連載2周年 書き始めた動機について

2010/09/04 14:00:00

 僕は、決して技術者然としているわけではありません。どちらかといえば詩人に近い人間なのですが、隅っこの方で、ぶつぶつつぶやきながら、@IT自分戦略研究所エンジニアライフ、2010年9月で、連載丸2周年になりました。これもひとえに、皆さまのご支援のおかげです。新しいことを始めるのも大いに結構なのですが、ひとところにとどまってみっちりやるのも、いいことじゃありませんか。

■書き始めた動機はスキルの棚卸し

 最初は、スキルの棚卸しが一通りすんだら、連載はやめようと思っていました。これまでに何をして来て、これから何になろうとしているのか、何になりたかったのか、何になれるのか、いろいろなことを考えてきました。結果、図らずも、過去を切り売りする結果になってしまったのですが、おかげさまで、以前よりは自分のことがくっきり見えるようになりました。

 くっきり見えたのはよいのですが……。選手交代の時期に差しかかり、現役サラリーマンの続投を遠慮しなければならない年齢であることに気付きました。スポーツと同様、若者を教育する年齢にさしかかってきたのです。年齢はいわゆるサラリーマン的な仕事に雇われない理由でもあり、背景には、時代の厳しさ、企業が目利きし過ぎる点などがあります。

■難しいことを易しく書くことの難しさ

 難しいことを、難しいままに書くのは簡単ですが、それでは読者の理解が進みません。読者の理解を深めようと思えば、難しい物事を、いったん自分の脳内で咀嚼し、かみくだいて理解してから、はじめてコラムにする、ということを心がけてきました。また、なるべく実体験を交え、自分が理解できないことはコラムにしないこともそうです。技術屋さんの文章でありがちなのが、略語を平易に説明しない(あるいはかみくだいていない)ことなどですね。それだけは、なるべく気をつけています。

■その時々に合わせたテーマ設定

 新卒雇用が危ないときにはそのテーマを書き、メンタルヘルスが危ないときは体験談を寄せ、暑いときには「暑うおますなあ」という記事を書き、その時々に合わせたテーマでコラムを書いてきました。生活者目線といいますか、そういったタイムリー性を大事にしたいです。決して上から目線じゃなくて、同じ困った者同士という視点を大切にしていきたい。アイティメディアさんが出す「お題」には、1~2回しか投稿していません。なぜなら、僕が考えるタイムリー性と、会社の皆さんが考えるタイムリー性とは、少し軸足が違うのです。なので「お題」にはならっていません。

■テーマを絞りすぎないのが、永続の秘訣

 もし、純粋にインフラ系SEのお話だけをしていたならば、ここまで続けられたかどうか分かりません。僕が仮に、ルータのルーティングの話をしても、仮に、サーバの仮想化の話をしても、ここ(@IT)には、僕よりも詳しい人々がごまんとおられるわけでして、餅のことなら、餅屋に聞いてほしいのです。古い脳細胞がいえることは、失敗も成功もしてきた道程。技術のお話がご所望ならば、僕よりも詳しい人が大勢おられるので、そちらの記事をご参照願います。

 たしかに、僕はエンジニアでありましたし、そっち系の技術情報を書こうなら、むりやり背伸びして書けなくはない。しかしながら、ここは「エンジニアライフ」です。業種は違えど、ずっと何らかのエンジニアをしてきた、苦い経験やライフハックなどをお伝えし、若い人たちに同じ苦労をさせたくないので、これまでの苦労話などを書いてきたわけです。テーマに縛られない。テーマを絞りすぎないのが、永続の秘訣といえば、秘訣でしょうか。特定のテーマにこだわらない、テーマが片寄らないことが、書き進めるための秘訣といえば、秘訣でしょうか。何事にも、こだわらない、片寄らないことでしょうかね。

