いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

かっこいいエンジニア

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■年末に見た職人特番

 ふと、年末に見たテレビを思い出した。番組名は忘れたが、いろんな職人さんが出ていた。金槌一つでハサミを打ち出したり、ヤカンを作ったり。どれも見ていて惚れ惚れする職人芸だ。日本人に生まれたことを誇りに思えた。

 そして、その番組では、その職人さんたちの様子をVTRで子供たちに見せていた。けっこう真剣な目で子供たちは見ていた。そして口々に「かっこいい」と言っていた。

■そういえば俺たち、ITの職人だったよな?

 己を振り返る。そういえば私はサーバー系技術のプロだったよな? 自分の技術を売りにしてるよな? そういう点で見れば、テレビの向こうの職人さんたちとほとんど変わらない。違いといえば、対象がIT系の技術かどうかということぐらいだ。

 テレビの向うの職人さん方は、芸術品とも言えるほどの物を作り上げている。しかし、私はどうだろう。確かにある程度の品質はキープしているが、自分としはとても納得できる完成度の代物ではない。お客さんから要求が無い部分に関してはノータッチだったり、工数の関係上、十分な吟味がされていなかったりする。

■果たして子供たちはかっこいいと言ってくれるだろうか

 この、子供たちの言う「かっこいい」に私は重さを感じる。なぜなら、ごまかしのないファーストインプレッションだからだ。ありのままを見せてこの言葉が出るのはすごい。

 はっきり言って、私は大人の事情に溺れながら仕事をしていると思う。まぁ、そういう人が多いだろう。こういう仕事のやり方で、素直に子供たちが「かっこいい」と言うだろうか。ぶっちゃけ、自信は無い。なりふり構わず稼ぐことしか考えない大人が、かっこいいとは思えない。むしろあさましい。

 これから未来を担う子供たちに感動を与えられないようでは、大人失格だ。

■根本的な感動

 最近、思うのが、もっとこのかっこよさを追求してもいいんじゃないだろうか。よく、イノベーションとか作業効率とか、そういうものが時代を変えると言われる。しかし、私はそうは思わない。

 結局、人って、かっこいいとかすごいと思ったものに感動して、ついていく。そういう傾向はある。昔の武将さんなんて、そうだったかもしれない。意外と、かっこよさで時代は動いたんじゃなかろうか。

 今、どこの企業でも、論理的に考えられることはあらゆる角度から求められている。しかし、人の根本的な感情の部分に関しては、意外にザルだ。かっこよさの裏側にあるものって、仕事への取り組み方といった、精神的な部分が大きいと思う。地道さとか、純粋に技術と取り組む姿勢だとか。

 理論ばかりに頼りすぎて、それが見えなくなっている。

 エンジニアは、もっとかっこよくあるべきだ。

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