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お客様から信頼される人材になる(前編)

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 今回から前編・後編に分けて「お客様から信頼される人材」となるために必要な要素とステップアップの仕方について考えてみたいと思います。

■ 「お客様から信頼される人材」のイメージ

 皆さんの考える「お客様から信頼される人材」というのはどのような人材でしょうか?

 わたしは「お客様から信頼される人材」とは、独力で業務を遂行することができる専門スキル・知識を有し、それらをお客様の視点に立って活用するためのヒューマンスキルや視点・考え方を兼ね備え、お客様が満足する品質を提供できる人だと思います。

 もう少し具体的に表現すると、以下のようなことが実現できている人だと思います。

  • お客様が満足できる品質を提供できる
  • 課題に対する解決策を提案し、自らが率先して解決できる
  • ITのことをお客様が理解しやすい形で伝えることができる
  • ミーティングをリードすることができる
  • チームを率いて業務を円滑に遂行することができる
  • 自己管理ができる

 これまでわたしが出会い、「この人はお客様から信頼されているな」「この人は信頼できるな」と感じた人達は、おおむね上記に挙げたようなことができており、お客様や社内のメンバーと良好な関係が築けていました。

 ではどのようなことを意識し、身につけて行けば「お客様から信頼される人材」になれるのでしょうか? 具体的に考えて行きたいと思います。

■ 「お客様から信頼される人材」に求められる9つの要素

 まず最初に「お客様から信頼される人材」に必要な要素について考えてみたいと思います。

 皆さんそれぞれ、いろいろな意見があるとは思いますが、わたしは少なくとも以下の9つの要素が必要だと考えています。

  1. 「独力で業務ができる専門スキルと知識」
  2. 「ITのことを分かりやすく伝える能力」
  3. 「お客様視点で物事を考えることができる」
  4. 「適切なタイミングでプロセスを可視化できる」
  5. 「2カ月先までを想定した行動が取れる」
  6. 「何をすべきかを能動的に考えて行動する」
  7. 「相手との関係を意識した適切なコミュニケーション」
  8. 「体調と時間の自己管理ができる」
  9. 「レスポンスの速さ」

 IT人材は勉強熱心な人が多いので「独力で業務ができる専門スキルと知識」を有している人が数多くいると思います。しかしながら、その専門スキル・知識をお客様の視点に立って活用するためのヒューマン系スキルや視点・考え方を兼ね備えている人となるとその数は極端に少なくなると思います。

 わたしもエンジニア時代は専門スキル・知識をひたすら高めていけば、人材価値が上がり、評価もされると考えていました。もちろん、会社や職種によってはそのような環境もあるのかもしれません。しかしながら一般的には年齢が上がるにつれてIT人材に求められて来るのは専門スキル・知識のほかに職責や年齢に応じたヒューマン系スキルや視点・考え方を兼ね備えていることだと思います。これらが兼ね備わっていなければお客様に本当の意味での付加価値は提供できないからです。

 では、これらの要素はどのようにして身に付けて行けば良いのか? ということですが、わたしはいくつかの段階に分けてステップアップしていく方式がいいと考えています。

■3ステップで段階的に「お客様から信頼される人材」を目指す

 今回は以下のような人をモデルケースにステップアップの仕方について考えてみたいと思います。

  • 「独力で業務ができる専門スキル・知識」を有している
  • これまであまりヒューマン系スキルや視点・考え方を意識してこなかった
  • お客様と接する機会はあるが、信頼関係が構築できていないと感じる

 上記のような人が「お客様から信頼される人材」へとステップアップをしていくためには、3つの段階があるとわたしは考えています(図1)。

図1:「お客様から信頼される人材」になるためのアプローチ

 

C2_how2approach

 

 3つの段階に分けているのは、先に挙げた9つの要素は“意識をすれば短期間で身につくもの”と“学習と実務経験を積み重ねながら身につけていくもの”に分かれるからです。今回ご紹介するアプローチでは、第1段階で“意識をすれば短期間で身につくもの”を習得し、第2、第3段階で“学習と実務経験を積み重ねながら身につけていくもの”を習得して行きます。

 それでは、各段階で習得すべき内容について整理をして行きたいと思います。

■ まず最初は“信頼される人材になるための土台作り”

 第1段階では、信頼される人材になるためのベースを確立します。この段階では「独力で業務ができる専門スキルと知識」「レスポンスの速さ」「体調と時間の自己管理」の3つの要素を習得していきます。

 なぜ「レスポンスの速さ」と「体調と時間の自己管理」を最初に身につけるのかというと、これらは意識を変えれば比較的短期間で効果が現れ、仕事面での評価につながるからです。

 「レスポンスの速さ」は他人との差別化を図る上で重要な武器の1つです。スキルが同等でもレスポンスの差で評価が1ランク以上違う、ということは皆さんの周囲でもよくあることではないでしょうか?

