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コンピュータ将棋と開発者といろいろ

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こんにちは、手塚規雄です。

11日と12日に行われた第5回将棋電王トーナメントは平成将棋合戦ぽんぽこの優勝で幕を閉じました。しかし色々な課題が見えてきました。

http://denou.jp/tournament2017/

256手ルールはコンピュータ将棋にとってどうなのか?

予選リーグと決勝トーナメントとで立会人の判定が違っていたこと、多くの開発者の認識が立会人の話が抜けていたことから多く問題になったらルールですが、実際難しいところだと思います。

あくまで私の主観、他の開発者のかたの認識とは異なるかもしれませんが、はコンピュータ将棋2にとって256手はもう短いのかもしれません。そのためルール改正が求められる時期で、持ち時間を減らして最大手数を300手ぐらいに増やすのもありだと思います。運営定期には会場を押さえる時間もあれば、生放送の時間の都合もあります。

世界コンピュータ将棋選手権(WCSC)のほうの運営もこれには議論中らしく、次回では前回とルールが変わるのかもしれません。WCSCは昔、切れ負けだったのをフィッシャークロックルールに変更しています。柔軟にルールを変更していく必要があるのはいいことですが、運営は大変だと思います。

開発者による棄権

最も問題になったのはYorkieです。決勝トーナメント2回戦後に棄権になったのですが、その理由は開発者自身が独自性なしと思っているからです。しかし周りの開発者はそうは思わず、アピール文には記載されていないが高速化による棋力向上ができており、実際に予選リーグ2位で突破しています。いろいろな議論がありましたが、開発者自身のプライドがこれ以上の対局を望まなかったようです。

私個人の意見としては、開発者の判断であれば妨げるものではないと思います。でも高速化を主軸にしている開発者への配慮もちょっと足りなかったのですれ違いがあり、あのような議論が発生したのだと思います。

実際、アピール文は1ヶ月半から2ヶ月前に送るのですが、開発指針が変わるなんていつものことだし、アピール分のまま作成するのは相当難しいです。実験結果から逆に弱くなることもあるので開発者としては難しいところです。

WCSCでは大会後にアピール文の更新をしていることが多いです。

ライブラリとフルスクラッチ

今大会もライブラリ勢による活躍が目立ちました。やねうら王ライブラリが多数を占め、磯崎さんは特別賞となりました。しかしライブラリ勢が上位独占は大会としてどうなのか?という事が毎年のように言われています。

一から全部作成するフルスクラッチ。労力も大変ですが、開発者自身のこだわりも多く見られます。GUIから作る人もいれば、特性の技術だけで棋力向上を目指す。もしくは何でもかんでも取り入れる派もあります。フルスクラッチ勢はなによりも一から開発している分スキルも非常に高い人が多いと私は思っています。マジであんなのイチから作るのは大変ですよ。

一方、ライブラリ勢はスタートラインが低いのですが、そこからの強化するハードルが非常に高いです。ライブラリは基本的に、修正すると弱くなるのがほとんどです。そもそも今のライブラリは何回も大会を出場することで、どんどんコードが強化されていきます。そうするともう修正する部分が無いように感じてしまいます。

そうなるとまったく別のアイデアを取り入れなければならないのですが、そのアイデア出しが難しく感じてしまいます。でもこんな事言っていますが、毎回新しいアイデアで勝負してくる方が出てくるので面白いものですね。

私個人はライブラリに関するルールは今のままでいいなかと思っています。まあ、私はあんまり勝つ気がないからこんな事言えるのですけど。

最後に

初参加で多くの人が言っていたのは、もっと早く出場しておけばよかったと言っていました。参加するとそれぐらい楽しい大会で、当日はほとんど何もしないのですが、何故か終わるとグッタリするぐらいに疲れる大会です。ぜひ興味があれば参加してみてくださいよ。

(今大会出場でgithubを紹介しようと思ったのですが、多すぎて断念しました...。でも色んなソフトを知ってもらいたいので後日紹介を追記するかもしれません。)

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Comment(2)

コメント

機関車トーマス

日本語の文章として何か所かおかしいと思います。

No.23

某所でお世話になっています。私は shotgun の強さもさることながら開発者インタビューにもインパクトありました。 それと、 Ponanza は AI の番組にも出てくるぐらいの知名度あるソフトウェアでしたので、今大会で引退するのが残念に思えました。

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