筆者は1970年生まれ。先輩から、情報技術者を目指す若い方へ生きてゆくためのコラムです。

間違いだらけの花粉症対策

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 花粉症の民間療法が進んでいるようですが、アレルギー歴34年の僕から見たら、ちゃんちゃらおかしい方法が用いられて来ているようです。ここでは、本格的なアレルギーの治し方を、経験をもとにお知らせします。やれ、整体に行けば治るだとか、しそジュースを飲んで治るとか、鼻の周りに塗る軟膏で治るとかじゃなしに、本格的なアレルギー治療をお知らせいたします。なお、僕は医者じゃないので、文責は負いかねますが、すぱっと治った一例としてご紹介します。

■まず、内科でIgEスコアを測ろう

 IgE(アイジーイー)抗体というのは、免疫が「敵」と判断したモノに対して、それをやっつけようとする抗体のことです。この抗体が厄介なのは、自分の細胞自身も攻撃してしまうところにあります。自分自身の「肥満細胞」(太っている人にだけあるとは限らない)というのを攻撃すると、そこからアレルギー物質が発生します。これがヒスタミンであって、これを予防するのが、抗ヒスタミン剤ということになります。

 病院へ行って、花粉症の検査をしてもらいましょう。IgE抗体の測定には、RIST値とRAST値があります。前者は、何種類か選んだ個々のアレルギー物質に対してそのあるなしを見極めるものです。後者は、全部でどれぐらいの抗体があるのか(アレルギー物質にどれだけ過敏か)を測ります。これは、少量の採血で、数日待てば、簡単に分かるものです。病院で検査結果が書かれた、患者用の紙をくれるはずです(くれなければ要求しましょう)。

 普通の人の場合、IgE(RAST)スコアは、多くても90程度です。これが、花粉症になると、この値が300近くにのぼります。そして、僕の場合は、普通の花粉症の7倍、約2100ぐらいあるのです。年がら年中、花粉症シーズンのなかにいるようなものです。僕は、なす、さば、たけのこが食べられません。また、イブプロフェンが入った頭痛薬もダメです。

■現在は良い検査技術やお薬が

 40年前、気管支ぜんそくは、乾布摩擦などの「気合い」や「根性」で治すものでした。当時は、「テオナP」という、現在では心臓に悪いとして発売禁止になった気管支拡張剤があった頃です(現在、徐放剤としての「テオドール」ならば現在でもOKです)。40年後の現在、アレルギーの原因物質(RIST)を確かめ、総量(RAST)を確かめ、医師の指導に従います。食べてはいけないもの(さば、たけのこなど)、吸い込んではいけないもの(そばがら、ハウスダスト、ダニのふんなど)を避けます。

 アレルギーは皮膚や粘膜の弱いところに出るわけでして、鼻粘膜や眼の粘膜にアレルギーが出れば花粉症。肺の粘膜に出れば気管支ぜんそく。皮膚に出ればジンマシンと、アレルギーが出てくる場所に応じて呼び名は変わりますが、おおむね発症の機序は似通っていると思います。

 僕は、個人的に、シェリングプラウの「セレスタミン」「ポララミン」を使っています。今ではほとんど出ることのなくなったぜんそくのために、アステラス製薬(旧藤沢製薬)の「ストメリンD」という吸入薬を使っています。大塚製薬の「メプチン」という吸入薬も、ゆっくりと効くには効くのですが、今すぐすぱっと症状を治めたい時には、前述のお薬を使います。

■風邪をひいたら医者へ行け

 中には、風邪をひいても、土曜日に医者に行かない人がいます。そして、周囲にまき散らす人が多くいることに閉口します。その近辺で、息すらしたくありません。電車やバスの中ならば、尚更最悪です。お前ねえ、そんなに風邪ならば、レジャーや買い物よりも医者を優先しろよ、と言いたい気分で充満しています。そんなとき僕は、予防用にもらっている「クラリスロマイシン」や「ジスロマック」を飲むのでありました。医者嫌いって本当にいるんですね。驚きました。否応なく注射されるとでも思っているのでしょうか。

 やれやれ。

(今週も、思索と模索は続く……)

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