 レスポンスが早いと相手に対する信頼感が高まり、遅いと不信感が高まります。特に相手との信頼関係をこれから構築していく時や緊急時には「レスポンスの速さ」はとても重要です。

 つい最近のことですが、新しいオフィスの候補物件を探すべく数社の不動産会社と接する機会がありました。どの会社も初めて接する会社でしたが、そのうちの1社の担当者のレスポンスの速さと顧客への配慮は飛び抜けていました。その担当者と接した社員は皆一様に彼を高く評価し、自然とその会社1社に絞り込んで物件を絞り込むことになりました。このようにレスポンスの速さと顧客への配慮という点が他者との大きな差別化ポイントとなり、お客様から高い信頼を獲得しているケースは世の中に数多く存在します。

 「体調と時間の自己管理」は、できる/できないで大きな差につながります。特に30代に入ってからの体調管理は仕事のパフォーマンスを一定水準以上に保つ上でとても重要です。わたしはコンサルタントに転身してからこのことを特に痛感し、体力づくりや睡眠、整体通いなどをして体調を整えるように意識をしています。体調管理は少し意識を高く持ち、行動につなげることで誰でも改善できると思います。プロジェクトの重要な局面で休んだり体調不良を起こしたりすると、お客様だけでなく社内のメンバーにも迷惑をかけることになり、ひいては信頼も失うことになるので、“仕事の重要な局面に万全な状態で臨む体調管理”は必要不可欠です

 時間管理も、ビジネスマンとしてステップアップしていく上で必要不可欠なスキルです。まず身につけるべきは複数の仕事をスケジュール通りに進めることができるスキルと仕事全体を重要度や時間などの軸で仕分けして、優先度の高い順に効率的に仕事を進めていくスキルです。そして、最終的には“スキル生産性”を意識して仕事の内容と時間を管理するスキルが求められると思います。

 第1段階で挙げた3つの要素の1つひとつは基本的なものかもしれませんが、3つの要素すべてを身につけることにより、「お客様から信頼される人材」へ向けての土台となります。

 次回の後編では「お客様から信頼される人材」に向けて、第2段階、第3段階でどのような点を強化していくべきかを考えていきたいと思います。

Comment(3)

コメント

この業界の、安く人を買い叩く慣習をどう思いますか?

コメント有難うございます。

買い叩く方、買い叩かれる方の双方に
それぞれ問題があると私は思います。

買い叩く方の問題としては会社の体質なども
もちろんありますが、根本的には以下のような
点が問題なんだと思います。

・適正な価格で仕事を受注できる能力がない
・IT人材のスキル・経験に見合った適正価格を算出できない
・業務委託先を「単なる下請け」としか見ていない

買い叩かれる方の問題としては以下のような点が
挙げられると思います。

・他社(または他者)との差別化要素がない
・不適正な価格でも仕事を受注してしまう
・仕事の「パートナー」ではなく、「単なる下請け」
 として見られてしまう

私は色々な方とプロジェクトをしてきましたが、依頼者から
「パートナー」として見られている会社/個人は買い叩かれて
いませんし、そうした会社/個人は不適正な価格での仕事は
よっぽどの事がない限りは断っています。

現在の悪しき慣習を変えていくためには、買い叩く方の
意識改革/能力向上を待つよりも買い叩かれる方が
「パートナー」として見られるように他社(他者)との
差別化要素を確立して適正価格で受注できるようになる
努力をする方が早いように感じます。

たかし 

大宮の規模の小さい会社に6月に是非にと問われ、契約社員で7月に入社しましたが、労働条件通知書書類ももらえなく、みずほ情報総研の一次請企業の傘下に出向しました。西葛西と遠いこともあり、向こうは派遣、こちらは請負と契約内容が違うこともあり、クレームを出され、集中力がなくなり、貸与机の鍵を紛失し、、進捗も周りより遅れ、報告連絡相談も自社社長や案件紹介者に遅れ、ビジネスマナーや相手を思う気持ちがなってないと長時間説教をくらい、勘違いされ、なぜか、経営者からも自主都合退職させられました。案件に本年8月に1か月いった意味が見出せないです。後輩はいっています。問題がなかったので、
それまでは、大手企業常駐の技術者
フォローや進捗管理補佐や、サブリーダーや上の補佐をしておりました。
もう忘れて、前向きに転職活動し、やっと社員を大事にするベンチャー企業の若い人事担当者女性に最近出会えました。
苦労や遠回りはこの業界はすると自分自身が伸びますが苦しむのは、立場が弱い会社で請負させられた場合すね。次の案件を決め、前を反面教師にして、邁進するのみかなと。思います。

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