■僕はこれでも進歩しているのかな

 急に周囲を不安に陥れる小見出しですみません。しかし、実際こう思っているのでやむをえませんね。カタログスペック的な、例えば資格だとかは、お金の都合がつかなくて取得できていないのですが、どんなに小さい人間でも、着実に進歩しているつもりです。書をとって勉強していますし、壁にぶち当たったら、努力の方向を見直すスキルは身についたような気がします。自分を俯瞰できる余裕が作れ、サラリーマン時代には治せなかった身体のガタつきを治す余裕もできました。

 「ブランク」と呼んで嫌気する人事もいるかもしれません。しかし、もしあのままサラリーマンとして走り続けていたら、介護できずに母親が早死にし、借金は膨らみ、総入れ歯になって、精神を害したままでしたでしょう。「ブランク」は必要で、今までの自分を省みる「人生の踊り場」は絶対に必要なのです。サラリーマンでいることが、本当に幸せなのか。いいかたを変えれば、サラリーマンになることだけが、必須不可分条件なのか。幸せって何だっけ、と思うたびに、立ち止まって考えることができるといいですね。特に、アラフォーになってからは。

(なに? 進歩せい? へえ……)

幸せって何だっけ

2010/08/28 13:58:00

 僕は、本当いうと、病気が良くなって、生活保護を脱せられるのであれば、勤め人になりたいんだよね。あるところに不採用になったからいうんじゃないけど、DTP元職として、応募時は相当自信があったんだよね。でも、近畿に住んで近畿から応募し、西白井(北総鉄道、千葉県白井市)の恩師宅に下宿して、家を見つけて、首都圏復帰する計画自体に無理があったのかもしれないね。

 会社を興すには、25%の自己資金が必要なんだよね。国費を借りて事業をしようとすると、25%の自己資金がいるんだよね。だから、種銭を稼がなきゃなんないんだよね。でも、兵庫県では、産業の地盤沈下が激しく、どこにも自分に合った職業が見つからないんだよね。40歳という年齢も敬遠されているのかもしれないね。だから不採用になったいま、すごく落ち込んでいるんだよね。今は、これといって取りえもないし、最新の技術が必ずしもキャッチアップできている訳でもなし。大学卒でもなし。

 黒く塗りつぶせ/矢沢永吉歌詞

 まあ、自律神経の薬を飲み、糖尿病の治療をし、そんなに身体が丈夫ではないのであれば、いっそのこと生涯にわたって生活保護や、厚生障害年金以外にないんじゃないかと思うのです。ハロワの求人を検索していて、ため息が出ました。年齢がいくと、よほど難しい産業か、よほど体力本願な仕事か、ど田舎しかないんだよね。考えると、思わずむなしく、悲しくなりました。

 社員にも社長にもなれずに、一生を終えるのか。伴侶も子どももなしに、一生を終えるのか。自動車も不動産も入手できずに、一生を終えるのか。自暴自棄になりそうなときもあります。あの分岐点で、もしも違う道を選択をしていたならば、まだ正社員でやっていけたのに……。職場が人間関係でギスギスしたところばかりで、過剰な適応努力をするあまり、精神的に追い詰められてきた経緯があって、どこの求人を見ても、ブラック企業なんじゃないかと、二の足を踏むのでありました。

 幸せって何だっけ。嫁をもらって子どもを作ることか。大枚はたいて不動産を買うことか。ディーラーに行って新車を買うことか。そうではないような気がする。平凡でも、生きてさえいれば、幸せな方向。少なくとも、これ以上不幸な方向には行かないような気がする。

 未来は有限です。印刷会社がつぶれて12年。糸の切れたたこのように、空をさまよい続ける。自分の明日がどこへゆくのかも分からない。上を見たらきりがない、下を見たらきりがない。そういい聞かせて、病気の療養に努めているところです。新しいことを覚える余裕などない。いまある病気を、1つ1つ解決していくしか余裕がないのです。

 生活保護は、正社員として就職できないと抜けられないという苦しみ。病気があって容易に働き始められない悲しみ。老いていく悲しみ。20歳のころ、帰郷といえば言葉はきれいだが、要は母親のいうなりに、自分から「左遷」したようなもの。経営者にも従業員にもなれない悲しみ。コンピュータ業界は、首都圏を離れると圧倒的に不利なことなど……。

