@IT編集部の西村賢がRuby/Rails関連を中心に書いています。

あなた(正確には私)が知らないソーシャルゲームの世界

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 こんにちは、@IT編集部の西村です。

 RailsDevCon2010の講演動画が一気に公開されました(リンク)。記事のレポートはこちら

 一番の注目は、ドリコムの大仲能史さんが行った、「とあるソーシャルアプリの開発運用」(講演資料)だと思います。Railsで大規模にスケールするアプリを作る、というのはRailsという文脈でも、Web開発という文脈でも興味深いものがあります。

 さて、その大仲さんにソーシャルゲームについて大変興味深い話をいくつもお聞きしました。私は(恐らく、これを読んでるガジェット系、IT系な人も?)、iPhoneやAndroid、iPad、Kindleは次々と買っていますが、今さらガラケーを2年契約しようという気にはどうしてもなれず、ソーシャルゲームについても、mixiで少し遊んだことがある程度で全然状況が見えていません。そんなにソーシャルアプリが話題なんだったら、ぜひとも遊んでみたいとはいつも思うのですが……。

 お話を聞いたのはRailsDevCon終了後に開かれた非公式懇親会でのことで、以下の話は大仲さんの許可をいただいて掲載しています。

 現在、ソーシャルゲームの開発・運用でビジネスをしている大仲さんですが、大学時代にはあまりにもオンラインゲームが好き過ぎて、学業がおろそかになる(もう少し正確に書くと、学業が続けられなくなる……)ほどだったそうです。大仲さんの大学当時にはCGIを使ったゲームが多く、ブラウザをリロードすることで、ゲーム内の最新状況を知るシステムだったそうです。なので、コンビニに行く時間すら惜しいほどリロードを繰り返し、ゲーム仲間たちの動向に遅れまいとするのが常だったといいます。完全な中毒ですね。

 そして、そういうオンラインゲーム好きは今でも変わらず、常時20個程度のゲームをしているそうです。その大仲さんが、リアルでコアなソーシャルゲームファンとして、またソーシャルゲームを提供する開発者、ビジネスマンとして、以下のようなことを教えてくれました。

  • モバゲー、GREE、mixiには、それぞれ微妙に同期しているゲームの「はやり廃り」がある。探検系ゲームが流行しているときに、戦闘系ゲームや育て系ゲームを出しても、見向きもされない。後に振り返ると大ヒットとなったタイトルであっても、タイミングが違っていれば売れなかっただろう。そういうトレンドの読みも、ソーシャルゲーム市場でゲームを提供していく醍醐味。

  • ソーシャルゲームは、知り合いの間で次々と「乗り換える」ものなので、自分だけ、いつまでも流れに遅れているわけにもいかない。どのゲームで遊ぶかは、ソーシャルな文脈で決まる(当たり前ですね)。

  • 携帯課金上限額が月初でリセットされる。また、ユーザーの意識は「月の支払い金額」にあるため、月初は課金アイテムがすごい勢いで売れる。このため、アプリ運営側はそれに合わせて毎月必ずイベントを入れたり、前月の下旬からイベント予告を出したりしている。

  • mixiにはだいたい1万人程度の熱心なソーシャルアプリのウオッチャーがいる。この人たちは新リリースのゲームを試し、もし気にいれば1人のウオッチャー辺り、20~30人にゲームが伝播するので、この1万人に認めてもらえるかどうかが、最初のカギ。うまくいくと、リリース後2、3週間で30万ユーザーということにもなる。

  • 自分たちで開発・リリースしたゲームでも、数日やってみれば、はやるかどうかが分かる。自分がすぐにアクセスしなくなるゲームは、やっぱりはやらない。

  • 「今やオレの方が都会に出て高給取りで成功しているのに、なんで地元で冴えなかったアイツがゲームではレベルが上なんだ! 納得イカン!」というサモシイ競争心によって、可処分所得の多い大人たちは“お金で時間を買う”。つまり、アイテムを大人買いすることによって、無理に周囲のゲームレベルに追随しようとする。

 こういうのは、リアルなソーシャルゲームユーザーには常識の範疇なのでしょうが、ソーシャルゲームをほとんどやっていない私には新鮮でした。それにしても楽しそうですね。こういう話を聞くと、ますますソーシャルゲームをやってみたくなるわけですが、うーん、2年契約なぁ……。スマートフォン対応が進行中なので、それを待つ方がいいのかなと思ったりしています。

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