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第607回 人格を考える

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 こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。

 7つの習慣では人格を成長させることが大きな目的となっています。人格にはレベルがあり、このレベルの高さが人格の成長度合いを表します。この人格という言葉ですが、少し曖昧に感じる部分もあります。そこで、今回は人格を私なりの解釈で捉えてみました。

■人格とは

 人格をWikipediaで調べてみると、このように書かれていました。

人格(じんかく)は、個人の心理面での特性。人柄。または人間の人としての主体。(中略)発達心理学、教育学においては、人間の成長の過程において形成されていくものとみなされることが多い。(Wikipediaより)

 難しい解釈はさておき、人格はその人の特性を表すモノであり、心理学ではパーソナリティという表現で呼ばれています。また、「人間の成長の過程において形成されていくものとみなされてることが多い」とあるように、7つの習慣では人格は成長すると謳っています。

■人格の3段階

 7つの習慣では人格を以下の3つの段階に分けて捉えています。

依存:他者に寄りかかろうとする段階
自立:自らで成そうとする段階
相互依存:自立している人同士が互いに高め合おうとする段階

 この3つの段階は人格の成長の過程で起こるため、別に依存の状態が悪いということではありません。実際に小さなお子さんなどは親御さんに依存しなければ生きていませんよね。問題なのは依存の状態で留まり続けることです。

 一般的に人格は依存から自立、自立から相互依存のように年齢を重ねる毎に自然と成長していくモノですが、その成長がストップしてしまうことがあり、それが問題なのだと思います。

■人格を3層構造で捉えてみると

 それでは、人格をもう少し掘り下げてみようと思います。今回は私が提唱している3層構造モデルで人格を捉えてみます。

 3層構造モデルの詳細は別のコラムで紹介していますが、人間の行動を3つの層に分けて捉えることで物事の本質をつかみやすくするモデルです。

1層:事柄の層。この層にはその人に起こった出来事が含まれる
2層: の層。この層は1層の出来事に対して、その人が感じ、考えたことが含まれる
3層:行動の層。この層は2層で感じ、考えたことに対して、その人が何をしたか、その行動が含まれる

 例えば、仕事で失敗したとします。これを3層構造に当てはめるとこうなりますね。

1層(事柄の層):仕事で失敗した
2層(心 の層):失敗したのは一緒に仕事をしていた彼のせいだ!
3層(行動の層):彼に文句を言いに行こう!

こんな感じですね。これが人格とどう絡んでくるのか? ですが、実は人格というのは2層である心の層のことだと私は考えています。言い方を変えるならば、1層である事柄の層に対し、その人が何を感じ、考えたか、その感じ方、考え方がその人の人格なのです。

 つまり、1層に対する2層の捉え方こそが人格なのです。先ほどの例では2層で「彼のせいだ!」と言っていますが、このように責任を「誰々のせい」と捉えてしまうことが依存の考え方です。これが、

1層(事柄の層):仕事で失敗した
2層(心 の層):失敗したのは自分のやり方に問題があったからだ
3層(行動の層):自分のやり方を見直そう

のように失敗した責任を自分事として捉えることができれば、それは自立した人格になりますし、

1層(事柄の層):仕事で失敗した
2層(心 の層):この失敗が繰り返されないように、同じ失敗をした人と対策を考えたい
3層(行動の層):失敗を繰り返さない仕組みをつくり上げる

となれば、自らが失敗していることを自覚した上で、その上でより良い状態を作ろうとするため、これは相互依存の人格になります。

 このように、人格というのは1層に対する2層の捉え方と表現できるのです。

■人格を意識しよう

 どうやって人格を育てていけば良いかは7つの習慣本編に譲るとして、人格というモノが事柄に対する私たちの捉え方だと分かってくれば、自分の人格がどういう状態になるのかが見えてきます。

「誰々のせいだ」って言ってしまっていたなぁ

のように振り返ることで、自分には依存の人格になっていたことが分かります。このようにして自分で自分の人格を意識することができるようになってくれば、後は7つの習慣を実践することで、人格を自立、相互依存と高めていくことができるのではないかと思います。

 人格を高めていくことは効果性の高い人生を送るために必要不可欠です。ご興味のある方はご自身の人格を意識する所から始めてみませんか!

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