 必要なんだよ/普天間かおり歌詞

 それでも、辛うじてホームレスにはなっていない。それを幸せと呼ぶことにしようか。国費で病気が治せる。それを幸せと呼ぶことにしようか。国費で、少ないながらも、三食、きちんきちんとご飯が食べられることを、幸せと呼ぼうか。幸せの閾値(しきいち)を下げることで、取りあえず満足しようか。そのへんの子ども以下の現金しか持ち合わせていなくても、毎日たばこが吸えなくても、取りあえず生きていることに感謝しようか。

 毎日毎日、煩悶(はんもん)で眠れない日々の中ではありますが……。午前3時。ああ、お腹が空いたなあ……。

 (最後に一言。僕は絶対に「自宅警備員」ではありません!! 念のため)

ルック・アジアにシフトしよう

2010/08/21 14:00:00

 よく、専門家が「欧米では……」「アメリカでは……」と言って、欧米がこうしているから、我々もそうするべきだ、という論調が多いです。でも、ギリシャ発のユーロ圏の大騒ぎを見ていても、欧米に学ぶことは少ないような気がします。日本発で、日本独自のアイデアを出し、アジアに学び、アジアマネーを呼び込む、そうした方が良さそうに思います。

■ルック・アメリカ型思考を卒業しよう

 1980年代、大学在学中から、第2外国語に中国語を選択した従兄は、いま上海で工場を構えて、順調良く(それでも厳しいらしい)事業を展開しているそうです。東南アジアにお客さんを抱えていて、LPガス消費量の見込める地域にガス設備を輸出するには、日本で組み立てるよりも、中国の方が都合がよいのでしょう。約30年先を見越した従兄のスキルビルドには、ある種の才能があるようです。ひらめきといいますか。中国が発展すると見込んで仕込んだ学問ならば、すごい先見性だと思います。

 ともすれば、うっかり忘れているかもしれないのですが、わたしたち日本人はアジア人でして、決して欧米人とイコールではないのです。近代化のために欧米を模倣する時代は終わりを告げ、これからはアジアと共に生き、アジアのために働き、アジアのために独自のアイデアを出す。そうして、アジア人マネーを日本の市場に取り込む。どうやら、それしか生き残る道はないようです。

■もう、追いつき、追い越したのだから

 ものづくりは、いまや中国一極集中です。世界の工場と呼ばれるまでに、経済が発展しました。情報技術は、ハードウェア機器はほとんど台湾、マレーシアなどですね。図面を日本で製図して、ものづくりそのものはアジアにやらせる。こうなると、アメリカばかりをお手本にする時代はすでに終わりを告げ、日本独自のアイデア、知恵、そして独創性が求められます。つまり、日本国の独創性を輸出する時代になったとも言えます。

 かつて日本人は、欧米に、追いつけと願い、追いつき、ついに追い越した。その先にあるものは、単純労働ではなく、オリジナリティあふれる、ものづくりのアイデアを創造することです。ものづくりは彼ら世界の工場たちに任せて、日本人に求められていることは、知財を作り出すこと。そのことが重要です。そして、中国の人たちが大もうけして、日本への旅行で、どんどん家電製品などにお金を投下してもらう。日本への投資で、どんどん不動産を買ってもらう。こんな経済のあり方があっても、この際いいんじゃないでしょうか。

■いまや日本製品は、世界の「高級舶来品」

 かつて、日本人が、フランス製やドイツ製などの「高級舶来品」を自慢して、そのデザインや機器の性能に学んだように、いま中国人たちが、日本製品を「高級舶来品」として信頼して買ってもらい、日本はおだやかな速度で潤っていく。低成長時代とは、こういうことを言うのでしょうね。知財を持っている人間が得をする。知財を持たない者は淘汰される。日本に生きる限り、知財で勝負、知恵で勝負しないといけなくなってきました。

