとして、1ダース12本買うと、もれなくドラえもんグラスがもらえる仕組みになっていました。まだ、家が豊かだったので、グラス全種類をコンプリートするために、それはもう湯水のようにバ○リースジュースを飲んでいたわけです。酒屋さんが、1ダースの瓶を持ってくるたびに、ドラえもんグラスがゲットできた。そんなわけで、11歳にして僕は「オナカの大きな王子様」になってしまったのです。メタボの前兆ですね。

 オナカの大きな王子様/小椋佳歌詞

■高校には食べに来ていました

 前述の通り、高校には食べに来ていました。正直に申し上げますと、食べるのが趣味。朝は立ち食いそばを食べ、昼は学食で満喫し、夕方は千葉駅の目玉焼き入り焼きそばと、電車の車中では退屈なので成田駅まで車中で駅弁。しかもとんかつ弁当。そりゃー肥えるわな、誰だって。パソコンいじってるか、寝てるか、食べてるか、電車に乗ってるか、といった生活でしたし、しかも、運動は苦手で、体育系の部活にも行かなかった。なので、おかげさまで、余ったカロリーで身体がふくよかになって、肥満に拍車がかかるというものです。

■大人になってバランスを欠いた食事で

 某システムインテグレータでの勤務は過酷で、電車がなくなる寸前まで帰らせてもらえませんでした。朝はコンビニ弁当。昼は定食屋のチキン南蛮。おやつはおやつグ○コ。夜はす○家のマヨ牛丼。もしくは、宴会で酒やビールを浴びるように呑む。そして、退職して初めて分かった病名が「2型の糖尿病」という結果でした。肝臓エコーや、CT(コンピューテッド・トモログラフィ)を撮って見た自分の肝臓が、腹の真ん中で、どでかく真っ白に写っている。これ、みんな脂肪。つまり、肝臓に脂が巻ききった、極度の脂肪肝になって、現在に至ります。

 酒と泪と男と女/河島英五歌詞

■グラクティブという新薬で様子を見る

 今では、比較的節制はしているのですが、どうしても運動不足。脳みそに栄養を与えるために、どうしても高血糖にキープしがち。そこで、最近になって、新薬に切り替えました。アマリールと、グラクティブというクスリ。前者は、インシュリンの分泌を促すクスリ。後者は、インシュリンを破壊しようとする酵素を破壊するクスリ。これがダメなら……。

医師「これがダメなら、インシュリン注射しかないね。見てご覧、ほら、ゲーム感覚で楽しいよ、針も細いし痛くはないし」

田所「い、いえ、あまり楽しそうじゃないです……」

 こうして、日々、インシュリン注射になるのを恐れながら、びくびくと食生活を送るのでありました。おやつ好き好きなのはいいけど、結果は40歳代になって現れるので、若いからと言って油断禁物です。高カロリーなものばかりを食べて、運動不足でいると、やがて将来、大変なことになりますよ。

■インシュリン注射に突入……

 ランタス注ソロスターという、最新式のインシュリン注射です。量にもよりますが、蚊が刺すより痛くないです。昔に比べれば。最近では、患者のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を損なわないために、工夫をされているそうですが、注射は注射。寝る前だけとはいえ、皮膚をアルコール消毒したり、何かと面倒だし、痛くはないとはいえ、れっきとしたインシュリン注射には違いないのです。

 薬で刺激し続けてきた、弱った膵臓をかばい、膵臓の機能を補うために行う、インシュリンというホルモン(だということは、案外知られていない)の注射を行うことになったのです。僕はまだマシな方で、10単位で済んでいます。これは粘度の高い液体で、しかも結晶でして、もし、この注射器をガシガシ振るようなことがあると、インシュリンの結晶が壊れます。

Rantas
ほれほれ、インシュリン注射でっせー ちくっとしまっせー

 過ぎたるは及ばざるがごとし、という言葉があるように、人間、度を越して暴飲暴食すると、肝臓は沈黙の臓器、知らない間に糖尿病になります。これは、普通のレントゲンではわからないものでして、肝臓エコーや、CTスキャンでないと、内臓脂肪は分かりません。それはもう、不気味に、秘密裏に進行していきます。

 また、インシュリン注射は、低血糖リスクも存在するのです。人間、低血糖や高血糖になると、意識を失って昏倒(こんとう)します。意識朦朧となります。だから、こんな面倒なことになる前に、お酒を控え、甘いものを控え、脂っこいものを控えて、もっと楽な生き方をしようではありませんか。

 (前立腺肥大疑惑もある僕はどうなるんだろう……)

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