寄ってらっしゃい。一緒に一人前を目指しましょう。

文系学部生がSIerからの内定までに心掛けたこと

»

◆自己紹介

 初めまして、mathkenと申します。現在、卒業を3月に控える大学生です。就職活動を終え、無事に卒業できれば、4月からSIerでSEとして働く予定です。

 なお、コラムの執筆に当たっては、けいいちっく氏の「コラムができるまで~執筆プロセスを可視化する~」、森姫氏の「コラムニスト入門」「コラムニスト応用」を参考にしました。背中を押していただき、勝手に感謝しています。

 今回のコラムでは、「ITの知識はあまりないが、SIerで働きたい」と考えている方の役に立つことができればと考えています。タイトルにもあるように、私は文系の学部生として就職活動に臨みました。情報系の学部の方に比べて、知識面では後れを取った状態でのスタートだったと思います。まずは、私が体験した就職活動の話をしたいと思います。

◆「プログラミングの経験はありますか?」という質問への対策

 多くのSIerは、説明会で「理系の方も文系の方もどちらも採用します」と言います。しかし、ITに関する経験や知識を問われないかというとそうではなく、面接では「今までITに関わった経験はありますか?」「プログラミングの経験はありますか?」などと聞かれます。

 当初、私は「文系も採用しますと言っておきながら、結局は即戦力を探しているのかな?」と考えていました。しかし、それは間違いだということに気が付きました。

 この質問の意図は、「経験のある人材を採用したい」のではなく、「ITやプログラミングに対して、苦手意識や抵抗がないかを探りたかった」のではないかと思います。「素晴らしい人を採用したとしても、ITに抵抗があっては困る」ということなのかもしれません。

 実際に、私は上記の質問に対して、大学の授業でHTMLを使用した経験を答えました。面接官は熱心に聞いてくれました。もし、即戦力を求めているのであれば、業務用のソフトウェアを作成する企業の面接で、HTMLの経験を語る学生の話をそこまで熱心に聞いてくれないと思います(心中で不思議に思っていた可能性は拭いきれませんが)。

 例えば、質問に対して「経験が全くありません」と答えてしまうと、就活生がITに抵抗があるかないかを測れず、面接官としては困ってしまうのではないかと思います。

 プログラミング経験を面接で聞かれた際の対策は、自分のプログラミング体験を話すことだと思います。そして、そのためには、自分でプログラミングをしてみるしかないのです(当たり前のことですいません!)。

 もし、プログラミングに関する授業を受ける機会があれば、とても幸運です。そのような機会がない、または面接までに間に合わないという方には、オンラインのプログラミング学習サイトで勉強することをおすすめします。

 私がよくお世話になっているのは、「ドットインストール」というサイトです。ここでは、さまざまなプログラミング言語の基礎を学習できるだけでなく、アプリケーションの作成まで支援してくれます。

 1つの言語でアプリケーションの作成までをひととおりやれば、面接でプログラミング経験を聞かれても、ある程度の経験を話すことができます。

 「いっぱい言語がありすぎて分からない」という方は、動画が充実しているJavaScriptという言語から始めてもいいかもしれません。とりあえず触れてみることが大事だと思います。

◆少しでも目立つために、資格を取る

 私は就職活動を始める直前に、学校の講師のすすめでIPAの「ITパスポート試験」を受験しました。

 ITパスポート試験は、短時間の勉強で取得できる資格でありながら、コンピュータ、ソフトウェアの開発工程などの知識を網羅的に取得できる資格だと思います。

 「ITパスポートでは資格としてインパクトに欠けるのではないか」と思う方もいるかもしれません。しかし、私は「文系なのにIT系の資格に興味を持ち、かつ取得している」ことが重要なのだと思います。

 実際に、講師に言われるがままに取った資格でしたが、就職活動中に何度か役に立つ場面がありました。例えば、「mathkenさんは文系なのに、ITパスポートの資格を持っているんですね。取得のきっかけやITに興味を持ったきっかけはなんですか?」といったようにです。

 「話のきっかけに使われているだけじゃないか」と思うかもしれません。しかし、ここから「~というきっかけがあってITに興味を持ち、何か形になるものや知識を得るために~の資格を取得しました」というテンプレートに持っていくことができ、自然に意欲を示すことができます。この他にもさまざまな形で応用が効くと思います。

 難関資格を取得したことをアピールして面接官の注目を一身に浴びていた方を見たこともあります。資格についてはいろいろな議論もありますが、少なくとも私が見た限りでは、効果が高いように思えます。

 そのほかの資格としては、Oracle認定Javaアソシエイツ(OCJ-A)ORACLE MASTERなどのベンダ資格があります。技術に対しての関心を示すために、これらの資格はとても有用だと思います。しかし、受験料が高いのでお財布と相談です。

◆「SEってどういう仕事だと思う?」という質問に対する対策

 そもそも、SEという言葉の定義が広いので、答えるのが難しい質問です。この質問に答えるカギは、「システム開発ライフサイクル」という言葉にあると思います。

 システム開発ライフサイクルとは、ソフトウェアの開発の工程(立案から要求定義、設計や構築を経て、保守・運用などの工程)を分かりやすく説明したモデルです(詳細に関しては検索してみると、知識の取得に役立つと思います)。システム開発ライフサイクルという言葉は、就職活動中に最も多く出てくるものだったのでここで取り上げます。

 私が面接を受けたSIerの多くは、どこかの工程に強みがあると感じました。「当社はライフサイクルのほとんどを取り扱います!」という企業も多かったのですが、そのような企業でも説明会や面接で詳しく聞いてみると、どこかの工程を重点的に担当していることが多いです。

 このような調査をすることで、「SEってどういう仕事だと思う?」という質問に対する答えが少し見えてきます。面接官は、自分の中に「SE像」が確立されている可能性が高いでしょう。そして、そのSE像は、面接官の方が経験してきた仕事に大きくかかわっていると思います。例えば、保守・運用を担当することが多かった面接官にとっては、「SEとは、お客さまの大切なシステムを責任持って預かり、絶対に止まらないようにする」存在かもしれません。また、それぞれの工程を満遍なく行ってきた面接官にとってのSEは、「すべての工程を見渡すことができ、それらをマネジメントできる人」なのかもしれません。

 ある人は、「SEとは、システムエンジニアではなく、サービスエンジニアの略なのだ」とも言っていました。

 私は何も、「そういったSE像をズバリ突くような返答をするべきだ」と言っているわけではありません。そのような背景を知った上で面接を受けることで、説得力が増す答えができるのではないかと考えているのです。

 例えば私は、構築を重点的に行う企業であれば、「プログラミング言語を中心として技術をしっかりと身につけた上で、お客さまの要望を叶える存在です」というように答えていました(あまり具体的に答えすぎると、ツッコミが怖いですが)。

 私が主に気をつけていたことは以上です。あくまで就活生側からの視点であり、面接官の考えを見抜けているわけではないかもしれません。ですが、少しでも読者の方の役に立てれば、幸いです。読んでいただきありがとうございました。

Comment(2)

コメント

ロボG

今現在IT業界を中心に就職活動をしている文系学生です。
記事を拝見し、とても参考になりました。
改めて戦略を練って面接に挑もうと思いました。
ありがとうございます!

匿名

最近は、世の中プログラミング信仰が強すぎますな。

「プログラミングは興味ありませんが、サーバはガツガツ構築してます。入社したらネットワークとストレージにも興味関心を広げていきたいと思います」

って文系学生が答えたら、コード書くことしか頭にない量産型の理系より
はるかに強い印象を与えられるとおもうんですがね。

コメントを投稿する