 いま、台湾などの人たちが、たとえば菓子のパッケージに、あやふやな日本語を書いて、かっこいいデザインエレメンツにしている(柳沢有紀夫『日本語でどづぞ』中経文庫)ように、いま、日本は憧れの的なわけです。誤字だらけの「ふんだらかんだら」な日本語を載せていて、パッケージのデザインエレメンツにしているわけです。なぜって、格好いいから。

■ルック・アジア型にシフトしよう

 バブル期の日本だって、欧米にあこがれていて、「ふんだらかんだら」な、今考えると、爆笑モノの英語を商品のパッケージにあしらっていたそうです。なので、今や日本は、世界のお手本となるべき存在であり、製品には欧米をしのぐ独創性が求められますね。製品と言っても、何もコンピュータだけではなく、半導体からアニメ・マンガまでを含めてです。たとえば、フィリピンで、昔のアニメ『超電磁マシーン ボルテスV(ファイブ)』が、約30年後の現在、もてはやされているように。

 僕たちは、明治維新以来、ずっと欧米の方ばかり向いてきました。しかし、もう独自技術を蓄えている日本が、欧米に学ぶことは少ないでしょう。経済もしかりです。何でもかんでも自由にすればいいというものでもない。何でもかんでも欧米の言うなりになる必要もない。いかに、アジアの模範となるべき技術を売り出すか。「戦略的互恵関係」というのは、そういう意味も含んでいるのだと思います。

 (と、言いつつ、この年で中国語講座だけは勘弁な……)

快適、朝型生活のススメ!!

2010/08/14 14:00:00

 人間、眠らないとどうなるか。ずばり、神経症になります。もっと眠らないと、統合失調症になります。そうはひどくならなくても、睡眠障害、入眠障害になります。つまり、何らかのメンタル的ケアが必要になってきます。メンタルクリニック通いです。

 酷くなる前に、ここは勇気を出して、事前にメンタルクリニックの門をくぐりましょう。悪化しないうちに。鬱病になってからでは遅いので。また、不自然ないびきをかくこと(睡眠時無呼吸症候群)などにも対応したメンタルクリニックは、都会ならばいくらでもあります。

■快適、朝型生活のススメ!!

 例えば、ツイッターのやりすぎで、変な時間に寝落ちしたり、アニメの見過ぎで昼夜逆転したり、入らないアタマに無理矢理勉強を押し込もうとするなど。そんな時は、生活習慣の改善をいたしましょう。僕は、なるべく、午前5時に目覚めるようにしています。朝早く起きて、コラムの執筆や、資格勉強を朝にやるのです。運動に例えれば、早朝ランニングみたいなものですかね。今は、土曜日の朝4時にこのコラムを執筆しています。朝目覚めると気持ちがいいし、早朝なので、騒音など邪魔なものが一切ない、あっても、新聞店のバイクぐらいな状態なので、勉強や執筆にちょうどいいからです。

■夜型生活が、やがて精神病を招く

 あってはならないことですが、鬱病になった友人を知っています。最初はテニスをしたり、英語学習(彼は来阪して、努力して、なんとTOEICのスコア、900点満点を達成した)などでイキイキとして暮らしていましたが、悪辣な労働環境で、サーカディアンリズム(自然の生活リズム)を崩し、やがて鬱状態になり、さらに不運なことに、病院を転々としたために、鬱病が悪化し、今は、誰からのコンタクトも取らずに、名古屋近郊で、貝のように閉じこもっています。そして、極度な人間不信になって、拒食症になって、いまや、音信不通です。こうなってしまってからでは遅いのです。

