いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

エンジニアにどこまで何を求めるんだ

»

エンジニアは万能ではない

 エンジニアとい立場というのは、いろいろと求められるものが多い。単にプログラムができれば業務アプリが作れるかといえば、そうでもない。高性能なソフトを作ろうと思えば、ITのスキル、プラス専門知識が必要だ。

 個人的な考えから述べると、エンジニアはストイックな人向けの仕事だと思う。求められる専門性が高いので、自分で求めなければ、業務で使用でききるレベルの技術を維持できない。何らか継続的に努力できる人でなければ、エンジニアは務まらない。

 そんな風潮もあってか、エンジニアのスキルは高ければ高いほど良い。という考え方が一般的だ。ここまでは誰も疑わないだろう。しかし実際は、コーディングもサーバの保守もできて、お客さんとの信頼も厚く、自分で仕事を取ってこれる。そういう、冗談も休み休み言えというレベルの要求を真顔で突きつけてくる。

 エンジニアは能力を高めてこそと思うが、流石にそのレベルを求めるのは無茶があるだろう。また、求められるからといって、安易にそのレベルを目指すのもどうかと思う。無茶なものは無茶だ。気づいた時点で振り返るべきだ。

能力の限界を知ろう

 自己啓発なんてやると、「自分の限界を自分で決めるな」なんて話をよく聞く。あー、大和魂が発酵して香ばしくなったご老人方がこういう考え方大好きだよね。それを聞きながら、「あ、俺できるんだ!」なんて奮起する若者なんて、ご老人方に大うけだ。

 だが、この考え方は真っ向から否定したい。自分の限界を知ってこそだろ。自分の限界は、きちんとデータを取って明確にしよう。そこのラインを見定めて、どうやって超えるか必死に考えよう。

 やみくもに努力しても結果なんて得られない。得たいものははっきりさせよう。超えたい目標は具体的にしよう。何より、できない目標に熱くなるより、手の届く目標を淡々とクリアしていこう。その方が現実的だ。

 大義名分を追っかける方がカッコいい。甲子園とかオリンピックとか、最たるものだろう。だが、万人がそれを目指す必要は無い。同じように、エンジニアだからと言って、万能を目指す必要は無い。できることを淡々とやっていけばよいのだ。

なぜ万能エンジニアが求められるか

 なぜエンジニアというのは万能を求められるのだろうか。答えは簡単だ。求める人が何も考えていないからだ。現実が見えないと、欲望が際限なく膨らんでいく。万能を求められるのは、膨らんだ欲望をぶちまけられてるだけだ。

 これがエンジニアでなく女性だったら簡単に分かると思う。美人で優しくて、料理が上手くて上品。スタイルが良くて、程よく甘えてくれて、話していて話題が豊富で楽しい。・・・そんな女性、世界にどれだけいるんだよ。私の知るところで、エンジニアライフの編集者さんくらいだ。

 これに対しての答も簡単だ。「お前はそこまで求められる程、スペック高くないだろ!」この一言で説明がつく。求めるものに対して、自分の力量が釣り合っていない。そりゃ、求めても得られることは無いだろう。

 現実が見えず、無茶な要求をする人の絵空事を真に受けても利益はない。ましてや、そんな絵空事を目標に掲げても無茶がある。そもそも、そんな超人が求められている状況というだけで、終わってはいないだろうか。

押し付けられた理想は振り払おう

 何かを作り出すというのは、どうしても博打的な要素がある。一定のお金を払えば、確実に何かを手にできるというものではない。私達は、未知というものに対しての取り組み方を間違えているように思う。

 未知というものに対して、いくら準備をしても足りない。ここらへんをしっかりと押さえていないから、エンジニアは無制限に色々な分野の能力を求められる。エンジニアはエンジニアで、どういうスキルが必要なのか見失い、果てしなく高い目標を掲げて疲弊する。

 ただ、未知に対しては意外と簡単な方法で対応できる。最初にプランを固めるのを止めればいいのだ。最初に全部道筋を引かなくても、実行しながら考える手法もある。とりあえず、やれるところまでやって、後から考える手法もある。意外と色々な手法があるものだ。ただ、これらは試してみないと分からない。

 分からないものに対して計画を立てるほど無謀なことはない。これをベストな手法だと信じて疑わないから苦労する。それが現代の日本人だ。いちいち他人の尺度でスキルアップを図る必要もない。スキルアップくらい、好きなやり方で好きなようにやればいい。そういう人の方が、最終的に伸び幅が大きい。

Comment(3)

コメント

Tomo

フルスタックなエンジニアになるため、自分の専門外の技術も知識も勉強しているけど、だからといってそれを仕事に求められてもなーという思いはある。
そもそも給料や待遇に釣り合わないから・・。

仲澤@失業者

あぁ、大昔は憧れてましたね「ハードもできるソフト屋」ってのに。C-BUS用のI/O基板も何種類か作りました。
今はFPGA化してるので、ソフト屋も手が出しやすいはずなんですが、ソフト専門になっちゃいました。それも「UI屋」。「DB屋(データベース)」や「板屋(Webページ)」にはあまりあこがれがなくて、手を出しませんでしたねぇ。

lav

その美人なエンジニアライフの編集者について詳しく話を聞きたい。
ちょっと署までご同行を

コメントを投稿する