プロの使う道具と技
■職人に関するシリーズもののコラムに感銘
……を受けたというわけではないが、関連するコラムを書いてみたくなった。
私のような投げやりエンジニアとは、一味違う独自の視点が面白い。ぜひ一読いただきたいコラムです。もし、私が同じ題材でコラムを書いたとしたら、
投げやり崖っぷちエンジニア vs. リア充チョコレート職人
という感じになってしまう。読む人すべてを切なくさせる自信がある。
本当のプロは、道具の選び方が細かい。美容師で1本5万円くらいするハサミを使ってる人の話を聞いたことがある。また、私の習ってるハーモニカの先生は、演奏だけでなく楽器をバラして組み立てる方も達人だ。
高度な技は、洗練された道具に支えられているのだ。
■で、ITのプロはどうだろうか
そんなことで、とあるエンジニアの話だ。ツイッターでフォローしてる某開発系のエンジニアがボヤいていた。
「ブルースクリーンなんだが、もう帰っていいってことですかねw」
「5分経ってもExcelファイル開かないんだが……」
クライアントPCの管理をしていた立場とすれば、不遇をお悔やみする次第でございます。
電源が通ってればPCは使えると思ってる会社は多い。いろいろなツールを検証して効率のいい仕事方法を模索するような会社はまれだ。ほとんどの会社では、IT系のツールが使いこなせていないどころか管理すらずさんだ。
■道具を使いこなす気はあるのだろうか
ExcelとWordをぶち込んで「あとはそっちでヨロシク!」と投げやりに渡されたPC。いろいろなツールを使いたいが、管理が面倒くさいという理由でいつも却下される。使用するソフトもバージョンが未だに10年前のものだったり、フリーで使えるバージョンだったりと。
最高級品をよこせとは言わないが、道具はプロとして扱ってほしい。ソフトも常に最新版とは言わないが、目玉機能が追加されたタイミングで入れ替えるとか、ある程度は投資は必要じゃないか?それが無理なら、せめてフリーのツールの検証や検討くらいは積極的にして欲しい。
金とかそういう問題だけじゃない。
自分たちの使う道具に対して愛が足りない。
■IT資産の上に構築された技術
粗末な道具ばかり使っていると、仕事も粗末になる。道具の性能をフルに活かそうという姿勢がないので、当然の結果と言わざるを得ない。IT以外のリアルな職人の間では常識だが、二流の職人でも最初は道具の扱い方から教える。その道具の手入れがきちんとできて、使いこなせるようになって、初めて仕事を任せる。そのくらい、道具の扱いは大切だ。
道具の使い方が見えると、自分の扱っている技術が分かる。技術が分かると、間違った使い方をしない。間違ったとしても修正ができる。これは理屈ではなく、実際にできるようになった人でなければ分からない。
ろくに道具の使い方も知らずに仕事をすると、ずさんな成果が生み出される。ExcelやWordの使い方も知らずに仕事をするのでExcel方眼紙が生まれ、Eclipseの使い方も知らずに仕事してると、珍妙なコピペコードが出来上がる。
道具を使いこなすこと。これは確かな技術の裏付けと考えている。