「生活イチバン、ITニバン」という視点で、自分なりのITを追及するフリーエンジニアです。ストレスを減らすIT、心身ともにラクチンにしてくれるITとはどんなものかを考えていきます。

部屋を広くするIT、鞄の中身を減らすIT

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■この時期よく耳にする3文字省略語

 エンジニアという生き物は3文字の省略語が好きなことで有名だが、私もやはりご多分に漏れず大好きだ。そんな我が家で毎年、年末が近づくこの時期に連呼される3文字省略語が『断捨離』だ。

 アルファベットでなく漢字3文字というところが日本人っぽいが...

■ITで部屋は広くなる

 数年に渡る断捨離の効果で、我が家のクローゼット、タンス、本棚などは年々モノが減って整理されてきている。ダイエットと一緒で、入ってくるモノより出ていくモノの方が多ければ自然と部屋はスッキリとしてくるものなのだ。

 ところで、部屋をシンプルに保つとこについてITが果たしている役割は想像以上に大きい。

 例えば我が家の場合、ここ数年、物質的な実体を伴った本やCDやDVDやゲームパッケージなどを買うことが激減した。本は電子書籍。音楽や映画はiTunes。ゲームはスマートフォンのアプリをダウンロードするだけでほとんど済んでしまう。これらのモノが減ったことにより、壁一面、背丈ほどもあった組み立て式の棚の高さを約半分の高さにまで下げることに成功した。

 つまり、ITのおかげで入ってくるモノが圧倒的に減少しているということだ。

 クラウドによって、企業システムは『所有から利用への転換』が進むという話をよく聞くが、一般家庭においては『所有のカタチの変化』が進行しているといえるだろう。

■次は鞄の中身が減るITが欲しい

 しかし現状では、ITはまだ持ち歩くモノをシンプルにはしてくれていない。ウェアラブルも含む各種モバイルデバイスと、それらの予備バッテリーで鞄はパンパン。銀行カード、クレジットカード、ポイントカードで財布はパンパン。

 シンプルどころか、ITのおかげで持ち歩くガジェットが増えてしまっている。そろそろこの状況を改善すべきではないだろうか?

 と思っていたら、入力デバイスとしては米モトローラが電子タトゥーの特許を申請した。出力デバイスとしてはGoogleのセルジオ・サルバドール氏が「Capacity Asia 2013」で眼球インプラントというビジョンを語った。そして米国では複数のクレジットカードを1枚にまとめるCoinの予約受付が開始された。

 こういったニュースは、われわれの持ち物がシンプルになる可能性を示している。

 スマートフォンが流行ればスマートフォンで何ができるか、タブレットができればタブレットで何ができるか、そういうところから思考をスタートさせてしまい勝ちだ。

 しかし、われわれはエンジニアである前に、生活者なのだ。思考のスタートは、やはり生活であるべきだろう。

 自戒も込めて。

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