■サル的生活のススメ

 まずは、健康的な職場選び。健康的な生活。充分な睡眠。そこの笑っているあなた。睡眠をあなどっていると、若いうちはいいですが、30歳を超えてからが、しんどくなりますので、できるだけ陽の当たる時間に起きて、陽の沈む時間に寝る。これが、サル的生活のススメです。そもそも、我々は元をただせばサルだったのですから、サルに習うことは大いにあります。ともすれば、我々は自分が生き物であることを忘れがちですが、我々は数多ある動植物の一種類に過ぎませんので、そこのところをお忘れなく。我々は生き物なのです。霊長類と言われるほど進化しているとはいえ、しょせん、一種のサルなのです。

■もし神経障害になったらどうするか

 まず、お気に入りのメンタルクリニックを見つけましょう。予約制の方が、逆に待ち時間が少なくて済みます。もし、神経障害で休職、退職しているのなら、市町村役場の健康福祉課か何かに、精神の自立支援医療の申し込みをすると、手帳がもらえる上に、病院代が、都道府県内であれば全額公費、隣接県であれば1割負担となります。ただし、精神障害者というレッテルは貼られますので、そこのところをどうするか。短期間で自らをリカバーできたら、手帳を作るまでもなく、健康保険でいいですし、あまりにも酷い状態になり、医療費がかさむ場合は、むしろ逆に、福祉の制度を積極的に利用するべきだと考えます(専門医にご相談下さい)。

■残業、徹夜続きのあなたへ

 冗談じゃねえ。こちとら、休憩、睡眠なしで働いているんだ! とおっしゃる向きもあろうかと思いますが、ここはいっちょ、リラックスする時間や機会を設けましょう。そもそもVDT(ビデオ・ディスプレイ・ターミナル)作業は、45分やって、15分目や手を休めるもの。年がら年中、連続でやるものではありません。作業には、目立たないような、小休止を入れましょう。

 まずは、指のストレッチ。机の角に指先を置いて、手の指を軽く反らせる運動を、アキレス腱を伸ばすようなリズムでやってください。これは、腱鞘炎の予防にもなります。病院で教えてもらいました。また、頸椎をいたわるために、首の回転運動をするのも良いでしょう。ゆっくりと10数えて回し、またゆっくりと10数えて反対側に回し……。これだけでも随分違います。また、肩こりを取ると同時に、首筋の頭側の付け根。ここを親指で押すと、じーんと痛いのがわかります。痛いスポットをゆっくり押すと、こりが取れて行くのがわかります。

 僕みたいに、頸椎捻挫なんかになって、首を通る神経を圧迫され、常にSG配合顆粒(セデス・ハイ)頼みの生活と、普通の健康な生活、どちらがいいと思いますか。頸椎捻挫になる前に、手を打ちましょう。お金があれば、ソフトな方のカイロプラクティックがオススメですが、なかなか身銭を切るのがしんどいのが、今の世の中です。5000円で何が買えますか。

 と、いうわけで、快適、朝型生活のススメ!! でした。

(とはいえ、ワールドカップでは夜型でした……)

校舎の外の世界では

2010/08/07 14:00:00

 みなさん、熱中症対策は万全ですか? 兵庫県阪神地域では、午前2時をまわっても、なんと外気温が27度と高止まり。塩水とエアコンで何とかする。ひたすら何とかする。そういう感じです。「けいおん!!」の、放課後ティータイムの音楽を、携帯にダウンロードして、リピートして聴いています。僕は澪ちゃんがタイプなので(聞いてない)、NO, Thank You! (歌詞)を無限リピートしています。熱中症は、部屋の中にいてもなるものなので、塩分と水分を携えて、まずは、若いうちに、最低限、死なないようにしましょうね。

 工業高校生は、職の善し悪しはともかく、ある面、就職、つまり求人の数だけは恵まれています。有効求人倍率は、工業高校に限っては、なんと6倍近くあるのです。ただ、ピンからキリまでを含んでいますので、その中から好ましいところをチョイスするわけです。が、校舎の外の世界では、新卒が就職できない。企業の大多数に、人材の余り感があって、なかなか就職することができない15~24歳の人々が多いのです。求人が入れ食い状態の工業高校とは大きな違いがありますね。

