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「不謹慎だ」という風潮に負けず「くだらないこと」を言って笑おう

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 先日、とあるラジオ番組でタレントの伊集院光さんの話していた言葉に、とても感動しました。自身の番組が、地震関連情報のニュースのために休止となった際に、普段のリスナーに向けて語ったのが経緯です。以下に、その言葉を書き起こします。

 “僕の個人の考えを1つ、言わせてもらいます。明日のためにいろんなことを考えるのはすごく大事です。すごく大事なんですけども、考えて、考えて、考え疲れちゃって、悲しいこととか怖いこととか真っ黒いことしか思いつかなくなっちゃったときは、本当に「くだらないこと」を考えてください。ビックリするくらい「くだらないこと」を考えて、全部過ぎ去った後に「あ、伊集院、こんなこと考えちゃったんだよ」みたいな話を聞かせてください。そういう「くだらないこと」で心から笑える日が来ることを祈っております。”

 あくまで個人的な主観で変なことを吹聴するつもりではありませんが、なんとなく、地震後の世の中として「笑い」「笑う」ということに対して否定的な空気が流れている気がします。それこそ、ただの何気ない一言が「不謹慎だ」と怒られてしまうことも多くなってきている気がします(僕はその空気が耐えられず、Twitterを退会してしまいました……)。

 しかし、前回の記事でも書きましたが、被災しなかった方々は、いつもどおり働いて社会貢献をすることがミッションだと思います。いつもどおり働く上で「笑い」を拒否していては、生産性の低下にも繋がるのではないでしょうか。

 何が不謹慎で何が不謹慎ではないか、その境界線は人それぞれかもしれません。被災した方々をバカにするようなことは、誰が見ても「不謹慎」です。ですが、「ちょっとしたダジャレ(オヤジギャグ)を言うこと」「テレビでアニメを放送すること」「近所を散歩すること」「おやつを食べること」までが不謹慎なのでしょうか。

 別に「不謹慎」だと言われないかもしれませんが、言う側自身が「不謹慎かなあ……」と思ってしまって何も言えなくなる(何もできなくなる)、ということもあるかもしれません(実際、あちらこちらで「地震による国内事情を考慮して」という理由で、イベントやWebサイトの更新などが休止されています)。

 個人的に、そのような「不謹慎」と言われそうな風潮はなくなって欲しいと思いますし、その風潮に負けないで「くだらないこと」を言うべきだと思います。出社してすぐに黙々とPCで仕事をする(たまに地震関連のニュースをチェックする)、そして、仕事が終わったら直ちに退社。こんなのでいいのかな、という感じはあります。僕のように、自分も身内も被災していないのにニュースを見ただけで気持ちをおかしくしてしまっている方や、そのような方が社内にいらっしゃるのであれば、朝から「くだらないこと」を雑談してみるのはいかがでしょうか。グレーゾーンな不謹慎ネタも、個人的にはアリだと思っています。

 また、テレビの方でもバラエティ番組の休止が解除されつつあるようです。大変すばらしいことだと思います。「この時期にお笑い番組なんて不謹慎だ」というクレームもあるかもしれませんが、いつもの生活に徐々に戻すためには必要なことですし、笑いは明日への糧ですから。こういうときだからこそ「くだらないこと」の笑いが必要なのではないでしょうか。

 僕自身も、世の中が「くだらないこと」に対して、遠慮せずに笑える日が来ることを祈っております。

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参考文献

『不謹慎』とは何か。(おちまさと オフィシャルブログ)

不謹慎・自粛ムードに対する反論(アゴラ)

東日本大震災で『ユーモア』が許されないこの緊張状態は危険(アゴラ)

Comment(3)

コメント

楽人

不謹慎という風潮、あると思います。特にtwitterでは拡散によって言葉の「威力」が手に負えないほどになっている節があります。
なのでそう言われてもいいように、私見を持つことが大事だと思っています(何事もそうだといえばそうなのですが)。
例えばどうにもならないこと、どうにかなりそうな時、どうにかなってしまいそうな場合以外はいいんじゃないかと個人的に思います。

共に悲しんで、共に助け合う。
それも大事ですが、彼らがいた日常、彼らが帰ってくるべき日常を維持し、守っていくのは
被害が少ない、もしくは被災してない私たちのような人たちの役割だと思っています。もちろん、助けが必要な方に目を向けながら。

謹慎して美味しいものも食べず、
その分全額義捐金に回すというならともかく。

お互いに幸せになることの足の引張りあいをしていても、
だれも何の得もしません。

一人一人ができることをするしかない。
そのできることには、明るくふるまうことも含まれていると思うのですが。

地震以来、外国のニュースで日本人のマナーが絶賛されていて、
かなり誇らしく思っていたのですが、
そのマナーというのが裏から見ればこういうプレッシャーをかけあう国民性のせいもあるということです。

まあ何事も、360度どこから見ても誇らしい、ということはないものですけどね。

JM6

笑いはストレスに対する最高の薬です。
テレビやネットで悲惨な光景見て落ち込んでる人だけでなく、むしろ被災者の方々にこそ笑いを届けるべきだと思います。

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