シンガポールでアジアのエンジニアと一緒にソフトウエア開発をして日々感じること、アジャイル開発、.NET、SaaS、 Cloud computing について書きます。

昭南神社跡ジャングルウォーク

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 70年前の1941年12月8日、「臨時ニュースを申し上げます。帝国陸海軍は今八日未明、西太平洋において米英軍と戦闘状態に入れり。」で日本は米国太平洋艦隊の真珠湾を奇襲攻撃して、太平洋戦争に突入したわけだが、その何時間か前に、日本軍はマレー半島のコタバルに上陸、マレー半島そしてシンガポールへの侵略を開始したことはあまり知られていない。その後、日本軍はそのままマレー半島を南下、シンガポールは翌年の2月15日に英豪軍が降伏。以降、シンガポールは日本による占領時代を迎えることになる。日本が無条件降伏するまでの約4年間、シンガポールは昭南島と呼ばれていた。

 日本のシンガポール占領時代、当時の他の植民地、台湾、朝鮮半島、そして満州でもやっていたように、神社が創建された。その神社の名は昭南神社と呼ばれる。それは、現在、都心に近い高級住宅地の近くの公園で、森の中にジョッギングコースやハイキングコースが設けられているMacRichie Reservoir(マクリッチ貯水池)のほとりに建てられた。その昭南神社は、日本の降伏後、日本軍の手によって爆破され、今ではジャングルの中にひっそりと痕跡だけを残している。

Shonanboard

昭南神社がジャングルにあったと説明するボード

 ということで、この前のキャメロンハイランドで味をしめた、「ジャングルウォーク」。今回は、私が今シンガポールで住んでいる場所の近所のジャングルで、この「幻の」神社を見つけるべく、決行することにした。

 きっかけは、ここここ、そしてここなどで、その存在を知ったことだ。

 マクリッチ貯水池の周りに設けられたハイキングコースはきれいに整備された山道で、多くの人がジョッギングコースに使用してるぐらいなのだが、昭南神社跡への道には、そのような整備など一切行われていない。さらに、どうやって行くのか、実際にどこにあるのかについての情報もほとんどない。頼りは、上に挙げたブログ、その他の情報だけだった。

 どうも「マクリッチ貯水池のハイキングコースのどこかに、大きな石が置かれているところがあり、そこが昭南神社への道の入り口らしい。」実はこれだけの情報しかなかった。ということで、先週の日曜日意を決して、1周3時間ぐらいかかる、ハイキングコースを1周した。

 結果、それらしい大きな石が置かれている場所を発見。その日は、そこまでとし、次の日曜の本日、その場所から、ジャングルに突入。約40分ぐらいのジャングルウオークで、昭南神社跡を見つけられた。山道は、「道なき道」と言うわけではなく、とりあえずは、人が踏み固めたことがあるような道だったことと、ところどころ、判断に迷うようなところに出くわすと、大抵だれかが置いていってくれている目印、リボンや木にペンキなどの矢印があったので、迷うことなくたどり着けた。都会の中のジャングルとは言えど、やはりそこは、うっそうと木が茂るジャングルで、いくらかは不安になったが、ここも、とにかく携帯の電波が通じる場所なので、もしもの時は携帯で助けを呼べるだろうと、どんどんジャングルの中を進めた。

 神社は、シンガポール攻略で命を落とされた多くの日本人の英霊が祭られているところで、手を合わせたのは言うまでもない。当時の日本植民地に残された多くの日本神社のほとんどは、戦後日本人が去った後、解放された人々により破壊されたのだが、この昭南神社も、もし日本軍の手で破壊されなかったとしても、同じ運命をたどったのかもしれない。しかし、現在のこの地の人が日本人にたいして、まことに友好的なことを考えると、あながち、破壊されずに、今頃歴史的建造物として、名所の1つになっていたのかもしれない。なんてことを思って、その場所を後にした。

Entance

ハイキングコースから、昭南神社への山道の入り口

Junglepath

ジャングルの道

Sign

目印の1つ

Bottomstep

神社への石段、一番下

Steptop

神社への石段、一番上

Polebase

手水場の建物の基礎

Handwash

手水場

Stonestage

石垣

Comment(1)

コメント

ジャングルウオークですが、私はすんなりと40分で、目的地にたどり着けましたが。そうでない人も多いようです。ジャンブルで道に迷うのは恐怖です。挑戦する人は、それなりの準備をしていきましょう。ちなみに私は、念のため以下の準備をして挑戦しました。

カッパ
シンガポールでは熱帯に良くあるようなスコールのような、ものすごい雨は降らない。降ったとしても、短い時間で終わる。しかし、ジャンブルを歩いている間に雨に出くわして、カッパを準備していなくて、ぬれ鼠になれば、体力の低下が甚だしくなるわけで、やはりそれは避けるべきだと思ったからだ。

コンパス
ジャングルで道に迷うと、簡単に方向感覚をなくす。特に、そのジャングルが平地だとなおさらだ。方向感覚をなくして、見通しの効かないジャングルで迷ってしまうと、最悪だ。人は、気体分子さながらにブラウン運動、つまりランダムウオークを始めることになる。そこはコンパスさえ持っていれば、方向感覚を維持出来るわけで、必須の装備だと言える。

トイレットペーパー
ジャングルの中で、用を足すときに使うと言う目的の他に、もっと重要な用途がある。目印に使うのだ。自分が通って来た道で、後ろを振り返り、帰りに間違えそうだと思った地点で、そのトイレットペーパーを1メートルぐらい切って、気の枝にかけて置く。それで、帰りに迷うリスクをかなり下げることが出来る。なお、トイレットペーパーを利用するのは、訳がある。普通考える目印は、ビニールテープや、ナイロンのリボンなど、長持ちする素材を考えるが、それだともし万が一、間違った道に、目印を付けてしまった時に、次に来る人に間違った道を、示してしまうことになる。それで、人が道に迷う状況を作るべきではない。

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