■校舎の外の世界では

 朝日新聞/大卒就職率60.8% 8万7千人が進学も就職もせず
 ロイター/過剰感根強い雇用情勢、生産鈍化で回復遅れるリスクも 
 ロイター/デフレ脱却の後ずれ観測浮上、原油価格調整や円高で不透明感

 人余り感が根強い雇用情勢、デフレ脱却の鈍化。こうした環境が企業を取り巻いています。デフレになると、価格を下げろというコストダウンの要望が強くなるので、製品は値下げをしないと売れない。売れないので、コストダウンのためにリストラをやると、より購買力が損なわれ、価格を下げろというコストダウンの要望が強くなるので……といった繰り返しになるのです。いうまでもなく、デフレスパイラルですね。大人たちはまだ、こういったことにこだわって、人を雇おうかどうしようか、迷っているのです。

■輸出企業にとって、円高はデメリットだけど

 もともと、製造業にとって、円高はメリットでもあるはずなのです。原材料、資源などを、円高のチカラで安く調達できるという、原材料輸入のコストダウンができるとは思うのです。ただ、すでに、バブル期に人材を(僕ら世代を)たくさん抱え込んでしまった企業は、人減らしの圧力を高めています。企業の本音は、若い人材を入れて、何かとコストがかかる、アラフォー世代を減らしたい……。そういう意図が見て取れます。しかし、体力のない企業では、若い子を採用するのにも消極的になって、人材をえり好みしてしまっています。

 採用される方も「内定ブルー」という言葉に象徴されるように、企業をえり好んでいる傾向はまあ致し方ありません。どこがブラックだ、どこがやばい企業か、といって、選択眼だけは非常に肥えているのです。えり好みする人事と、えり好みする新卒者。まあ、お互い様といったところなわけですが。お粗末な大学へ行って勉強して卒業して就職できないか、逆に、引く手あまたの工業高校で就職し、勤めながら社会人大学へ通うか……。

■不安がることはありません、大丈夫!

 もっぱら淘汰されていくのは、即戦力たり得ないアラフォー世代でありまして、若い人材は、工業高校においては引く手あまたです。自分の可能性を信じて、この前言った「売り(自分の持ち味)」と、「必殺技(スキル)」を、それぞれ用意しておきましょう。

 そうして、工業高校が用意した検定のみならず、自分にできるだけ投資しましょう。そこで、意味もない資格を取っても無用の長物なので、できるだけ実務に即した資格を取りましょう。工業科の先生や、入った先の上司に相談してもいいと思います。「僕、資格は何取ったらいいんですか」ってな具合に。

 明日は少しマシになる。それだけでじゅうぶんです。先輩のいう事は従って、身につけて、やがて自律的に仕事ができるようになれば一人前。キャッチして、飲み込んで、ぶわっと活躍する。それには少なくとも3年はかかります。最初から、オレ様的な態度ではダメですよ。

 あと、大企業に入って「大きな機械の中の小さな歯車」になるか、裁量権の与えられた中小企業で「オールラウンドプレイヤー」になって、技術者として安穏としているばかりでなく、自分で仕事を取ってくる、ぐらいの勢いで会社を盛り立て、やがてスピンアウトするか。ずーっと安穏としていたければ、いっそのこと、公務員を目指した方がいいわけでして、普通の企業に就職するのであれば、俺が仕事をやる!! この会社の守護者になる!! といった感じで、ちょっと昔にサッカーで活躍した、GKの川口能活ぐらいの気迫が欲しいものですね。まあ、すぐにとはいいませんが……。

 (え? 自分の心配をしろ? 起業する種銭がないのです)

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コラムニスト プロフィール

田所憲雄
千葉県立千葉工業高等学校情報技術科→兵庫県立青雲高等学校→ポリテクセンター兵庫→放送大学(ベンチャー企業論)を経て、インフラ系システムエンジニア。大阪商工会議所個人特別会員(~2009年度)、尼崎商工会議所個人特別会員(2010年度~)。如月製作所代表

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